VIRGIN BMW | 独占取材!Team Trasの2017 8耐参戦マシン! トピックス

独占取材!Team Trasの2017 8耐参戦マシン!

  • 掲載日/2017年07月27日【トピックス】
  • 取材協力/Team Tras , MotoPark  文/Ryo Tsuchiyama  写真/VIRGIN BMW
独占取材!Team Trasの2017 8耐参戦マシン!の画像

8耐本番直前!
チーム・トラスのマシンを見に行った!

いよいよ今週末に迫った2017 FIM世界耐久選手権シリーズの最終戦、”コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース。

やはりBMWファンとしては、BMW S1000RRを走らせる各チームの活躍に期待したいところ。 そんななか、チーム・トラスの8耐マシンが最終セットアップを迎えているという話をききつけ、群馬県のBMW Motorrad正規ディーラー「Moto Park」を訪れた。

Moto Parkの工場長である高橋さんは、正規ディーラーのメカニックとしての日常業務の傍らで、長年レースエンジンに携わってきた職人でもあり、チーム・トラスの8耐マシンをはじめJSB参戦チームのレースエンジンやサーキットユーザーのS1000RRのエンジンを多数組んできたその道のスペシャリスト。

この日は8耐決勝に向けた最後の調整作業というお忙しいなかにお邪魔し、チーム・トラスの8耐マシンの姿をカメラに収めることができた。8時間という長丁場を走り切るためのノウハウが注がれたマシンとは、いったいどんなものなのか。ここから写真で見ていこう。

フォトTOPICS(写真点数/29枚)

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01昨季からのチーム・トラスのチームカラーである鮮やかなブルーメタリック。#135のゼッケンはカウルのど真ん中セットされる。昨年のレギュレーション変更によって、ヘッドライトはそれまでの一灯式から二灯火式へ。マシンの顔つきが大きく変わった。アッパーカウルはもちろんカーボン製。
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02耐久レーサーには欠かせないクイックチャージ式の給油口。8耐決勝前には各チームが何度も給油ピットインを想定した練習を繰り返す。ピットイン作業が大きく勝敗を分けることも。
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03フロントフォークはオーリンズのレーシングフォーク「FGR」。ボトムケースまで削り出しのスペシャルなパーツで、多くの8耐トップチームが使用しているが、チームトラスのフォークにはいくつかの追加工が施されており、整備性などを向上させているらしい。
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04ホイールカラーやスタンドフック、フォークスライダーはビトーR&Dによる削り出し。
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05フロントホイールの左右でアルマイトの色を青・赤と色分けしているのは、あわただしいピット作業でホイールの左右を間違わないようにするための配慮らしい。耐久ならではの気遣いだ。
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06前後のホイールはビトーR&Dのマグタン。車体カラーに合わせてパウダーコートされている。現車は7月上旬に行われた鈴鹿合同テストでも走った車両だ。
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07リアサスペンションはもちろんオーリンズのTTXをチョイス。レースユースには欠かせない一品だ。
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08エキゾーストはアクラポビッチの4-2-1式。スイングアームも純正品がベースながら、各部に追加工が施されている。各部の溶接や各種機械加工の多くはビトーR&Dが担当している。
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09エンジンはBMW Motorradのモータースポーツ部門であるHPが販売しているレース用エンジン。各種カバーはSBKのファクトリーチーム同様にGBレーシング製だ。ちなみにMotoParkの工場長高橋さんによると、レース用エンジンはスプリント寄りのものと耐久寄りの2種類が存在するそう。2種類のエンジンではメンテナンスサイクルが大幅に違うらしい。
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10チームを支えるスポンサーデカールも8耐マシンには欠かせない。バンクした時に一番目に入るアンダーカウルに様々なスポンサー名が並ぶ。
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11S1000RRオーナーならわかると思うが、S1000RRのフレームは走行中かなりの高温になる。もちろんチーム・トラスのマシンにもトラス製のカーボンカバーがセットされている。
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12シートスポンジは幅の広いTZ用で、シートベースは左右の張り出しが独特だ。今年のチーム・トラスは、18歳の田所選手、20歳の山元選手、44歳の星野選手の3名で戦う。シート高はマシンのセットアップでも重要な要素だそうで、今回のシートは3人の中で一番体格が大きな星野選手に合わせて高めのセットアップ。ただ、決して大柄ではない田所選手、山元選手もこのセットアップで乗りこなし、練習走行ではグングンタイムを伸ばしていったそう。
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13削り出しのステップもすでに位置調整などのセットアップが終了していた。複数のライダーが周回を重ねる耐久レースでは、こうしたポジション作りがかなり重要、とはMotoPark高橋さんの弁。
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14右ハンドルにはMotoGPやSBKなど各レースでお馴染みのレバーガードをセット。こちらはBMW Motorradのパフォーマンスパーツをチョイスしている。
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15フロントブレーキのマスターはブレンボのラジアルマスター。サイズはφ19×18タイプをチョイス。レバー根本の金色にキャップは遊び調整のリモートケーブルだ。
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168耐マシンのコックピット。ストックのメーターはそのまま生かしてあるが、トップブリッジやハンドルには削り出しのパーツをセット。こちらはTカー(予備マシン)だが、本番車も基本的には同じ仕様である。
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17トップブリッジにセットされたトグルスイッチ。実はこれがイグニッションスイッチだ。
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18左側のスイッチボックスはレーシングマシンならではの装備が。グリップ内側にセットされたスイッチボックスはアルファレーシング製のレース用。5つあるボタンはトラクションコントロールの強弱やABSやDTCの調整を手元で行えるもので、SBKなどのチームも数多く使用しているアイテム。
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19これは灯火類のスイッチだ。昨年からヘッドライトは二灯火式に変更されたが、それ以外にもヘッドライト右側、ヘッドライト左側、テールライトの3つのライトを別系統の回路で設けることもレギュレーションで定められているのだという。そのため、3つのスイッチを配置している。左上の金色のノブはフロントブレーキレバーのアジャスターだ。
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20テールランプはシート下のボックスにセットされている(3本の線状のものがライトユニット)。このボックスをはじめシートカウルなどカーボンの造作はすべてチーム代表の新田氏の手によるものだ。
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21こちらは決勝本番用マシン。この日はMotoParkの工場長高橋さんが最後のセットアップを行っていた。
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22ちょうどカウルが外されていたのでオイルパン周りを覗いてみた。高橋さんによると、レース用エンジンでもオイルパンは2種類が用意されているらしい。ひとつが写真と同じオイルパンが車体中央に突き出たタイプで、もうひとつは、この突き出しが車体右側にオフセットされていると。オフセットしたオイルパンの方がオイルが冷えやすいメリットがあるものの、エキゾーストの取り回しに自由度がなく、結果的にスイングアームのチョイスにまで影響を及ぼすらしい。
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23BMW Motorradのドイツ本社で組まれたレースエンジンには、各部にこうした封印が施されている。封印マークの真ん中をよく見てみると、BMWのあのマークが!
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24この日は本番用オイルクーラーの取り付け作業を行っていた高橋さん。慣れた手つきでワイヤリングを行うが、オイル関係の作業には特に気が抜けない。
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25BOTT(Battle Of The Twin)の時代から、かれこれ30年近くレースに携わってきたという高橋さんだけあって、愛用のワイヤーツイスターにも年季が入っている。ワイヤーはEARL’S。作業する風景を観察させていただいたが、すべての作業に無駄がない。
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26想像以上に小型のオイルクーラーだが、Sのエンジンにはサーモスタットが入っており、一定油温以上で初めて通路が開くらしい。ちなみにこのワンオフオイルクーラーもビトーR&D製。フィッティングはもちろんパイプの取り回しも美しい!
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27オイルライン上のパーツを交換したということもあり、エンジンを始動してから入念にリークチェックを行う。ブリッピングする回転数を徐々に上げながら様子を見る。
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28オイルリークには特に気を使うという高橋さん。温まったエンジンのオイル取り出し口周辺や、オイルクーラー&ホース周辺からのリークをしつこくチェック。本番前の練習走行でもこうしたチェックは欠かさず行うのだとか。こうした細かな作業の積み重ねでレーシングマシンは日々作られているのだと実感……。
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29チーム・トラスの8耐マシン。こちらはTカー。本番用のカウルは別に用意されているが、車体のセットアップは最終仕様だ。ベテランの星野選手を軸に、若手の山元選手と田所選手を起用するという大胆なチーム体制でどこまで上位に食い込めるか。灼熱の鈴鹿を駆け抜けるブルーメタリックの車体に注目だ!
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