VIRGIN BMW | 【The One Moto Show】The One Moto Show レポート #01 トピックス

【The One Moto Show】The One Moto Show レポート #01

  • 掲載日/2017年04月18日【トピックス】
  • 取材協力/The One Moto Show  文・写真/河野 正士
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1970年代後半に立てられたという工場の建物そのものがショー会場。大型機械は埃を被ったまま残り、壁や床にはオイル染みが残っている。でもそんな雰囲気が、プロフェッショナルもアマチュアも混在する、多様なスタイルで製作されたカスタムマシンに似合っている。

BMWがカスタムシーンに踏み出す礎となった
アメリカのカスタムショー「The One Moto Show」

今年2月、アメリカ・オレゴン州ポートランドでカスタムバイクショー「The One Moto Show」が開催された。2013年にBMW R nineTが発表された直後、日本のカスタムプロジェクトがスタートする以前に始まった欧州のカスタムビルダーたちによるカスタムプロジェクトを覚えているだろうか。そのなかの一台、スペインのカスタムビルダー/EL SOLITARIO(エル・ソリタリオ)がカスタムした“IMPOSTOR(インポスター)”は鳥かごのような骨組みだけのカウルを持ち、物議を醸した。そのマシンを発表したのが2014年に開催された「The One Moto Show」だった。

昨年に比べ2倍の敷地面積を持つ巨大な工場跡地に会場を移し、そこで3日間(実質2日間)で1万7000人を集めるまでに拡大した「The One Moto Show」は、カフェやスクランブラーといった、チョッパーシーンとは異なるカスタムシーンの総称である“ニューウェーブ”カスタムショーにおける米国の牽引者だ。BMWは、まだ種火のようなこのシーンと「The One Moto Show」を見いだし、昨年までメインスポンサーを買って出て、R nineTという新しい苗を植える新しいバイク市場を支えたのだ。今年BMWはメインスポンサーを降りたが、それでも「The One Moto Show」にとってBMWは無くてはならない存在だ。

ここではそんな「The One Moto Show」の様子を紹介する。

フォトTOPICS(写真点数/32枚)

【The One Moto Show】The One Moto Show レポート #01
01サンフランシスコを拠点に活動するUntitled Motorcycle(アンタイトルド・モーターサイクル)が製作した「UMC-029 KALIFORNIA」と名付けられたマシン。1983年型R100がベースだ。代表のヒューゴはロンドンでUntitled Motorcycleを起ち上げたが、その後アメリカに拠点を移している。
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02ローランド・サンズ・デザインが手掛けた新しいR nineTカスタム。前後21インチホイールを装着したボードトラックレーサー・スタイルを造り上げている。
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03エンジンには“コンセプト90”にも装着されていたRSD製ビレットパーツを多用。大径ホイールを採用しながら細い前後タイヤを装着することからコンパクトな印象を受けた。
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04外装類はアルミ叩き出しの一品もの、前後にオーリンズ製サスペンションを装着。駆動系はスタンダードを使用するも、ハブ周りをオリジナル製作しRSD製21インチホイールを装着している。フロントフォークのアクセルシャフトホルダーの加工にも注目。
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052バルブフラットツインマシンをベースに国産スポーツマシンの倒立フォーク&4ポットブレーキキャリパーを移植。外装類は、やや荒々しさが残るものの、アルミ叩き出しによるオリジナル。
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061982年型R100Sをベースにしたスクランブラー。いまやアメリカでも2バルブフラットツイン人気が高まり、カスタムベースとして程度のいい車両を見つけるのが難しくなってきたという。
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071977年型R100Sをベースにカスタム。シンプルながら、各部にしっかりと手が入っている。
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08「The One Moto Show」には、8つのカテゴリーで審査員の独断と偏見で賞が贈られる。そのプレゼンターの一人として登場したのはThe One Moto Showのビークルデザインのヘッドデザイナーであるオラ・ステネガルド(右)。
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09珈琲カップの底に付く丸い染みを利用し、バイクや自転車などを描くことで知られるアーティスト/Certer Asmannの作品。今回展示されたのは、珈琲染みのバージョンでは無い、鉛筆を使った作品。
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10クラシカルなスタイルながらハイスペックな機能を持つバイク用サイドバックなどを展開するブランド/Pack Animal(パック・アニマル)。キャンプなどにも使えそうな携帯用ボトルにはフラットツイン・マシンが描かれている。
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11ここからはBMW以外のスナップショットを紹介。イギリス生まれのヘルメットブランド/HEDON(ヘドン)の最新フルフェイスヘルメット。クラシカルなスタイルながら、ハイクオリティでモダンなディテールを持つ。
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12こちらはポートランド生まれのバックグランド/VELOMACCHI(ベロマッキ)。システマチックなストラップのロック機能に加え、完全防水のアウターシェルやヘルメットホルダーなどモダンなディテールを持つ。
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13シルクスカーフにバイクをモチーフにしたグラフィックをハンドペイントするSarah Burwashによる作品。彼女の作品にはバイクのモチーフが数多く登場する。
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14インダストリアル・デザイナーとして活動していたPeter Foggが、定年後にアーティストとして再スタート。その作品がこれだ。すべてiPad上で作品を造り上げているという。
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15カスタムマシンのほとんどはバイク1台が載せられるホワイトボード上に展示され、そのボードの上にショップカードや車両解説テキストボードを置く以外、造り込まれた展示ブースは存在しない
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16オーストラリアで開催されるビンテージレース/フィリップアイランド・クラシックTTに参戦し好成績を収めたことで知られるGorst Works(ゴースト・ワークス)のXR69レプリカ。フレームのスペシャリストであるCMR製クロモリフレームに、ヤマハFJ1200用の空冷直列4気筒エンジンを搭載する。
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171966年式ホンダCB160ベースのカフェレーサーを製作したのはKick Start Garage(キックスタート・ガレージ)。トライアンフやBMW、ドゥカティなど欧州車から日本車まで、幅広い車両のカスタムバイク製作やレストアを行っている。
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18スズキの2ストロークマシン/T500のレーシングマシンを、街乗り用にアレンジしたマシン。ヘッドライトやテールタイトが装着されるのはもちろん、フロントスクリーン下にLEDのウインカーが仕込まれている。
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19Deus Ex Machina USA(デウス・エクス・マキナ)のビルダー/マイケル・ウーラウェイが制作したマシン。エボリューションの1200スポーツスターをベースにしたこのマシンは「The Bel Air1200」と名付けられた。アルミから叩き出された流麗なタンク&シートカウルとともに、美しいパイプワークを駆使したフェンダーステーにも注目。
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20“Best Euro Award”に選ばれた1974年式ドゥカティ860GT。スタンダードタンクをアレンジし、ライトなカフェスタイルを造り上げている。
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2140 Cal Custom(フォーティ・キャル・カスタム)のビルダー/マット・ハリスが造り上げたマシン。彼らの地元テネシーに敬意を払い“テネシー・ワルツ”と名付けられたこのマシンは、1923年のハーレーダビッドソンJDがベース。ボンネビルの最高速チャレンジにも参戦しているマシンだ。The One Moto Showでは審査員の独断で選ぶ8つのアワードが設けられているが、このマシンはそのなかのひとつ“The One Show Award”を獲得している。
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22The One Moto Showの主催者であるSee See Motorcycleは、オフロードウエアブランドのFOXとコラボ。古いFOXロゴをアレンジしたグラフィックを使ったTシャツやレザージャケットなどを展開していた。
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23ポートランドが拠点のEVバイクメーカー/ALTA Motors(アルタモータース)のモタードマシン。カスタムマシンのようなモダンなボディデザインを採用する。ステアリングヘッド下にウォーターポンプがあり、フレーム内を冷却水が走る。バッテリーは空冷式。会場には同じプラットフォームを使ったオフロードマシンも展示されていた。
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24カスタムビルダーたちが多数参加する、カスタムバイクによるフラットトラックレース/フーリガンにも参戦する、カリフォルニア・ロングビーチにあるSuicide Machine Company(スーサイド・マシン・カンパニー)が手掛けたハーレーダビッドソン・ストリート750のカスタムマシン。フレームはオリジナル。アルミから叩き出した外装類がその間に収まる。倒立フォークに片持ちスイングアーム、カーボンホイールとハイパフォーマンスパーツが奢られている。
【The One Moto Show】The One Moto Show レポート #01
25来場者駐輪場に停まっていたヤマハXSベースのカスタムマシン。オーナー自身がチューニングを施し、前方吸気/後方排気にカスタムされている。
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26シカゴを拠点に活動するMoto Mucciがカスタムしたのはハスクバーナ570。近代的なモタードマシンをベースに、ネオクラシカルなスタイルを構築。フロントカウルに見える部分はラジエターが収められている。
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27The One Moto Showの主催者であり、ポートランドのバイクカルチャーの中心的存在であるカフェ/See See Motorcycleの代表であるトアー。
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28こちらはポートランドから車で約40分の場所にある街/SALEM(サレム)で開催されたフラットトラックレース「The One Pro」の様子を紹介。
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29ダートトラック用のオリジナルフレームにXT500(SR500と同系式)用エンジンを搭載するフラットトラッカー。
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30カスタムビルダーとして知られるノイズサイクルが製作し、レースに参戦しているハーレーダビッドソン・ストリート750ベースのフラットトラックマシン。
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31カワサキ・ニンジャ650などに搭載される水冷4ストロークDOHC4バルブ2気筒エンジンを搭載したフラットトラッカー。米国のフラットトラックレースシーンではポピュラーなエンジンとなった。
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32ドゥカティ・スクランブラーをベースにしたフラットトラックマシン。前後ホイールやサスペンション、ハンドル周りは変更されているが、その他の部分はスタンダードだという。
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