第10回 R1200RT ハンドル回り
今回取り上げるのは、R1200RT と ST である。ここでは装備品が多い R1200RT をメインに、通称 PDI (Pre-Delivery-Inspection:納車前点検) 作業に加えて、新規採用されたメカやディテール、メインテナンス情報をできるだけ分かりやすく解説していく。オーナーおよびオーナー候補の方々も参考にされたい、ディーラーメカニックだけが知り得るニューモデルの細部を紹介していこう。
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ハンドル廻りは不思議なことに旧 RT と同じ。アルミ鍛造ハンドルバー本体も表面処理が違うだけで変わりがない。「旧 RT から乗り換えても違和感がないように」との配慮なのかもしれない。重量の面では不利なのだ。このハンドルはなぜか他のメーカーのスポーツツアラー、ドゥカティの ST 系やヤマハの FJR などが真似している。パイプと比べて、振動疲労軽減にメリットがあるのかもしれない。
右グリップユニット。レバーを含めて旧 RT と同じ。グリップヒーターは日本仕様は標準装備。オプションのシートヒータースイッチはここに付く。BC ボタンはオンボードコンピューターのディスプレイ切り替えスイッチ。ブレーキフルードは DOT4 で2年毎に交換。
左グリップユニットも旧型と同じ。ただし、左右ともスイッチを含めてデザインは同じだが、品番は異なるので新 RT 専用部品である。
メーカーオプションのクルーズコントロールスイッチ。右手が非常に楽になる装備。任意の速度で走り続けられるが、ブレーキやクラッチ操作で解除される安全設計。
クラッチマスターシリンダー。一見旧 RT と同じだが、クラッチフルードはブレーキフルードと共用ではなく、専用のハイドロリック (ミネラル) オイル (Vitamol10) を採用。間違えてブレーキフルードを入れると、確実に漏れるとのこと。リザーブタンクのフタに注意書きがある。
グリップは端にゆくに従って太くなる旧タイプのモノ。最新モデルの細身タイプではない。グリップヒーターは本来オプションだが、日本仕様は標準装備。
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