K1200R(2005-)
- 掲載日/2009年10月08日【年式別モデルカタログ】
- ※表記はメーカー発表の年です
K1200R(2005-)
K1200Sをベースとした
メガ・ストリート・ファイターの登場
K1200Sが登場した翌年、基本構成を同じくする派生モデルとして、強烈なデザインを主張するネイキッド・スポーツ・マシンK1200Rが市場投入された。エンジンや独特な機構のフロント・サスペンションを覆い隠すものは一切無く、フロントマスクにはBMW Motorradのアイデンティティのひとつである左右非対称のデュアル・ヘッドライト・システムを装備し、その特徴的なスタイリングはこれまでのクラシックやツアラーというイメージとは正反対に位置する。一見するとSのフェアリングを取り除いただけに思えるが、タンクやシートのデザインはR専用設計のスリムなもので、ニーグリップや着座位置などは大きく異なる。また幅広のハンドルは車体を抱え込むようなライディングフォームとなり、よりアクティブな操作を可能とする。ステアリングヘッドの角度はK1200Sの60.6度から61度に変更され、ホイールベースは9mm延長。細身でコンパクト、低重心を実現する直列4気筒パワーユニットは、特に郊外や市街地といったシチュエーション向けに吸気ポートがデチューンされ、最高出力はSよりも4ps低い163ps/10,250rpm、最大トルクも3Nm低い127Nm/8,250rpmという低・中速域重視に。この攻撃的でスポーティなキャラクターはMoto GPの前座レースとして、パワーカップというワンメイク・レースも開催されていたほどのポテンシャルを持つ。高回転域でF-1マシンのような甲高い咆哮のSに対し、Rは低速域から暴力的なエキゾーストノートを奏でる。インテグラルABS(パーシャリータイプ)やグリップヒーター、電源ソケット、イモビライザー(電子式エンジン始動ロック・システム)などを標準装備し、工場オプションとしてプラス9万4500円でESA(電子調整式サスペンション)も装備可能。
価格・スペック
最新の車両情報に関してはメーカー公式サイトをご確認ください。
- 発売時価格(税抜き)
- 199万5,000円
- 生産期間
- 2005~2008年
- エンジン形式
- 4ストローク直列4気筒
- バルブ
- 1気筒4バルブ
- 総排気量
- 1,156cc
- ボア×ストローク
- 79×59mm
- 最高出力
- 163ps / 10,250rpm
- 最大トルク
- 127Nm / 8,250rpm
- 圧縮比
- 13.0 : 1
- 冷却方式
- 水冷
- バルブ駆動
- DOHCカムチェーン駆動
- 気化器
- 電子制御式燃料噴射(BMS-K)燃料カットオフ機能付
- クラッチ
- 油圧式・湿式多板
- ミッション
- 6速
- ギアレシオ
- 3.931 / 2.872 / 2.268 / 2.006 / 1.783 / 1.582
- ファイナルレシオ
- 2.909 : 1
- 点火方式
- BMS-K
- オルタネータ
- 580W
- バッテリー
- 12V-14Ah(MF)
- 全長×全幅×全高
- 2,230×785×1,095mm
- ホイールベース
- 1,580mm(空車時)
- シート高
- 790mm(空車時)
- 燃料タンク容量
- 19L(リザーブ容量約4L含む)
- 車両重量
- 250kg(満タン、走行可能状態)
- 最高速度
- 200km/h以上
- 燃費(90km/h定速走行時)
- 21.3km/L
- 燃費(120km/h定速走行時)
- 18.1km/L
- 燃料
- 無鉛プレミアムガソリン
- フレーム
- アルミ製ブリッジタイプエンジンをフレームの一部として使用
- フロントサスペンション
- BMW Motorradデュオレバー(モノショック)センタースプリングストラット
- フロントホイールトラベル
- 115mm
- リアサスペンション
- BMW Motorradパラレバー(モノショック)アルミキャスト・シングルスイングアーム
- リアホイールトラベル
- 135mm
- 駆動方式
- シャフトドライブ
- フロントブレーキ
- BMW Motorrad Integral ABS(パーシャリーインテグラル)フローティングダブルディスク4ピストン固定キャリパ
- リアブレーキ
- BMW Motorrad Integral ABS(パーシャリーインテグラル)シングルディスク2ピストンフローティングキャリパ
- ブレーキパッド
- 焼付メタルパッド/オーガニック
- ホイール
- アルミキャストホイール
- フロントホイール
- 3.50-17
- リアホイール
- 5.50-17
- タイヤ
- チューブレス
- フロントタイヤ
- 120/70 ZR17
- リアタイヤ
- 180/55 ZR 17
1200横置きクランク直列4気筒
2004年、これまでのKシリーズに見られた縦置きクランク・エンジンを横にレイアウトした、いわゆる一般的な4気筒エンジンを新開発し、BMW Motorradとしては初の横置きクランク4気筒エンジンが登場した。最大の特徴はシリンダーの前傾角度を55度と極端に寝かせている点で、それによってエンジンの全高は低く、車体のより低い位置に搭載可能となり、フラットツインやこれまでのKシリーズのエンジンでも明らかな“低重心の優位性” を継承することに成功した。エキゾーストの取り出し口がより下を向いていることでエキゾーストパイプの曲率は緩やかになり、排気効率の向上にも貢献している。また吸気ラインはシリンダヘッド上へほぼ垂直に置かれ、インジェクターも非常に小さく、空気の流れはダウンドラフトとなる。2本のカムシャフトを駆動するカムチェーンはエンジン右側に配置され、各シリンダー間のピッチは極めて狭く、エンジン単体のコンパクト化を実現。バルブ挟み角、ピストン、シリンダー、ベアリング、コンロッド、クランクシャフトなど各構成パーツの設計や表面処理、潤滑方式など、この新エンジンの開発にはBMWモーター・スポーツが培ってきたF-1技術がフィードバックされており、その結果として、最高出力167ps/10,250rpm、最大トルク130Nm/8,250rpm、わずか3,000 rpmから最大トルクの70%以上を発生するという、軽量・コンパクト・ハイパワーなエンジンが完成した。その駆動力の伝達にはスポーティなレスポンスと耐久性、メンテナンス性に優れるシャフトドライブ方式を採用する。
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