VIRGIN BMW | 第15回 排気系 F800S・F800ST編

第15回 排気系

  • 掲載日/2012年06月29日【F800S・F800ST編】
  • 執筆/モトラッド阪神 田中 建次
    このコンテンツは BMW BIKES Vol.37 (発行:2007.01.11)「ディーラーメカニックが解説する F800S / ST テクニカルディテール」掲載の記事を引用しています。

F800S・F800ST分解レポートの画像

BMW 初のパラレルツインエンジン。一見して従来のFシリーズとは異なるキャラクター、サプライズともいえるプライスタグなど、各方面から注目の F800 シリーズが到着。そのメカニズムについて、メンテナンス方法も交えて世界一詳しく紹介しよう。

分解レポート 詳細をチェック

F800S・F800ST分解レポートの画像
サイドカウルの下部分を外す。ビスは5本。STは8本。不思議なことにウインカーから伸びた配線と車体のワイヤーハーネスが一体。クイックコネクターが無い。ぶら下げておいても不自由しないが……。●
F800S・F800ST分解レポートの画像
カウルを完全に外すためには、レンズを外してウインカー内の配線を抜き、ステー内から引き出す。大した手間ではない。
F800S・F800ST分解レポートの画像
このカウルを外してもラジエターがよく見えるぐらいで、メインテナンス上のメリットはほとんど無いことがわかった。
F800S・F800ST分解レポートの画像
カウルの厚さは実測で3ミリほど。軽量化のためもあるだろうが、プラスチック成形の技術が進んだせいもあるだろう。他メーカーのスーパースポーツモデルにはもっと薄くて軽いカウルがある。
F800S・F800ST分解レポートの画像
ミラーはステーごと前方に畳むことができるので、車体カバーを掛けるときやガレージ収納に便利。
F800S・F800ST分解レポートの画像
上部のサイドカウルはミラーステーと共締め。ミラーはカウルと同じ T25 トルクスビス2本で固定されている。
F800S・F800ST分解レポートの画像
あとはビス2本と前側のゴムブッシュのはめこみで長いサイドカウルを外すことができる。滅多にないことだが、フロント廻りのカウルを外すのに、車載工具のドライバーで 26 本 (STは 32 本) のビス (ミラー用含む) を外すわけだ。数は多いが隠しビスや手が入りにくいところは一切無い。
F800S・F800ST分解レポートの画像
カウルビスは全部同じ T25 トルクスで長さも同じ。トルクス規格ネジはトルクの伝達効率が最も高く、穴が浅くても滑りにくくネジを小型化できる長所がある。近年の BMW はほとんどすべてこの規格だ。ステンレス製なので錆びないのはいいが、狭いところに落とした時にマグネットピックで拾えないので、メカニックの立場ではちょっと不便。
F800S・F800ST分解レポートの画像
左側面からの図。バッテリー横には唯一のリレーであるスターターリレー。その後ろはエアボックス。エアインテークダクトはかなり長め。
F800S・F800ST分解レポートの画像
ダクトは工具不要で外れるピン2本で固定されている。
F800S・F800ST分解レポートの画像
ダクトを上に抜き出す。
F800S・F800ST分解レポートの画像
ダクト側にエアフィルターが挿入されている。市街地走行が多いとディーゼルスモーク等、清掃でも落ちない汚れが付着する。20000 キロ までに交換とあるが、清掃は随時、交換はせいぜい 10000 キロだろう。
F800S・F800ST分解レポートの画像
乾式なので高圧エアで掃除できる。交換時の部品代は 2,580円。エアフィルターの点検や掃除・交換だけなら、左のカウルを外すだけで良い。
F800S・F800ST分解レポートの画像
右後方からの眺め。エアボックスの大きさが目立つ。
F800S・F800ST分解レポートの画像
クーラントのサブタンク。ラジエターを含めた総容量は 1.65L。クーラントは不凍液と同時に、冷却経路やラジエター内の腐食防止液でもある。その効果は時間の経過とともに弱くなるので、4年毎に交換が望ましい。
F800S・F800ST分解レポートの画像
ライトやメーターは大きなプラスチックのブラケットに固定する、最近の BMW に共通したマウント方法をとる。軽いうえに金属ステーのようにビビらないし、転倒しても曲がらない。
F800S・F800ST分解レポートの画像
エアボックス最後部には ECU 類が設置される。
F800S・F800ST分解レポートの画像
エアボックスを外してみよう。T30 のトルクスボルトが4本。あとはホース3本と電気コネクター2本。
F800S・F800ST分解レポートの画像
見えるボルトを外していくだけで簡単に外れるエアボックス。内部に長めのエアファンネルが装備される。
F800S・F800ST分解レポートの画像
インジェクションのスロットルボディとエアボックスの接続には、バンドによる締め付けは一切無く押しつけられているだけ。これは F650 や K1200 も同様。下に見えるのはアイドルコントロールバルブ。
F800S・F800ST分解レポートの画像
フレームとエンジンの位置関係がよくわかる。いわゆるツインチューブフレームの典型的レイアウト。
F800S・F800ST分解レポートの画像
フレーム内側には遮熱材が張り付けられている。
F800S・F800ST分解レポートの画像
BING 社製のスロットルボディ。口径は 46 ミリ。ほぼ真上を向いており、重力による慣性加給効果を得ている。これは F650GS 系やKと一緒。
F800S・F800ST分解レポートの画像
エンジンのヘッドカバーには、ブリーザーホースの他に排気ポートに空気を供給する二次エアシステムのホースがある。

分解レポート F800S・F800ST編 メニュー

関連する記事

ピックアップ情報