第5回 車体
ついに登場したCシリーズは、意欲作だった C1 以来となるスクーターだ。これまでの BMW モデルとは一線を画し、アーバン・モビリティという新カテゴリーに投入されたCシリーズを、例によって世界一細かく解説していこう。
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Cシリーズのフレームは、ブリッジタイプと呼ばれるスチールパイプフレーム。Sport と GT は見た目の(スイッチとグリップ以外)共通部品はないが、エンジンをはじめとした車体関連はすべて共通部品である。車重は Sport:231kg/GT:243kg と差はあるが、その理由は GT の電動スクリーン関連部品だろう。
フューエルタンクキャップはシート前側に。メインキーの操作でリッドを開閉できる。
ライダー真下に配置される容量 16L のスチール製燃料タンク。残量が3L になるとメーターに残量警告が表示される。
バッテリーへのアクセスは簡単。Sport は3本、GT は4本のビス留めの右パネル内に設置される。12V 12AH のシールドタイプで、ごく一般的なサイズ。メーカー問わず入手には困らないはずだ。
ヒューズやリレー類、前述したエアフィルターも同じパネル内なので、整備性は非常に良い。
ハンドルバーのカバー内にナビ用の電源コネクターが見える。BMW は一部車種を除いて CAN-Bus という電気システムを採用しているが、知識なく電気系アクセサリーを追加すると、故障の原因となるので注意すること。
スロットル操作は一般的なケーブル式スロットル。E- Gas と呼ばれるライドバイワイア(電気式スロットル)システムは採用されず。
サイドスタンドを降ろすと、エンジン始動が不可能となると同時に、前述した後輪のパーキングブレーキが作動する。
センタースタンド操作はとくに軽くも重くもないが、スタンド位置はやや後ろ寄り。
ボディパネル固定は T25 のトルクスビスで統一されている。一般的なスクーターはコストダウンと生産性向上のため、『はめ合わせ』であることが多いが、BMW は他のシリーズも含め『ビス留め』が多用されている。
エンジン周辺には騒音遮断と断熱目的の吸音材が張り巡らせてある。
【C600Sport】 全長 2,155mm、全幅(ミラーあり/なし)877/790mm、全高 1,378mm、ホイールベース 1,591mm、シート高 810mm、乾燥重量 231kg、DIN 車両重量(燃料 90%充填)249kg。
Sport には単独した折り畳み式のタンデムステップが装備される。
Sport のミラーは、いたってシンプル。
ハンドルは樹脂パネルに覆われているが、本体はスチール製のパイプハンドルである。
スピードメーター以外はデジタルディスプレイ。
ヘッドライト上部にはポジションランプを備える。
キーオフ後でも 30秒は消えずに周囲を照らす、ウェイホーム機能という仕組み。
テールライト・ブレーキライト・ウインカーは LED。ナンバー灯は普通の電球を使用する。
Sport ではフロントウインカーは LED でボディマウントされる。
【C650GT】 全長 2,218mm、全幅(ミラーあり/なし)916/822mm、全高 1,411mm、ホイールベース 1,591mm、シート高 780mm、乾燥重量 243kg、DIN 車両重量(燃料 90%充填)261kg。
タンデムステップは、ステップボードの延長にある。ライダー側のステップボードも Sport より自由度が大きい。
別体のミラーガラスが可動する仕組み。前面には LED ウインカーが内蔵される。
GT のハンドルは Sport より幅広く、手前に引かれている。ステップボードやシートの位置関係も異なるので、両車のライディングポジションは極端ではないが別物である。
Sport と同じメーターだが、異なるデザインのカバーに変えている。
ヘッドライトは、右が常時点灯のロービームで左がハイビーム。H7 規格のハロゲンバルブを使用。
ヘッドライト中央には常時点灯の LED ポジションランプ。これもウェイホーム機能をもつ。
テールライト・ウインカーは LED。ブレーキライトとナンバー灯は普通の電球使用。
ミラー内蔵ウインカーは LED。
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