第15回 R1200RT 電装系 その2
今回取り上げるのは、R1200RT と ST である。ここでは装備品が多い R1200RT をメインに、通称 PDI (Pre-Delivery-Inspection:納車前点検) 作業に加えて、新規採用されたメカやディテール、メインテナンス情報をできるだけ分かりやすく解説していく。オーナーおよびオーナー候補の方々も参考にされたい、ディーラーメカニックだけが知り得るニューモデルの細部を紹介していこう。
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新車には、このキー二本と緊急時のプラスチックキーが付属する。握りの中に電子チップが内蔵されているため、スペアキーの作成は BMW でのみ可能。
GS に続いて電子イモビライザー採用。キーシリンダー外周の黒いリングがセンサー。万一キー穴を破壊され無理に回されたとしても、バイク側のイモビライザーに同期しないので電源が入らない。直結も不可能。
GS 同様、バッテリーはタンク下からシート下に移動。整備性が悪かったところが改良された。重心を下げるメリットもあるだろう。GS の 12AH と違って、従来型の 19AH メンテフリーシールドバッテリーを採用。初期充電のあと取り付け。
ヒューズはすべて廃止。コントロールユニット内にブレーカー回路を持つ。たくさんあったリレーもメイン電源用一個を残して廃止された。電気系アクセサリーの取り付けは悩みどころ。R1200GS 以降のモデルは、車体全体の電流を常時モニターしており、異常な電流が回路に流れていると判断すると、警告とともに回路を遮断するのだ。
アクセサリーソケット。キー OFF 後 60 秒で回路が遮断されるので、従来型充電器ではここからの充電はできない。新型の充電器ではできるのだが、日本の法律の関係で導入できない。バッテリー充電の際はバッテリー端子に直接充電器をつなぐ。この時必ずマイナス端子の配線を外すこと。
追加ソケットはテールカウルの左右に取り付け可能。
リアシート後方には、わずかな小物入れというか余ったスペースがある。最近の BMW は大物積載は得意だが、小物収納が全然ダメだ。パニア・トップケース、車種専用のタンクバッグを設定しているのはお見事だが、二人分のカッパやバーロックを収納できるぐらいのスペースはほしい。
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