S1000RRと戸田選手がMFJ全日本ロードレース選手権オートポリスに参戦
- 掲載日/2012年09月21日【トピックス】
- 取材協力/オートポリス 写真・文/淺倉 恵介
オートポリスがあるのは大分県。長崎県出身の戸田さんにとっては地元意識も強く、好成績を目指しての参戦。リザルト的には大きな成果を残せたわけではありませんが、車体のセッティングでは手応えを掴めた様子です。
MFJ全日本ロードレース選手権 第7戦は大分県のオートポリスで
『九州モーターサイクルフェスタ2012』と題して開催
さる9月8日(土)と9日(日)、『MFJスーパーバイク全日本ロードレース選手権』の第7戦 オートポリス 大会が開催されました。九州はバイク熱の高い土地で、オートポリス大会は毎年大きな盛り上がりを見せます。今年も大勢の観客が詰めかけ、ライダー達が見せる戦いに歓声を上げていました。
MFJ 全日本ロードレース選手権の最速クラス『JSB1000』に、S1000RR を駆って参戦中の 戸田 隆選手 ももちろんエントリー。大分県にあるオートポリスでのレースは、長崎県出身の戸田さんにとってはホームゲーム。オートポリスに近い熊本にはレース仲間も多いとのことで、気合い十分で九州に乗り込みました。9月とはいえ、真夏並みの暑さのもと戸田さんは力走。予選17番手からスタートし、順位を3つ上げた14位でゴールしました。リザルト的には前回の『スポーツランド菅生大会』と変わりませんが、車体のセッティングで大きな進歩があった様子。レースの詳しい内容は、戸田選手が登場しているバージンBMWのコラム『S1000RRで勝ちに行く』で後日お伝えする予定です。
全日本も残すところ、あと2戦。次回は10月7日開催の『岡山国際サーキット大会』です。みなさん、是非サーキットに足を運んで、S1000RR と戸田さんに声援を送ってください。
フォトTOPICS(写真点数/23枚)
01戸田さんのエントリーしている JSB1000 クラスは28台が出走。予選トップはゼッケン21 ヤマハの中須賀選手。中須賀選手は3戦連続のポールポジション獲得です。スタートは、ポールの中須賀選手、ゼッケン1 ホンダの秋吉選手、ゼッケン 634 ホンダの清成選手のフロントローの3台が横一線で1コーナーに飛び込んでいきました。
02戸田さんの S1000RR はゼッケン13。なかなかの好スタートを決め、先行車を抑えて前に出ます。ですが、走行ラインはイン側に押し込まれてしまいます。マシンが密集するスタート直後は、自由なライン取りが困難です。その中で、いかに前に出るかがライダーの腕の見せ所です。
03トップ争いは、ディフェンディングチャンピオンの秋吉選手がリード。猛プッシュを続ける中須賀選手、虎視眈々と上を伺う清成選手の三つ巴の争いです。清成選手は、練習で負傷した高橋選手のピンチヒッターとして急遽出場したのですが、さすが実力者らしい速さをみせます。
04最高速 280km/hに達するメインストレートから、一気に減速し1コーナーにアプローチする戸田さん。沈みきったフロントフォークと、伸びきったリアサスペンションが減速の凄まじさを物語っています。
05戸田さんは中盤グループの一角を形成。4台の集団で、11位争いを展開しました。互いに隙を見せない競り合いで、なかなか順位の変動がありません。実力が拮抗した戦いではワンミスが命取り。緊張感溢れるバトルです。
06トップ争いは終盤に中須賀選手が抜け出します。必死の追走をみせる秋吉選手は痛恨のコースアウト。見事逃げ切った中須賀選手が優勝を果たしました。中須賀選手は今季3勝目で、ポイントランキングでもトップを走っています。
07戸田さんは、第一ヘアピンでシフトトラブルからギア抜けを起こし、あわや転倒という事態に陥ります。幸い、転ばずには済んだのですが、集団から遅れをとってしまい単独14位でゴール。先行車をプッシュし続け、順位アップも狙えていただけに残念な結果となりました。
08S1000RR は今回からマフラーをノジマエンジニアリング製にリプレイス。今まで使用していたアクラポウ゛ィッチに比べ、中間域の特性が扱いやすく、低中速の繋がりの良さがタイムに繋がるオートポリスでは有利との判断での採用だそうです。
09予選や練習では大事をとって、予備の外装を装着して走ります。戸田さんは転倒の少ないライダーなのですが、晴れ舞台である決勝レースでキレイなマシンを披露するため念を入れます。レース用のカウルは脱着も簡易化されているとはいえ、メカニックは大変です。
10ノックアウト式の予選では、余裕で Q1 を突破。ほぼ1周のアタックでタイムを出したため、タイヤ交換も行わずに Q2 に挑みました。Q2 では、いまひとつペースが上がらず、17位グリッドとなりました。
11ピット内のモニターには、予選中の順位がリアルタイムで表示されます。自分が納得いくタイムを出していても、それを上回るタイムを出されれば、こちらも抜き返さねばなりません。ライバル達の動向を見るのも作戦の内なのです。
12予選中の天候は、今にも雨粒が落ちてきそうな不安定なものでした。戸田さんは Q1 と Q2 の間に、ヘルメットのシールドを曇り難いタイプのものに交換していました。
13予選終了後、翌日の決勝に備え戸田さんは、リアショックのバネレート変更を指示。下りではトップクラスのマシンにも着いていけていたそうですが、コースが登り区間に入ると旋回性が落ちていたことへの対応策です。
14決勝レースの前にはフリー走行と呼ばれる、練習走行時間が設けられています。今回、JSB1000 クラスのフリー走行は午前8時55分から15分間設定されていましたが、レース用のスリックタイヤは予熱する必要があるため、チームは早朝にサーキット入りしタイヤウォーマーをかけます。
15ピットロードからフリー走行に向かうライダーの皆さん。規定の時間になるまでは、コースは安全確保のためにクローズされます。コース上の安全が確認されてはじめて、シグナルが青になりコースオープンとなるのです。
169月8日の予選日には、イベント会場では JSB1000 参戦ライダーによるトークショーが開催。戸田さんもゲストの1人として招かれました。バイク熱の高い九州地方だけあり、イベントの人入りも上々。多くの観客が詰めかけました。
17実は戸田さんは走りだけでなく、喋りのテクニックもなかなかのもの。付き合いの長い須貝選手との掛け合いは、もはやコンビ芸の域。集まった観客の皆さんにも大ウケでした。
18イベントスペースには BMW もブースを出展。壇上には鈴鹿8耐で8位に入った、酒井 大作選手率いるチーム モトラッド39の S1000RR レーサーが展示され、注目を集めていました。
19改造範囲が広く、コンストラクターの技術がマシンの速さに大きく影響する J-GP2 クラスは、ゼッケン3 エスパルスドリームレーシングの生形 秀之選手が優勝。マシンは、スズキの GSX-R600 をベースにした GSX-MFD6 です。
20全日本で開催されるレースで最も参加台数が多く、常に混戦のレース展開となる J-GP3クラス。軽量級ならではのスリップストリーム合戦は、見応え十分です。優勝者はゼッケン634 MuSASHi RT ハルクプロの徳留真紀選手でした。
21この大会ではアジアロードレース選手権が併催。このシリーズは全6戦12レースで行われる FIM 傘下の国際格式のレースです。メインレースのカテゴリーは SS600。昨年のチャンピオンはカワサキに乗る日本人ライダーの藤原克昭選手。藤原選手はオートポリスで行われた2レースとも優勝を飾りました。
22アジアロードレース選手権といえば欠かせない存在なのがアンダーボーン 115。本来商用車であるアンダーボーンフレーム車で行われるレースです。一見、スクーターやミニバイクのレースのようですが、レース結果が実車の販売に直結するため、各メーカーとも力を入れているカテゴリーで、プロライダーによって争われています。
23ジュニアライダーの育成のため今年からスタートしたのが「アジア・ドリーム・カップ」。ホンダの CBR250 を使用したワンメイクレースで、完全なイコールコンディションで行うために、マシンはオーガナイザーが準備。レース前に抽選が行われ、マシンがライダーへと分配されるのだそうです。
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