BMW BIKES連動企画『冒険の旅/空と、緑と、GSと。』の舞台ウラ
- 掲載日/2017年09月02日【トピックス】
- 取材・写真・文/山下 剛
冒険の旅のトビラページ(P50~51)に使われている、青空と雲のコントラストがきれいなカット。光の向きを見ながら、まずはバイクの向きを合わせて大雑把に配置。「ウムム、だいたいはいいんだけど……」と構図を考える大谷カメラマン。
今回の旅の舞台はディーラーイベントに相乗り!?
イベント参加者にも見覚えのある景色が!!
BMW BIKES Vol.80(2017年9月2日発売)で掲載の『冒険の旅』はご覧いただいたでしょうか?
今回は快晴に恵まれた福島県南磐梯の林道を走ってきました。ここは首都圏ディーラーが6月に開催した『BMW Motorrad GS Camp Meeting 2017 in 福島』で行われたコマ図ツーリングと同じルート……というよりは、このGSファンライドに合わせてBMW BIKESチームも冒険の旅の撮影取材を敢行した、というのが正解です。
そういうわけなので、イベント参加者のなかには誌面に掲載されている大谷カメラマンによる美しい写真の数々に「あっ、ここは見覚えがある!」と気づく人も多いのではないでしょうか。
さらに今回は「BMW BIKES冒険の旅 林道アテンドツアー」と題して参加者と走り、誌面記事用に撮影したポイントで休憩したり、参加者の走行写真を撮影したりして、BMW BIKESのページをめくるたびにそのときの記憶が鮮烈によみがえるようなコンテンツも実施しました。そちらの模様はまた別の記事として紹介します。
ということで、冒険の旅の舞台ウラ、いってみよー!
フォトTOPICS(写真点数/21枚)
01どうやら微調整が必要だったようで、松井勉さんがF800GSにまたがって押し引き。地面が平らではないのでバイクを動かすのはラクじゃないんだけど、BMW BIKESツチヤマ編集長、サポートに入るのが遅い!
02じつはこのカット、F700GSでも同じような構図で撮影していたのですが、どうやらこちらはボツになったようです。赤い車体が青空と強烈なコントラストになる印象的な写真になってたはずですが……。
03同じページに小さく載っているR1200GSの2台並び。左は今年もラリー・モンゴリアにHPNで参戦した国際ラリーストの篠原祐二さん、右は2017年の鈴鹿8耐に参戦し、総合21位(EWC20位で世界戦ポイントとシード権獲得)で完走したチームトラス代表の新田正直さん。
04冠雪が美しい山並みを背負ったR1200GSの写真(P52上)は、勇壮さが強調されていて迫力満点です。しかし「えー、こんなとこ走った?」と疑問に思う人が多いのではないでしょうか。そんなみなさんの疑問に答えるのがこちらの写真。実は冠雪の山々はすごーく遠くにあって、大谷カメラマンとGSもこんなに離れてるのです。
05これは「圧縮効果」といって、望遠レンズに顕著な構図です。もっともこれは望遠レンズを使えばたいていこんなふうに撮れるのですが、プロの腕前はここじゃない! 大谷カメラマンのすぐトナリでヤマシタが撮ったこの写真を見ればわかるとおり、電線や農家、その向こうには林があって、GSと山並みだけを切り撮るには工夫が必要なのです。
06その下の写真は木々の葉が薄く透ける木漏れ日のなかを走る冒険メンバーたちのカット。こういうふうに集団で走っている場面を撮るときには、それぞれが車間距離を詰めないと収まらないので、なかなか緊張感があります。広角レンズで至近距離から撮るとこのとおり。
07ヤマシタは大谷カメラマンの右側に立って撮っていますが、立ち位置がほんの1メートル違うだけで、撮れる写真もこんなふうに変わってきます。林道のラインや木々、バイクの並びを偏らせずバランスよく配置するには、立ち位置も重要なのです。
08どんな写真が撮れたかをチェックする大谷カメラマンと松井さん。冒険の旅では松井さんが記事構成を考えているので、松井さんのOKが出るまで撮影が続くわけです。映画で言えば監督・脚本・主演という役割をこなしているのです!
09続いての写真はリエゾンの舗装路を走る3台のGS(P53上)。順光ならではの青空と緑の鮮やかさが印象的です。ヤマシタの写真はカメラを固定して撮っているのでバイクがブレていますが、大谷カメラマンは流し撮りすることで躍動感を出しています。こうして比べると違いがわかりやいですね。
10こちらは手前のハルジオンにピントを合わせて撮ってみたものです。こういう撮り方はメインカットにはなりにくいですが、サブカットとしては季節を感じられる素敵な写真です(自画自賛!)。それにほら、よーく見ると2匹の小さな蜂が蜜を収穫していますよ!
11こちらも舗装路のリエゾンですが、右にあるP52の写真のように木漏れ日がきれいな一枚です。画角を中望遠の縦位置にして、梢まで写すことで森の雰囲気を強調してます。
12大谷カメラマンがタテで撮ってることを知ったヤマシタも同じような構図で狙ってみた一枚がこちら。大谷カメラマンも写すために広角レンズで撮りつつ木漏れ日も入れ込んだのですが、フレア(光の乱反射)の出方がイマイチでした……。
13P54-55にまたがって大きく載せているカットは、コマ図ツーリングでいうところの3本目の林道の尾根道を逆走しています。林道ってこういう伐採場にはあまりお目にかかれないので、鬱蒼とした森を抜けてこんな展望が開けたときの感動はひとしおですよね!
14大谷カメラマンはここでも流し撮りをしていて、このときはF800GSを走らせる新田さんの動きに合わせてカメラを振って(動かして)います。集団で走るバイクはそれぞれ微妙に速度が違いますから、ファインダー内を動く数台のバイクから1台を特定しないと、どれもがブレてしまいます。1枚目と2枚目の大谷カメラマンを見ると、その様子がよくわかりますね。
15コマ図でいう順走の向きだとこっちが背景になります。こちらも奥行きがあってなかなか捨てがたいカットなのですが、展望の広さでいうとやっぱり逆走のほうに分がありますね。
16というわけで、本誌掲載の写真はこれが最後。メンバー一同が休憩している様子を、大谷カメラマンが望遠レンズで狙っています。風景を大胆に切り取るため、おそらく300-400ミリくらいの望遠にしていると思われます。だからこんなに離れて撮っているのです。
17ヤマシタはそんな望遠レンズを持っていないので、開き直って広角レンズで撮ってみました。大谷カメラマンが望遠レンズを使ったのは、家屋や電線を写さないためです。勘のいい人は「おや?」と思うかもしれません。そう、この写真はP52の冠雪の山並みとGSの写真と同じ場所で撮ってるのです。望遠レンズを使うと、こんなこともできてしまうんですね。
18というわけでここからはオマケ。「BMW Motorrad GS Camp Meeting 2017 in 福島」の開催前日に走ったときにはルート上に倒木がありました。順走だと右側になるので危険度としては低いですが、危険なことには変わりません。注意喚起すべく小枝で×印を作っているのは篠原さん。
19先の休憩中のカットを撮影中の大谷カメラマンと松井さん。大谷カメラマンから撮影予定の写真の構図を聞き「なるほど! そういうことですね!!」と合点がいったところ。
20こちらはコマ図ツーリングのゴール地点となっていたゲレンデでヒルクライムチャレンジしたときの様子。途中でスタックや転倒した仲間を見捨てて(?)スタンドを立てられる場所で待つ間、急登時のスタンディングのコツを松井さんたちからレクチャーされているのは、バイクブロスWEB編集の田中ゼンスケ。
21撮影しながらの林道行ではランチタイムも遅くなりがち。リエゾン区間で見つけたそば屋に入り、あまりに腹が減ってたものだから写真撮るのもすっかり忘れてズルズルとすすり、あっという間に平らげる。冒険は腹が減るのだ!(満腹満足で隙だらけの表情で呆けている編集の田中ゼンスケと新田さんの図)
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