2016→2017 FIM 世界耐久選手権 最終戦 “コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース 第40回記念大会
- 掲載日/2017年08月09日【トピックス】
- 取材協力/モビリティランド 文/Keisuke Asakura 写真/Daisuke Hakozaki , Keisuke Asakura
シグナルと同時にマシンへと駆け寄るライダー達。ル・マン式スタートは、耐久レースの見どころのひとつ。満員のスタンドに詰めかけた大観衆が声を揃えるカウントダウンは、是非一度現地で体験してもらいたいイベントです。
レース界で存在感を見せつけるS1000RR
8耐でも多くのBMWユーザーが参戦
さる7月30日、三重県の鈴鹿サーキットで鈴鹿8時間耐久ロードレースが開催されました。今年は記念すべき第40回大会で、世界耐久選手権の最終戦となったこともあり、例年以上の大きな盛り上がりを見せました。
BMWエントラントではオフィシャルサポートチームのBMW Motorrad39の参戦が話題となりました。しかし、スタートライダーを務めたラファエロ・デ・ロサ選手が、スタート後わずか3周で転倒。修復後コース復帰を果たしますが、レース開始後1時間ほど経過したところで再度転倒。マシンは大きなダメージを負います。メカニックが懸命にマシンを修復し、1時間あまりのピットストップを経て戦列に復帰しチェッカーを受けましたが、周回数不足で完走扱いにはなりませんでした。BMW Motorrad39による8耐参戦計画は、3ヶ年計画の初年度。来年以降の活躍に期待しましょう。
その他のBMWエントラントにもトラブルが多発。リザルト的には奮わないレースになってしまいました。ですが波乱の展開は見応えのあるものでしたし、スピード自体は他に劣るものではありません。来年の8耐では、きっとやってくれる。そうした期待が持てるレースでした。
フォトTOPICS(写真点数/17枚)
01序盤で2回の転倒を喫し、早々に上位から姿を消したBMW Motorrad39。それでもコース復帰後は懸命の走りを見せ、最後までチームを引っ張った酒井選手のファイティングスピリットは多くの人の胸を打ちました。
022回目の転倒で激しく破損したマシン。転倒現場が最終シケインであったため、なんとかピットに戻ることができましたが、マシンの状態を見た誰もがリタイアと考えました。
03必死の修復作業を行うBMW Motorrad39のメカニック達。日本人スタッフだけでなく、このレースにために来日した外国人スタッフも総出で修復にあたります。作業は1時間に及びました。
04傷だらけでチェカーフラッグを受けた酒井選手。周回数が足りず、リザルトには順位は残りませんでしたが、レースは結果が全てというのは真実ではないと思わせる感動的なゴールでした。
05Team Trasはベテランと若手2人というライダーの構成。8耐の経験も豊富な星野選手は、耐久レース初挑戦の若い2人を上手にリード。チームをBMWエントラント最上位の21位に導いた功労者といえるでしょう。
06BMW BIKES誌の人気企画、冒険の旅のレギュラーメンバー新田さんは、Team Trasの代表。代表自ら、炎天下のプラットフォームに立ちサインボードを出し続けていました。
07太陽が沈み、だんだん闇に包まれていく鈴鹿サーキット。視界が悪くなる中、ライダーたちは懸命に走ります。Team Trasの最終ライダーを務めた山本選手は、初体験の夜間走行をステディに走りぬき、見事にマシンをゴールまで運びました。
08SSTクラスに参戦し優勝を目指したTONE RT SYNCEDGE4413でしたが、計3回の転倒により大きくポジションダウン。総合53位、クラス8位に終わりました。レースに「たら、れば」はありませんが、好タイムを記録していただけに残念です。
09TONE RT SYNCEDGE4413の武石選手は8耐参戦20回目、そして今年50歳を迎えます。8耐も40周年とメモリアルが重なったレースでしたが、チームの目標であるクラス優勝は達成できませんでした。
10BMCJ(BMW Motorrad Club Japan)とのコラボレーションで話題となったBMCJ Motorrad Rennsport。快調に周回を重ねていましたが、エースの寺本選手の転倒で順位を落とし、32位でゴールしました。
11レース終了後のBMCJ Motorrad Rennsportのピット。全力を尽くした爽快感が、メンバーの表情からも伝わってきます。左端の人物が、BMCJ会長の並河さん。レース中は、チームのフォローに忙しくされていました。
12TEAM VITAL SPIRITの後方から、TONE RTのマシンが迫っています。サーキットのあちこちでS1000RR同士のバトルも見られました。TEAM VITAL SPIRITは39位でゴール。
13世界耐久選手兼のレギュラーチームで、BMWエントラントでは唯一海外から参戦したEKO IV Racing BMW CSEU。はるばるチェコから来日したチームで、レースと日本を楽しんでいた様子です。
14耐久レースのスペシャリストチームだけあり、機能的なピット作業は見事なものでした。ですが、慣れない日本の気候に計算を誤ったか、2回ガス欠を起こし、47位でゴールしました。
15ActiveLink TIO Verityは、決勝日朝のフリー走行で、ライダーの一人が負傷。決勝レースは残り2人で走りぬきました。アクシデントに見舞われながらの37位は健闘といって良い結果です。
16決勝日、鈴鹿サーキットに詰めかけた観客は7万4000人。スタート時のメインスタンドは超満員状態で、入場規制がかかるほどの盛況でした。一時は観客数の落ち込みが叫ばれた8耐ですが、人気は年々上昇しています。
17ゴール間際、スタンドの観客は色とりどりのサイリウムを掲げます。そして、その目前を猛スピードで駆け抜けていくレーシングマシン達。なんとも幻想的で、美しい光景でした。
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