2017鈴鹿8時間耐久ロードレース こぼれ情報
- 掲載日/2017年08月28日【トピックス】
- 写真・文/Keisuke Asakura
日本のチームとしては、初めてBMWの全面的な支援を受けての参戦となったBMW Motorra39のマシン。BMWのレース部門が製作した耐久レーススペックのエンジンを搭載。スイングアームは話題のニューモデルHP4 Race用を耐久レース仕様にモディファイして使用しています。
今年も暑くて熱かった真夏の祭典8耐
レースにまつわるアレコレをご紹介
今回は、8耐レースリポートでお伝えしきれなかったライダーやメカニックの活躍にスポットを当てます。
鈴鹿8耐は日本最大のバイクイベントといわれるレースです。レースそのものはもちろんのこと、様々なイベントが開催されるのも他のレースと一味違うポイントです。そうしたイベントも8耐の魅力のひとつですから、そのさわりだけでも紹介しておきましょう。
今年の8耐は、例年以上に盛況でした。決勝レースが行われた7月30日だけでも7万4000人の観客が鈴鹿サーキットを訪れました。レースウィークを通しての観客数は、なんと12万8000人。バイク人口の減少が叫ばれていますが、こと8耐に関しては無関係の様子。これは8耐というレースが、日本のバイク乗りにとって、いかに重要なイベントであるかを物語っています。
今年は8耐が始まって40回目という記念すべき大会であり、レースに付随するイベントにも力が入れられていました。また、世界耐久選手兼シリーズの最終戦となったことで、世界中のレースファンからも注目を集めました。来年、再来年と、どんどん盛り上がっていって欲しいものです。
フォトTOPICS(写真点数/21枚)
01BMW Motorrad39の酒井大作選手と言葉を交わすクリスチャン・イドン選手。イドン選手はレベルの高さで知られるイギリスのスーパーバイク選手権(BSB)でBMWを駆るライダー。8耐の1週間前の日曜にもBSBに出場、3位表彰台に上がる強豪。BSBのレースを終わらせ、即座に鈴鹿に駆けつけました。
02ファンに楽しんでもらうことを一番に考えている酒井選手。決勝日前の土曜夜には、応援にかけつけたファンの皆さんをピットに招待。贅沢なことに酒井選手自ら、耐久レースについて解説していました。
03鈴鹿のパドックに突如出現したBMW Motorrad39のホスピタリティブース。日本のレースでは、ホスピテリティブースの設営はテントを使用するのが一般的ですから、大きな話題となりました。世界のレースを知る酒井選手ならではの取り組み方です。
04ホスピタリティブースの1階部分は、ファンのために解放。冷房の効いた快適な環境で、レース観戦を楽しんだようです。2階はライダーやチームクルーの休息スペースとして使われていました。
05TONE RT SYUNCEDGE4413がエントリーしたSSTクラスは、改造範囲が狭くホイール脱着を容易にするクイックリリース機構が認められません。耐久レースではタイヤ交換が必須で、作業はノーマルと同様の手順を追いますが、練習を繰り返し30秒を切る速さでピット作業をこなしました。
06TONE RT SYNCEDGE4413のライダー、右は児玉勇太選手、左は武石伸也選手です。今年の8耐は比較的気温が低かったとはいえ、過酷なレースであることに変わりはありません。お疲れ気味の武石選手を、児玉選手がアイシングで労っています。
07決勝日前夜、ピット作業の練習を行っているのはTeam Tras135HP。作業手順をひとつひとつ入念に確認を行いながらの練習が繰り返されます。マシンにまたがっているライダーは、星野知也選手です。
08ピット作業の練習も終わり、チームが宿舎へ引き上げようととしていた頃。Team Tras135HPのピットの片隅では、田所 隼選手がマシンにまたがりイメージトレーニング余念がありません。大会最年少18歳のライダーは、初めての8耐挑戦に真剣に取り組んでいました。
09BMCJ Motorrad Rennsportのピットで、何やら話し込むBMCJ会長の並河勝典さんとライダーの寺本幸司選手。レース前に「自分の仕事はチームのメンタル面のケア」と語っていた並河会長、チームの雰囲気を盛り上げるべく積極的に活動していました。
10S1000RRをデフォルメしたオリジナルキャラクターが描かれたBMCJ Motorrad Rennsportのストップボード。ライダーが自分のピットを見失わないないように、存在感をアピールします。
11ピットに掲げられたBMCJのバナー。BMCJのメンバーは、サーキットに応援に駆けつけるだけでなく、チームシャツを購入するなどしてレース活動をサポートしました。
12速度無制限のサーキットで、唯一速度制限があるのがピットロードです。コースオフィシャルがスピードガンを使用して、ピットロードを走るマシンの速度を計測しています。ここで制限速度を超えてしまうと、チームにはペナルティが与えられるのです。
13鈴鹿サーキットの玄関口、メインスタンド裏手のGPスクエアには巨大なステージが出現。ライダーのトークショーや、キャンギャルのステージなど、たくさんのイベントが催され人気を集めていました。
14GPスクエアには、様々なブースが出されていました。中でも人気が高かったのが、これまでの8耐に出場してきた代表的なマシンがズラリと並べられたブースです。その1台として、Team Tras135HPのS1000RRも展示され、注目を集めていました。
15前夜祭では、恒例の”バイクであいたいパレード”が開催。鈴鹿市内をパレードしてきたライダー達が、鈴鹿サーキットの本コースを走り抜けてフィナーレを迎えます。鈴鹿サーキットを走行できるまたとない機会、来年はアナタも参加してみては?
16前夜祭と併せて開催されたナイトピットウォークでは、ピットロードから溢れんばかりの人が詰めかけました。多くのチームがピット作業の練習を行うので、レース中は遠くから眺めることしかできないピット作業を、間近に見ることができるのです。
178耐といえば、ライダーがマシンに駆け寄ってのル・マン式スタートです。すでにスタート体勢にあるライダー、リラックスした姿勢のライダーなど、スタートを待つわずかな時間ですが過ごし方がそれぞれ違うのが面白いところです。
18メインストレートを挟んで、ライダーを待つマシンと、マシンを支えるチームクルー。スタートダッシュを決めるには、ライダーとクルーの息が合っていることも重要です。ピット上のラウンジからは、大観衆が身を乗り出すようにしてスタートを心待ちにしています。
19太陽が姿を消し、サーキットを闇が覆うようになると、ライトオンのサインが掲示されます。8耐では、最後の1時間前後が夜間走行となります。闇を切り裂いて走るマシンの姿は、一度はその目で見てもらいたい美しいものです。
20遠くチェコから来日した世界耐久レギュラーチームのEKO IVRacing BMW CEUが、夜間走行時間帯で最後のライダー交代を行っています。メインスタンドを彩るサイリウムの光の美しさには、世界を渡り歩く耐久レースのプロ集団も驚かされたのではないでしょうか?
21ゴール後、ピットロードに帰ってきた勇者達。この瞬間は敵も味方なく、全てのエントラントが互いを讃え合います。ここで見る花火は格別、何度でも見たい光景なのです。歓声を浴びているのは、3連覇を果たした#21 ヤマハファクトリーレーシングチームです。
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