第5回 サスペンション
BMW 初のパラレルツインエンジン。一見して従来のFシリーズとは異なるキャラクター、サプライズともいえるプライスタグなど、各方面から注目の F800 シリーズが到着。そのメカニズムについて、メンテナンス方法も交えて世界一詳しく紹介しよう。
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スイングアームは片持ち。20年以上の歴史を持つ、もはや BMW の伝統である。なかなか凝った造形。もちろんアルミ製である。ストローク量はホィール中心で 140ミリ。
ショウワ製のリアショックユニットは F650 のようなリンクを介さずにスイングアームにマウントされ、上側はメインフレームマウントである。極端に前傾されているのは、ガソリンタンクの容量をかせぐ意味もあるはずだ。
スプリングプリロードの調整ダイヤル。標準位置はいっぱいに緩めてから、12 ノッチ締め込む。ただし、フルタンクで 85 キロライダーの設定。オーナーの体格次第で調整したほうがいいだろう。スペース上の制約があり、ダイヤルが小さめで回すのに結構な握力が要るが……。
シートを外すと最前部にツールがはめ込まれていので取りだす。
ダイヤルの穴に差しこめば軽く回る仕組み。ちゃんと奥まで差し込まないとツールの爪が折れそうなので注意したい。
ダンパー (伸び側) 調整ダイヤル。標準位置は締めこんでから1/2回転緩める。ダンパー・プリロードともに調整範囲は非常に広く、ユルユルからスポーツ走行・タンデムフル積載まで余裕で対応できるだろう。エキセントリックなRやKと違い、F800 のサスペンションは極めてオーソドックスだが、お世辞抜きで非常に良くできている。
スイングアームピボットはフレームではなくクランクケース直結である。Kなら 1100系まで、Rなら 1150系までと同じ手法。ちなみにドゥカティも同じ。スイングアーム長は 528 ミリ。ホイールベースは 1466 ミリ。
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