第2回 サイレンサー
BMW 初のパラレルツインエンジン。一見して従来のFシリーズとは異なるキャラクター、サプライズともいえるプライスタグなど、各方面から注目の F800 シリーズが到着。そのメカニズムについて、メンテナンス方法も交えて世界一詳しく紹介しよう。
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集合部までが結構長いエキゾーストパイプ。近年の BMW のセオリー通り、無垢のステンレスである。
単一気筒排気量 400cc と大きいうえに、ユーロ規制と日本の騒音・排ガス規制に対応する大型サイレンサー。ステンレスの上にクロームメッキされている。
タンデムライダーのブーツを焦がさないよう、ヒートシールドが付く。
テールパイプは上下二本。重低音ではないが、乾いた良い音がする。
キャタライザーはサイレンサー内蔵式。騒音と排ガス規制に対応する旨の刻印が刻まれる。近年の BMW 御用達のイタリアのラフランコーニ社製。片持ちスイングアームのメリットを生かして大きく重いサイレンサーを車体中心に寄せて配置している。これは他のモデルも同じ。
コーションラベル。近接騒音は 4000rpm (回転) で 90dB (デジベル) とある。実測では 91dB だった。4000rpm とはエンジンの最高出力発生回転の半分で、騒音の測定基準値だ。例えば 12000rpm で最高出力を発揮するエンジンなら 6000rpm で測定しなければならないため、規制値である 94dB をクリアするためには相当の苦労が必要である。逆に低回転で最高主力を発揮するエンジンなら、相応の低回転で測定だから消音設計に余裕ができる。某輸入車の排気音があきらかに大きいのに騒音規制をクリアしているのは、測定エンジン回転数での音量が小さいせいだ。近年のエンジンが高回転高出力型から、排気量拡大傾向にあるのはこのため。パワーを上げるためには、回転を上げるか排気量をアップするのがもっとも簡単な方法だ。
スターターモーターの位置は F650 系と同じくエンジン最前部。
ボルテージレギュレーター。F650 はシート下、GS 系はエンジン右下、F800 ではこの位置に設置された。発熱する部品なので、大きな冷却フィンが刻まれている。
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