VIRGIN BMW | #04 レーサー仕様で、いざシェイクダウン! HP2メガモトもて耐参戦記

#04 レーサー仕様で、いざシェイクダウン!

  • 掲載日/2009年08月18日【HP2メガモトもて耐参戦記】
  • 取材協力/Tras  文/新田 正直
HP2メガモトもて耐参戦記の画像

がんばれ!『Tras チーム』

2008年にはHP2 Sportで参戦し、「もて耐史上初」となる外国車優勝を遂げたトラスチーム。今年はディフェンディング・チャンピオンとして、HP2 Megamotoで挑戦します。レース本番は8月22日(土)。当日はBMW BIKESのヒミツ集会&HP2オーナーズミーティングも同時開催し、みんなでトラスチームを応援しました。たくさんのご声援・ご参加、ありがとうございました!

いよいよサーキットでテストラン!
メガモトに抱く期待と不安…

BMWで“もて耐”に挑戦し続ける鉄人、群馬県のBMWディーラー『モトパーク』高橋社長の組み付けチェックも終了し、予定通り“もてぎ”でシェイクダウンを迎えたメガモトレーサー。トランスポーターから降ろすと、何処からとも無くカメラが登場し、シャッターが切られます。

新田「注目されている…」

白・黄・オレンジの鮮やかなカラーリングに、何といってもカーボン繊維の目を活かした外装ですからね! そりゃあ注目度も高いってモンでしょう(自己過大評価)! そのせいか、シェイクダウン担当の武藤さんは若干緊張している様子。何よりノーマル状態のポジションではサーキットに合わないとネガティブな印象を持っていた武藤さんでしたが、いざ走り出すとTrasスペシャルの乗り易さに驚き、好感触。タイムを着々と詰め、どノーマルの車輌で18秒台を楽々叩き出してしまいました。

武藤「すん~ごい乗り易い! ステップも最高! ポジションも良いし、なにより走っていて全然怖くないのよ? 良いよ!メガモトレーサー!」

エンデューロベースのマシンで、外装とポジションの変更のみで18秒台が出るなんて、メガモトの組成の良さに改めて感銘した次第です。

しかし良いことばかりではありません。オフロード寄りに設計されたサスペンション構造がサーキットにはまったく不向きで、タイムは思うように上がらず、14秒の壁にぶち当たり、最終的に予選でマシンは…大破してしまいました…この原稿を書いている時点でマシンの状況はバラバラです…。夏休み返上でメガモトレーサー復活に奮闘してくれているモトパークの高橋社長。外装とアルミタンクは修理が完了しており、パーツも揃っています。あとは組み付け作業を高橋さんに任せればまったく不安はありません! 私達は確実に22日の決勝グリットに並びます! BMWを愛する皆様、応援よろしくお願いします! こんな状況に陥ってもチームの様子はメチャ明るいです! なぜなら2002年の鈴鹿8耐参戦から苦楽を共にし、結果を出してきた仲間ですから、どんなことがあってもヘコタレません!

ここで裏話をいくつか。

「BMWはノーマルが一番イイんすよ!」

この言葉を口癖のように話すのは、フラットツインの重鎮“名誉マイスター”でもある、東京都大田区のBMWディーラー『バイクハウス・フラット』代表の柳澤勝由さん。また、本国ドイツでは

「ノーマルパーツを近くの町工場で加工して、チューニングを施したパーツを正確に組み付けるんだ!」

という、BMWワークスエンジンチューナーのヘルムート・マーダーさんのお話。実際マーダーさんの工房を訪ねたとき、ル・マン24H用のエンジンを組み付ける作業をしており、信じられないほどピカピカに磨き上げられたパーツは、すべてノーマルパーツがベースでした。

つまり、BMWで戦う術の答えは? ノーマルが一番なのです。

さておき、22日(土)の決勝では、基本ノーマルのメガモトが走ります。そして世界一フラットツインに詳しい永山監督(BMW BIKES編集長)、さらに柳澤さんも“もて耐”に登場します!

8月22日(土)は、メガモト“もて耐”よみがえり仕様の確認に、皆さんツインリンクもてぎに集まってください!

HP2メガモトもて耐参戦記の画像
最悪転倒したとき、ツナギの後ろに『KONDO』なんて名前を見られたくないシャイな近藤さんは、ヘルメットもホワイト。OHVフラットツインの話をさせたら、3日3晩、寝ずに語りつくほどのBMWマニアである。
HP2メガモトもて耐参戦記の画像
めがねをはずした武藤さんのガッツポーズの後は…! チョッと不吉な予感。
HP2メガモトもて耐参戦記の画像
モトパーク社長の大切な宝物のひとつ、スプリングコンプレッサー。マイスターの資格を持つ高橋社長は、スプリング交換タイムアタックにも命を懸けている。この男は声もデカけりゃ妥協もしない! 日本一厳しいBMWマイスターです。
HP2メガモトもて耐参戦記の画像
新田「リアサスとフレームは大丈夫みたいだよ?武藤さん」武藤「…」明らかに監督の表情だね、今年はライダーなのに。この画像には移っていませんが、高橋社長はフロントホイールの歪みをチェックしています。
HP2メガモトもて耐参戦記の画像
「心をこめて創った製品が…」修理担当スタッフ達の表情。しかし! Trasスタッフはみな強い意志を持っています! 通常業務終了後、復活に向けて修理作業に入るのでした。
HP2メガモトもて耐参戦記の画像
シェイクダウン前、知らないうちにBMW BIKESステッカーを貼りまくっていた永山監督。決勝時にはさらに大きいステッカーが貼られるかも?
挑戦者
新田 正直 Masanao NITTA
ドライカーボン製品のデザインから設計、製造、販売まで、つねに新たな挑戦と遊び心をもってモノづくりに取り組む“ドライカーボンの職人集団” Tras代表。カーボンという“夢の素材”で、そのメリットを最大に活かしたハイクオリティな製品は世界トップレベル。自身もBMWオーナーとして、R100ロードスター、R1200RT、HP2 Megamoto(もて耐仕様)を所有。自社の技術力向上と新たな挑戦の一環として、2006年の鈴鹿8耐、2008年のもて耐など、周囲の人間と愉しみながらBMWでのレース参戦に挑む。毎年レーサーの製作(外装)を行い、単なる工業製品ではなく、誰もやったことのない付加価値のあるものづくりを目指すチャレンジャー。

がんばれ“Trasチーム”!

この記事に関するコメント(ご意見、ご感想、ご声援など)を受付ています。メガモトレーサー製作は、すべてプロフェッショナルの手により、豊富な知識と経験、確かな技術によって、レーシングユースを前提とし、参加する人やその周囲の人たちが愉しみながら行っています。

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これまでのコメント一覧

つばさ さん

その勇姿、この目に焼き付けに行きますっ!!!!!

yama さん

明日は行きます! 
  皆さんお疲れでしょうが、晴れ舞台楽しみにしてます。
応援側もですが、暑さに負けずガンガン行きましょう!!
幸運を祈る!!

Tras 新田 さん

>つばささん
ありがとうございます!
スタッフ、関係者ともども本気です!
当日(じつはもう現場入りしてます)は応援のほう
よろしくお願いしますね!

Tras 新田 さん

>yamaさん
気合の入ったコメントありがとうございます!
とうとう本番前日になってしまいました。
準備万端(?)、気合もじゅうぶん!
7時間の長丁場は、当たり前ですがものすごく疲れます!
でも、それをやり遂げた達成感は遥かに大きなものです!
応援よろしくお願いします!!!

yama さん

皆様、ご苦労様でした。
色んな事がありましたね。
お疲れ様でした。
綺麗なカッコいいバイク、よく見てきました。
また来年!!頼みますよ!!

Tras 新田 さん

>yamaさん
応援ありがとうございました。
まさに耐久レースは、様々なドラマが待ち受けているわけで(→ο←)
マシンお褒めいただきありがとうございます(* ̄▽ ̄*)~゜
来年もメガモトで!参戦かな?
来年も、応援よろしくお願いします!!!

m-ten さん

コーナーを駆け抜けるメガモトレーサー、
とてもカッコ良かったです。
トラスチーム是非、来年もメガモトレーサーで
リベンジ参戦されることをメガモトオーナーとして、
期待いたします。
その際は、必ず応援しに行きますよ!
あと、メガモトレーサーの外装部品商品化!
大容量タンクも含む、お願いいたしまーす。

Tras 新田 さん

>m-tenさん
“もて耐”当日は応援ありがとうございました!
マシンをお褒めいただき、誠にありがとうございます!
今後も、メガモトオーナーの期待を裏切らないように頑張りますので、その時はまた応援よろしくお願いいたします!
ところで、メガモトレーサー外装の商品化の件ですが、現時点ではサーキット専用設計の為、難しい状況です。
確かに、ガソリン容量が多くなれば、長距離ツーリングでも重宝しますよね?
前向きに検討させて頂きます。

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