VIRGIN BMW | 革新的なコンセプトモデル 9CENTO (ノーヴェ・チェント)その正体とは!? トピックス

革新的なコンセプトモデル 9CENTO (ノーヴェ・チェント)その正体とは!?

  • 掲載日/2018年09月07日【トピックス】
  • 協力/BMW Motorrad  文/松井 勉 写真/BMW Motorrad
    記事提供/BMW BIKES編集部
    ※この記事は『BMW BIKES vol.84号 』に掲載された内容を再編集したものです。

革新的なコンセプトモデル 9CENTO (ノーヴェ・チェント)その正体とは!?の画像

歴史的な自動車やモーターサイクルが集まる世界でも有名な由緒あるイベント「コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステ(Concorso d’Eleganza Villa d’Este)」で、またもやBMWが革新的なコンセプトモデル「ノーヴェ・チェント(9CENTO)」を発表した。

未来への変化。
彼方への道筋と、そこへの道程。

ミュンヘンから南西に向かい、市街地の引力が薄れる頃、田舎道の先に点在する町を越えれば、その先にモトラッドデイの会場、ガルミッシュ・パルテンキルヘンがある。すでにオーストリアに近く、アルプスの山岳風景が美しい。さらに進みイン川沿いを抜け、多くのスキーリゾートを縫ってレジア湖に着く頃には、イタリア国境も越えている。風景は幾度も絶頂を迎えたはずだが、スポンディニャからステルビオ峠へと上るいく十ものヘアピンを曲れば、その歓喜はさらにたかまる。

その後も美しい道を抜け、その先の山塊の中にコモ湖がある。黒く澄んだ湖面と、湖畔に点在する家々の風景を見れば、ここまでの苦労も忘れるに違いない。人の字型をした湖の周囲はまるでおとぎ話のような風景だ。

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湖畔に建つグランドホテル「ヴィラ・デステ」では1929年から毎年5月下旬の風物詩としてお馴染みのイベントがある。「コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステ」がそれだ。この10年、BMWグループもこのイベントに深く関わっている。19世紀初頭のヴィンテージカーから80年代のターボF1マシンまで歴史に名を残すクルマが多く集うほか、コンセプトカーやプロトタイプのお披露目もされるソーシャルでゴージャスなイベントなのである。

もちろん、バイクも出展される。かつてこの場でコンセプト9Tや、コンセプトアメリカがお披露目されたのは記憶に新しい。

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2018年、BMWモトラッドは、ノーヴェ・チェント(9CENTO)を発表した。一目見て新型F・GSのパワーユニットを使ったコンセプトモデルだと想像がつく。デザイン部門のトップ、エドガー・ハインリッヒは、ノーヴェ・ツェントが「スポーツ」「アドベンチャー」「ツーリング」の持つ高濃度な楽しさを融合させたエキサイティングなミッドサイズのコンセプトバイクだ、と紹介した。

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ボリュームゾーンをフロント回りに集中させ、リアエンドは短く切り上げたスタイル、その外装にはカーボンが用いられ、金属ライクな塗装を用いたサイドパネルも印象深い。またフレームもカーボンで強化されたほかタンクセンターと車体後部下側から覗くアルミ削り出しパーツを使い、そのリア側はキャリアとしても機能する。そこにカチャリとクリップ式装着を可能とした左右一体式のケースシステムは、パッセンジャーの居住性拡張を目的としてシートも備える。それでいて、リアアクスルよりも前に搭載し、走りを邪魔しない欲張りなデザインだ。

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テールライトもBMWらしい明快さ。テールランプが装備される大きなアルミパーツがリアキャリア。ランプ中央の穴にクリップ式のケースをはめる。

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極端に細身のリアエンドを快適なクルーズバイクに換えるラゲッジシステムのアイディア。ケースシステム上面がシートスペースとされているのが解る。

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タンク中央にもリアキャリア同様の材質、デザインのアルミ材を使っているようだ。中央のほぞ穴もおそらく、さまざまな機能を持つに違いない。

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ほぼレンダリングイラストのままに制作されたノーヴェ・ツェント。GSのようなアップライトなハンドルバーを装着するあたりもよくわかる。

イタリア語の900を意味する車名が排気量だろう、という確証は市販化を待たなければ結論は出ないが、まさにこのクラスで日本製ライバル達が醸す人気に、別のアプローチからミドルサイズに新たな価値観を提案したことは間違いない。BMWの四輪がそうであるように、プレミアムさと駆け抜ける歓びが同居するであろうこのコンセプトモデル、実際に市販されるのが楽しみだ。

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