第8回JAIA輸入二輪車試乗会・展示会 BMWブースレポート(S1000RRのショートインプレあり)
- 掲載日/2023年04月27日【トピックス】
- 取材協力/BMW Motorrad Japan 写真・文/小松 男
100周年を迎えた『BMWモトラッド』!
アニバーサリーモデルとスポーツ系が充実!
日本に輸入され販売されている海外バイクメーカーが一堂に会し、ウェブサイトや雑誌媒体など様々なメディア関係者に向けて行われる試乗イベント、第8回JAIA輸入車二輪車試乗会・展示会が2023年4月12日(水)~13日(木)の2日間に渡り、大磯ロングビーチにて開催された。
多くのインポートプレミアムバイクを一気にテストライドできるのは業界人の特権であるものの、その感想を皆様に伝えることがお仕事。ここではBMWモトラッドのブースの様子と、新型S1000RRに試乗したので、そのインプレッションをお伝えする。
フラッグシップロードスターであるS1000Rの上級バージョン『M1000R』がついに登場。最高出力は210馬力、車重200キロ。ひっくり返りそうなパワーウエイトレシオである。装備を見ると、価格も265万2000円からというのはコスパが良くも思える。
ヘリテイジシリーズのRナインTとR18は、BMWモトラッド100周年を記念したアニバーサリーモデルが用意された。創業年を用いてそれぞれ世界限定1923台となっているリミテッドエディションだ。
新型M1000RRは巨大なフロントウイングレットや、各部に用いられたカーボンパーツで、より威圧的な印象を受ける。スーパーバイク参戦モデル直系のテクノロジーを持つリアルスポーツモデルだ。最高速度は314km/hをマークする。
G310RやG310GSなど、普通自動二輪免許で乗ることができるBMWモトラッドも人気が高い。ここから上位モデルにステップアップするも良し、大型モデルのセカンドバイク的に所有するのも良いだろう。
BMWモトラッド S1000RR プチインプレッション
強烈! でも扱いやすい!!
ストリートでもしっかりと魅力的
S1000RRは初代モデルが発表されたのが2009年のことなので、その名はすでに14年目に突入することになる。歴代モデルに触れてきたが、着実に進化、熟成を重ねつつも、根っこの部分に扱いやすさというものが備わってきたと感じている。
今年登場した最新S1000RRは2019年以来のモデルチェンジが施されており、デザイン的には大きな変更がなされていないものの(以前は左右異形ヘッドライトがアイデンティティで、世代ごとに左右が入れ替わるなどデザインの変更がされていた)、フロントカウル下方に備わったウイングレットで、すぐにそれと分かるだろう。
車両に跨ると、まずシートの高さとハンドルの低さに、スーパーバイク特有の洗礼を感じながら、エンジンを始動し走り出す(S1000RRに乗る前、立て続けにクルーザーモデルに触れていたのでなおさらライポジのレーシーさが目立った)。
昨今の、いや昔からだが、スーパーバイクモデルは高速道路であっても高回転まで使用できるシーンは少ない。やはり秘めたるパフォーマンスを合法的に引き出して楽しむならばサーキットというステージが適しているには違いないのだが、S1000RRの魅力は何といってもストリートを走らせても気持ちよく、しかも楽しいという点にある。
エンジンマネジメントがさらに洗練されており、スロットルワークに対して従順にエンジンは反応を示し、さらにしなやかに動く足まわりのおかげで、常にスポーティな走りを安心して楽しめる。特にこのイベントで私がテストコースとしているルートにはタイトな九十九折れや、凸凹、砂利浮きの箇所があるのだが、どこでも躊躇せずに突っ込んでいくことができる。こんなスーパーバイクはなかなか無い。
上位モデルにあたるM1000RRが存在する今、あえてS1000RRを選ぶ意味が出てきたように思えた。
ストリートで安全に安心してスポーツライディングを楽しめる新型S1000RRは、根っこの部分にBMWが100年間培ってきたイムズを感じさせてくれる。ただし、相応のライディングスキルも持ち合わせていたい。
999cc水冷並列4気筒エンジンは、最高出力210馬力を13750回転で発生させる。ストリートユースでも扱いやすい設定とされている。フレームは改良され、剛性バランスが見直されている。
高速走行時にダウンフォースを得るためのウイングレットが追加されたのは大きな特徴となっているが、良く見るとフロントフェアリングは全体的にリデザインされていることが分かる。
シートカウルの形状も変更されている。なおシート高は標準で832mmとされ数値的には高いものの、車重の軽さや細身にシェイプされたシート形状のため、足つき性の不安は少ないだろう。
国内販売される新型S1000RRには“Mパッケージ”、“ダイナミック・パッケージ”、“レース・パッケージ”、“カーボン・パック”、“Mビレット・パック”が用意されている。どれもMパーツが多用される。
エンジンのマネジメントはもとより、特に足まわりの動きに好印象を受けた。サーキットに持ち込まずとも、交差点一つパスするのも楽しい、この感触はスーパースポーツバイクとして大きな魅力である。