ドイツ最大級のバイクイベント「2019 Glemseck101/グレムセック・ワンオーワン」
- 掲載日/2019年11月05日【トピックス】
- 取材協力/Glemseck101 取材・写真・文/河野 正士
カスタムバイクのスプリントレース欧州選手権「Sultans of Sprint/ソルタンス・オブ・スプリント」の最高峰である“ファクトリークラス”でシリーズチャンピオンを獲得したKraftstoffschmiedeのBMW R1250RSベースのマシン。ライダーであり、このマシンを仕上げたフィリップはBMWの四輪のエンジニア。
BMWも多数参戦&参加する
「Glemseck101/グレムセック・ワンオーワン」
「Glemseck101/グレムセック・ワンオーワン」は今年も大いに盛り上がった。開催14回目を迎えた、このドイツ最大級のイベントは、ここ数年雨に見舞われてきた。それでも4万人を越える観客を集めていたのだが、今年は3日間ともに快晴。この夏、欧州は記録的な猛暑に見舞われ、各地で40度近い最高気温を記録した。初秋に開催されるグレムセックは、シュツットガルト郊外で開催されていることもあり日中は過ごしやすく、夜には吐く息が白くなるほど気温が下がる。しかし今年は日中35度を超え、陽が落ちてからも気温が下がらなかった。
その気温の高さに連動するように、メインイベントである1/8マイル・スプリントレース、日本で言うところの0-200mドラッグレースは、大いに盛り上がった。排気量やチューニング度合い、年式などによって分けられた各クラスのマシンはどれも個性的で、世界中のカスタムバイク系WEBサイトを賑わせたマシンも多数エントリーしている。ここではそんなイベントを、BMWを中心に紹介する。
R1250RSのフレームやスイングアーム、エンジンには一切手を加えていないとのこと。ECUマッピングと排気系を変更したほか、S1000RRのフロントフォークをローダウン。フロント19インチホイールをセットするためオフセットを増やしたトップブリッジ&アンダーブラケットをワンオフ、外装類は3Dプリンターで出力し、それを繋ぎ合わせて一体化している。
BMWモトラッドブースに展示されていた「Concept R18」。やはり注目度は高い。
日曜日には「Concept R18」のデモランが行われた。ライディングしたのはBMW Motorradのトップ/Markus Schrramm(マーカス・シュラム)。全開での加速は大迫力だった。
昨年の横浜ホットロッドカスタムショーで発表した、滋賀をベースに活動する「カスタムワークスZON」が「Departed/デパーテッド」を発表。それに続きR18 と同じエンジンを搭載した、アメリカのカスタムファクトリー「REVIVALCYCLE/リバイバルサイクル」が製作した「Revival Birdcage」も展示。エンジンも始動させた。
イギリスのカスタムビルダー「AUTO FABRICA/オートファブリカ」が製作した、R nineTベースのマシン。
スイスのカスタムビルダー「VTR CUSTOM」が製作した「SPITFIRE/スポットファイヤー」は昨年に引き続き「Sultans of Sprint」に参戦。BMW R1200R用エンジンをオリジナルフレームに搭載する。
ドイツのカスタムビルダー「KRAUTMOTORS」が製作したBMW F850ベースのマシン。ドイツのデザインスタジオ「Bauhaus/バウハウス」の創立100周年を記念し、最後の学長となったデザイナー/ミース・ファン・デル・ローエがデザインしたバルセロナチェアへのオマージュだ。
日本のカスタムビルダー「Cherry’s Company」はスイスの顧客のために、R nineTベースのカスタムマシン「Highway Fighter」を製作し会場に持ち込んだ。
アメリカでBMW Motorradのスポーツ部門のアンバサダーを務め、欧州で開催されていたR nineT Racerを使ったワンメイクレース選手権「BoxerCup」にも出場しているネイト・カーン。派手なアクションで会場を沸かせる。
「KRAUTMOTORS」のボスであるラルフのパートナー/マヌエラがライディングし、カスタムバイククラス/スターウォーズで勝利したマシン。
パリを拠点の活動するカスタムファクトリー「Lucky Cat Garage/ラッキー・キャット・ガレージ」が製作したスプリント・ビーマー。フルチューン&NOSシステム搭載のフレットツインエンジンを、プランジャーサス付きBMW用フレームに搭載する。
会場で見かけたクラブスタイルのBMW。おそらくR80RTがベースと思われる。
縦置き3気筒&4気筒エンジンを搭載するKシリーズBMWをベースにしたカスタムマシンも、ここ最近人気が高まっている。アイディア次第で、カフェスタイルにも80s耐久レーサースタイルにもアレンジできる。
「Sultans of Sprint」に参戦しているスイスの「VTR CUSTOM」が製作したBMW R80 Policeベースのスプリントレーサー。スイス警察が白バイ用に使用していたマシンをベースに、スーパーチャージャー+NOSシステムを搭載。フレームや足回りにも大胆に手が入れられている。
「VTR CUSTOM」がベースにしたBMW R80 Policeがコレ。
会場に停まっていたマシン。
キャンプサイトに停まっていたBMW R100GS Dakar。リアキャリアにセットされたトップケースには、ビールケースを模したグラフィックが描かれていた。さすがビールの国、ドイツらしい。
会場には、二輪用および四輪用の巨大なキャンプサイトがあり、そこはこんな状態。これを見ても分かるとおりグレムセックはカスタムショーというよりキャンプイベントに近い。
夜ともなれば、各所でこんなシーンが見られる。当然、それを見た観客たちも大騒ぎ。
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