R1200R(2007-)
- 掲載日/2012年03月05日【BMWバイク中古車ガイド】
R1200Rの歴史など
連綿と続く「R」=「ロードスター」の称号
1200ボクサーになってもキープコンセプト
2004年発売の R1200GS から始まる R1200 シリーズ最後発のモデルが、今回ご紹介する2007年から発売の R1200R です。「R(ロードスター)」の称号は、1991年の R100R から始まり R1100R から R1150R へと続き、K1200、K1300 にも与えられています。
ロードスターは豪華なフェアリングやオーディオが装備されない、シンプルでベーシックなモデルです。そのぶん R1200R は装備状態で 230kg と、比較的軽量で取り回しに苦労することはほとんどありません。R1200R にはアクティブラインとハイラインという2つの仕様がありますが、RT や GS のようなプレミアムラインの設定はありません。ハイラインには他の R1200 シリーズ同様のインテグラル ABS2、グリップヒーター、センタースタンド、サイドバッグキャリアが装備され、アクティブラインにはそれらがありません。アクティブラインはほとんど輸入されていませんでしたが、2008年モデルのアルピンホワイトだけは、アクティブラインも数多く輸入されています。
仕様の違いには十分に気をつける必要があります。発売時の新車価格は、ハイラインが 1,732,500円、アクティブラインは 1,522,500円で、価格差は 21万円の違いがありました。
R1200Rの特徴
走っても降りても扱いやすさが最大のメリット
装備や仕上げによる細かな違いも多い
R1200R にはアクティブラインとハイラインという、ふたつのグレードが設定されていますが、日本へ輸入されている車両はハイラインがほとんどで、アクティブライン(発売当初はベーシックラインと呼ばれていた)はほとんど輸入されていませんでした。ただし、2008年に輸入されたアルピンホワイトだけはアクティブラインが多数存在したり、希に他カラーでアクティブラインがあったりするので、ハイラインとの勘違いに十分注意する必要があります。
アクティブラインとハイラインのエンジン、サスペンション、フレーム、外装品などの基本構成は同一です。ハイラインにはサーボ無しインテグラルABS、グリップヒーター、センタースタンド、サイドバッグステーが標準装備されています。工場オプションには、電子制御サスペンション(ESA)、オートマチックスタビリティーコントロール(ASC)、インフォメーションディスプレー(OBC)が用意されていました。工場オプションは後付けが困難な装備で、車両生産時に組み込む必要があるため、ESA や ASC 装備車両の台数はわずかです。
エンジンは R1200RT/ST/GS と基本的に同じ 122EF 型ながら RT や ST より 1ps 低く、GS より 4ps 高い 109ps 仕様が搭載されています。車両重量が 230kg と比較的軽量な車体のため、燃費は市街地 17km/L から郊外 27km/L ほどの低燃費で、どの回転域でも常に扱いやすいパワーを得ることができます。
サスペンションはフロントにテレレバー、リアにパラレバーが装備されています。ESA を装備した車両はハンドルスイッチやサスペンション本体でその有無を確認することができます。シートは 770mm 高が標準装備品となりますが、オプションで 800mm と 820mm のハイシートやコンフォートシートも用意されています。770mm シートは見た目にも低く足付き性は良好で、800mm シートはかまぼこ形状のためそれほど高いという感じにはなりません。さすがに 820mm シートにもなるとオフロード車の様な感じになります。
種類があるものにサイレンサーの表面仕上げがあります。導入当初の発売記念車はメッキ仕上げでしたが、通常仕様は基本的にステンレス製のヘアライン仕上げとなります。R1200R の外装は必要最小限のシンプル構成です。そのためウインドスクリーンをはじめ RT と同じパニアケースとトップケース、リアキャリア、パイプ式エンジンガードなど色々な純正アクセサリーが用意されていて、RT にも負けない1台を作ることも可能です。
仕様違いの確認
シート高違いで形状も変わる
インフォメーションディスプレー
当時のカタログを見てみよう!
「モダン」「伝統」「正統派」「安全性」
違いのわかる都会派ライダーをアピール
中古車選びの注意点
バイクらしいスチール製燃料タンク
経年による腐食の状態を確認
R1200 シリーズの中で唯一スチール製の燃料タンクがそのまま装着されているのが R1200R です。他の R1200 シリーズは樹脂製やアルミ製の燃料タンクが外装パネルに覆われているので、ほぼ表面の擦りキズだけを確認すれば十分です。ところが、金属製の燃料タンクがそのまま使われている場合には擦りキズの他に凹みや内外の腐食にも注意を向ける必要があります。
経過年数が少ないうちは、燃料タンク内部の腐食に気を付ける必要はそれほどありませんが、燃料給油口付近が腐食しかけているような場合には注意をしても損はありません。インジェクション車両のため燃料ホースを定期的に交換する必要があります。そのようなときに、内部を確認しておくのも安心して乗り続けられる良い方法のひとつです。
- ● シート表皮は強力に四方へ引っ張られて形作られているため、角や凸部分の破れや切れに注意。
- ● 前後連動ブレーキのため後は摩耗しやすく、走行距離にかかわらずブレーキディスクは十分に確認。
- ● ホイールは柔軟性を持たせて割れにくくさせているため、リム部分に曲がり無いかをよく確認。
- ● バッテリーの状態によってアイドリング付近でのエンジン作動も違いがあるため、いつも生きの良いものを使用する。
- ● 純正品ではない電気部品がついていると車両トラブルになることがあるので、後付け電装品には注意。
- ● タイヤと同じくヒートグリップは摩耗しやすく高価(左右で3万円強)なので、タイヤと同様に確認。
- ● ヘッドライトレンズ部分は丈夫でキズが付きにくい樹脂製ですが、深いキズやクラックの有無に注意。
- ● シリンダーヘッドカバーは比較的薄いため、損傷が大きい場合にはキズに隠れて見えないクラックに注意。
- ● リコールやサービスキャンペーンが確実に完了しているか、日本のメーカーページにて確認する。
1960年生まれ、91年式R100GSパリダカール所有。1983年に福田モーター商会に入社して以来、BMWに携わり続けている。毎年100台以上のBMWの下取り査定や中古車販売に携わっていて経験豊富。
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