第9回JAIA輸入二輪車試乗会・展示会 BMWモトラッドブースレポート「R12」ショートインプレあり
- 掲載日/2024年05月04日【トピックス】
- 取材協力/BMW Motorrad Japan 写真・文/小松 男
一新したGSシリーズからヘリテイジモデルまで
攻勢を続けるBMWモトラッドのイマを知る!!
2024年4月10日と11日の二日間に渡り大磯ロングビーチ特設会場にて開催された第9回JAIA輸入二輪車試乗会・展示会。これは日本に輸入販売されている海外バイクメーカーが一堂に会し、ウェブサイトや雑誌媒体など様々なメディア関係者に向けて行われる試乗イベントである。毎年恒例となっているこのイベントだが、その中でも今回注目したのはBMWモトラッドブースだ。
BMWモトラッドは昨年、看板モデルの一つであるGSシリーズの新作R1300GSを販売開始、今年3月にはミドルクラスに位置するF900GSとF800GSも発売した。これらのモデルはアドベンチャーセグメントの指標とされており、だからこそその進化が問われているのだが、少なくともすでに私自身テストライドを行ったR1300GSに関しては、従来モデルと比較し格段に乗りやすく、さらに各種電子制御機能が向上していることが分かっている。
そして今シーズンの注目株として挙げたいのは、ヘリテイジモデルのニューカマー、R12及びR12nineTだ。ネオクラシックモデルブームの火付け役的存在だったRnineTは、R12nineTとして代替わりをしたことと、さらにはビッグボクサーツインを搭載するR18系の弟分的なクルーザーモデルR12が追加された。
イベントに参加した多くのメディア関係者も同車をフォーカスしており、試乗枠もすべて埋まっていた。そんなBMWモトラッドブースの様子と実際に試乗したR12のショートインプレッションをお伝えしていこう。
BMWモトラッドブースでは試乗車としてF900/800GS、R1300GS、R12nineT、R12、R18ロクテイン、CE04、G310R、F900Rが、参考展示車としてS1000XR、M1000XR、CE02が用意された。
ビッグアドベンチャーセグメント界を牽引してきたR-GSの最新モデルとなるR1300GS。全体的にコンパクトに纏め上げられたうえ、自動車高調整機能やアダプティブクルーズコントロールなど装備も充実している。
本格的なオフロード走行を楽しむ層にも支持されているF-GSの最新モデルであるF900GS。3月末に日本でも販売が開始されている。これと兄弟モデルのF800GSにも試乗してみたかったがタイミング合わず、残念。
次世代モビリティとして登場し、すでに2年以上の年月が経った電動モデル、CE04。今でもストリートで見かけると“オッ”と目を惹き寄せられる。さらにコンパクトに作られたCE02も参考展示されていた。
今シーズン注目のニューカマーはR12、R12nineT。R12nineTはスポーティかつクラシックテイストを引き上げるという正常進化が行われた。一方のR12はR18の弟分的な存在のクルーザーモデルとなっている。
BMWモトラッド R12 プチインプレッション
快適でありながら非常にアグレッシブ、
スポーツクルーザーの新たな定番か!?
BMW創業90周年の記念モデルであり、往年の名車R90をオマージュしたことでも知られるヘリテイジモデルRnineTの登場から10年。今度は100周年の節目のひとつとして新たにR12、R12nineTが登場した。
R12nineTは前後17インチタイヤを採用しており、クラシカルなスタイリングの中にもスポーティな味付けがなされたモデルで、RnineTからの正常進化版と言える。一方のR12はというと、フロント19、リア16インチとされ、低めのシートやアップハンドルなどが採用されたいわゆるクルーザーモデルとなっている。実は戦前モデルであり世界で初めてテレスコピックフォークを採用したR12もインスパイアしたモデルだ。今回はこのR12を試乗した。
754mmというシート高は体格を問わず優しくライダーを迎え入れてくれる。伝統的な空冷ボクサーツインエンジンはあえてトルクリアクションを残しており、ブリッピングで左右に振れる感触を得ると“そうそう、これこれ”と思わずにやけてしまう。
走り出すと想像以上のパンチ力を備えていることがすぐに分かった。ライディングモードをパワフルなROCKにセットしている時はもちろん、標準となるROLLにしてもかなりのトルクを発生させる。これはアップライトなライディングポジションによるところも多い。
前後タイヤのサイズが19-16インチと差がつけられていることもあり、“立ち”が強い傾向なのかと思っていたが、乗ってみるとそんなことは無く、むしろ右へ左へと意のままに車体を振り回すことができる。これにはBMWモトラッドらしいスポーティさが感じられた。
スロットルをパーシャルにし快適なクルーズを楽しんでも良し、果敢に攻めるような走りもしても良し、さらにカッコいい。これはクルーザーモデルの新たな定番となるかもしれないぞ。
R12はクラシックでありながらもモダン。相変わらずBMWモトラッドのヘリテイジモデルは絶妙なデザインワークを行ってくると思う。このままでも十分スタイリッシュだがカスタムベースとしても良さそうである。
もはや円熟していると言っても過言ではない空油冷ボクサーツインエンジン。エンジンマネジメントも良くできており低回転域からトルクフル。ただスロットルを戻した際の回転の落ち込みに若干ラグがあるように感じた。
フロントには100/90R19サイズのタイヤを採用。銘柄はクラシックモデルにも良く似合い、なおかつグリップ力やライフにも定評があるブリヂストン製BT-46。
BMWモトラッドの伝統的なシャフトドライブを採用。パラレバーを採用しテールリフトを防ぐ。リアフェンダーとその上に沿う形とされたシートもクルーザーライクなスタイリングだ。
シート高は754mm。足つき性は膝が曲がるほど良く、加速時の強力なトルクからライダーの臀部をしっかりとホールドするシート形状となっている。
関連する記事
-
トピックス
Glemseck101(グレムセック) レポート
-
試乗インプレッション
R nineT(2014-)