試乗レビュー写真速報 F800GS(2012)
- 掲載日/2014年09月08日【トピックス】
- 取材協力/BMW Motorrad Japan 取材・写真・文/山下 剛
BMW の個性といえる異型2灯ヘッドライトが個性的なフェイスを演出。装着されるスクリーンはやや小ぶりで、防風性能は必要十分といったところ。長距離移動が多いならハイトスクリーンへの換装が効果的だ。
Fシリーズの乗りやすさと
GS シリーズの走破性をミックス
2『長い距離のオフロードを快適に走れ、なおかつオンロードも素早く走れる』という BMW の GS フィロソフィーをしっかりと継承しているバイク、それが F800GS である。
Fシリーズは、BMW が 1994年に発表した F650 ファンデューロを始祖とする。扱いやすくタフな単気筒エンジンを心臓に持ち、街乗りからツーリングまで楽しく走れてオフロードへも行けることをコンセプトとする、安価な車両価格を実現したシリーズだ。そして 2000年には F650 GS が登場、オフロード走破性を高めるとともに快適な走行性能を得て、世界中で人気シリーズとなった。
同年に販売開始となった F650 GS ダカールは、フロントホイールを 21 インチとして、前後サスペンションのストローク量を増やし、オフロード走破性をさらに高めたモデルである。F800GS はこのモデルの進化版で、排気量 798cc の水冷並列2気筒エンジンを搭載して 2008年に登場した。
F 700 GS とはサスペンションとホイール構成などが異なる。エンジンの基本部分は同じだが、燃調マッピングなどの変更によって、ハイパワーな特性を持っているのが F800GS の特徴だ。
フォトTOPICS(写真点数/11枚)
01ラジエターシュラウドは左右に張り出しており、ウインドプロテクションも兼用する。パーツは複雑に組み合わされており、黒と車体色の切り分けはボディをスタイリッシュに見せる視覚的効果も高い。
02排気量 798cc の水冷並列2気筒エンジンは、360 度クランクでスムーズな吹け上がり。低回転から高回転域までフラットなトルク特性だが、とくに低~中回転域では力強いトルクを生み出し、必要なときにすっと力を取り出せる。
03着脱可能なゴムラバーは、振動を軽減する効果に加えて、靴底を傷めない。市街地走行やオンロードツーリングがメインなら装着したままがいいだろう。オフロードでゴムラバーを外すと、人車一体感が高まる。とくに雨天走行時に有効だ。
04リアサスペンションは、プリロードとリバウンド調節が可能だ。プリロード調整のダイヤルは手でも回せるので(無段階)、ツーリング中でも積載状態に応じて調整できる。
05日本仕様にはローシートが標準装着されるが、シート高は 880mm と低くはない。幅が狭く設計されているため、実際の足つきはこの数値以上に良好だが、積極的に走らせたいならシートを換装するのも手だ。
06タンデム用グラブバーは、パニアケースステーも兼用している。径がやや小さいが、前後長があるためパッセンジャーの不安はない。荷物固定用ベルトを通せるループホールがついているものの、コードを引っ掛けるためのフックはない。
07左ハンドルスイッチ(ESA と ASC は非装着)。ABS はこのスイッチ操作でオン・オフを選択できる。ESA と ASC を装着した場合は ABS スイッチに機能が追加される仕様。ウインカーはプッシュキャンセル式。
08イグニッションキーは、ハンドルロック、オフ、オンの3ポジションで、パーキングランプポジションはない。その左に 12V 電源ソケット(ヘラータイプ)を装備する。ナビやスマホなどのモバイル機器や電熱ウェアの使用に便利だ。
09スピードメーターとタコメーターは針回転式。右側にある液晶パネルには、水温・時計・気温・走行距離(オド、トリップ×2)・燃費(平均、瞬間)などの各種情報に加えて、ギアポジションが大きく表示される。燃料計のバー表示は残量が1/2を切ったところから減りはじめる。
10車体左側の上部に設置されるステンレスサイレンサーが吐き出すのは低く乾いたサウンドで、抑制を効かせつつも迫力を感じさせる。BMW ボクサーと似た音質だ。
11テールランプとウインカーは LED タイプが標準装備となる。ウインカーはコンパクトだが、光量は十分。照射範囲も広いため、被視認性は良好だ。ラバーマウントで、転倒時にダメージを受けにくい。
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