2014 鈴鹿8時間耐久ロードレース『第2回公開合同テスト』BMW Motorrad編
- 掲載日/2014年07月11日【トピックス】
- 取材・撮影・文/安藤 正和(Office25)
『Team Tras 135HP』 寺本幸司選手とBMW HP4。
全日本ロードレースを戦う酒井選手
寺本選手に加えて、武石選手が登場
7月最後の日曜日は、毎年恒例の鈴鹿8時間耐久ロードレース、通称『8耐』が開催されます。この8耐の準備と練習を行うのが『公開合同テスト』です。今回の合同テストはその第2回目。夜間走行、第2ライダーの走行と、決勝さながらの走行がくり返し行われました。
BMWチームからは『Team Tras 135HP』の寺本幸司選手、『CONFIA Flex Motorrad39』の酒井大作選手と、お馴染みのふたりが参加。さらに酒井選手のペアライダーとして8耐への参戦が決まっている武石伸也選手がS 1000 RRをライディング。「SUZUKA 2&4 以来のライディングになりました。今日は確認作業がおもな仕事です」とベテランらしい落ち着いた走行でセッティングを進めていました。
今回は、合同テストで順調にセッティングを進める『Team Tras 135HP』と『CONFIA Flex Motorrad39』の2チームをご紹介したいと思います。
フォトTOPICS(写真点数/29枚)
『Team Tras 135HP』 寺本幸司選手
「HP4のフロントサスペンションですが、左はDDC(ダイナミック・ダンピング・コントロール=ダンパーに流入するオイルの量を電磁バルブで調整し、能動的に制御するシステム)のみでバネは入っていません。右は通常の機械式になっています。この右側のサスペンションにあるシムを変更してみました。そしてこれがうまく作用し、バイクがよく曲がるようになりました。回頭性が良くなったことで、マシンを起こしてから加速することができるようになり、自然にタイムが上がりました。今回は状況をまとめただけで、タイムを狙っていないので、これからまだまだタイムアップできそうです」
『CONFIA Flex D.R.E.Motorrad39』 酒井大作選手
「今日は決勝を想定した走りをテストしました。一度ピットアウトしたらロングランで周回を重ねるようにしました。8耐は1回のスティント(ピットから出て、再びピットに入るまでの周回数)が長くなります。ですので、タイムではなく、使い古したタイヤでいかに走るか、どうやって楽に乗るかを考えながらバイクを作りました。雨でしたが、バイクの挙動は、雨のほうが顕著になります。そのおかげでセッティング出しに有効な走行ができました。いいリズムで来週のテストにつなげたいですね」
『CONFIA Flex D.R.E.Motorrad39』 武石伸也選手
「SUZUKA 2&4以来の走行なので、あれからどのようにマシンが進化しているか、僕の出したセッティングがどのように進んでいるかの確認に終始する走行になりました。雨が降ってしまったこともあり、セッティング自体はあまり進めることができませんでした。耐久レースは長い時間走行するので、路面状況も一定ではありません。例えば、途中に降雨があっても走行できるような幅の広い対応力とか、許容範囲が必要とされます。一発のタイムが出るマシンは求められていません。そういう意味で良いバイクを作ることができたと思います」
『Team Tras 135HP』 武藤昇監督
「とくにタイムにこだわって攻めているわけでもないのに、2分11秒7が出ていることに驚いています。これは全日本ロードレースSUGO 120milesで作ったセッティングが間違っていなかったことを証明するものだと考えます。雨の中でも安定しているハンドリングにはマシンの熟成を感じました。最後のテストがある9日までにはある程度まとめられそうです」
『CONFIA Flex D.R.E.Motorrad39』 山本隆宏チーフメカニック
「耐久レースのバイク作りはトータルバランスが大切です。3人のライダーが交代でライディングするので、セッティングを擦り合わせることも大切なんです。去年ちゃんとした結果が残せなかったので、まずは完走して最後まで走り切る姿をBMWファンの方にお見せしたいです。完走すれば、良い結果がついてくると思うので、楽しみにしていてください」
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