ダイネーゼの新アパレルライン“36060”は、古き良き時代のファッションを現代的解釈でライディングギアに仕立て上げた今季注目のラインだ。世界最先端のウエアを生み出し続けるブランドがなぜいまヘリテイジラインを手がけるのか。
ブランドを支え続ける「感度」
「36060 カプセルコレクション」と銘打ったクラシカルなアパレルラインがダイネーゼから発表されたのは2015年のはじめのことだ。
“36060”が意味するのは、1972年にダイネーゼ創業者のリノ・ダイネーゼが、初めて手がけたモトクロスパンツを縫い上げた創業地、モルヴェナのZIPコード(=郵便番号)である。彼にとってすべてのはじまりとなった、大切な原点への思い。それが36060なのだ。
このコレクションは、ジャケット、トラウザー、グローブ、ブーツなどで構成されているが、どのアイテムも創業当時の時代背景を感じさせるファッションのエッセンスが、ライディングウエアとしても成立するよう、巧みにデザインされている。
BMWモトラッドがニューコンセプトのRナインティを登場させたように、いま世界のバイクシーンでは、1960~70年代の再評価と、その時代をモチーフに現代的解釈を加えたプロダクツのリリース、そこにカスタムカルチャーまでもが絡み、とてつもなく巨大なトレンドが生まれている。36060は、そうした流れをいち早く捉えたアパレルラインである。ライディングウエアとして、ストリートウエアとしても着回せる機能性とファッション性。さらに普遍性をも備えるアイテムは、これまで以上に幅広いライダーに支持されるだろう。
エアバッグに代表される最新テクノロジーへの探究心と、世界のトレンドを先取りするセンス。創業以来、ダイネーゼが常に時代の先端であり続けられるのは、研ぎ澄まされてきた「感度」を持ち合わせているからこそである。
ダイネーゼの新たな一面として存在感を放ち始めた36060コレクション。手に取れば誰しも、その世界観に魅せられることだろう。
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