VIRGIN BMW | K1200Rスポーツ(2007-) BMWバイク中古車ガイド

K1200Rスポーツ(2007-)

  • 掲載日/2011年05月02日【BMWバイク中古車ガイド】

K1200Rスポーツの歴史など

K1200Rスポーツの画像

K1200R をベースとした派生モデル
存在感はあるものの競争力は…

2005年から始まる横置きエンジンの K1200 シリーズは、2005年に K1200S と K1200R、2006年に K1200GT、そして今回ご紹介する K1200R Sport が K1200 ラインナップの最終モデルとして2007年に登場しました。K1200R Sport は、先に発売されていた K1200R にハーフカウルを装備したモデルで、車輌の諸元はベースとなった K1200R と同一です。K1200R Sport の仕様は、全てサーボアシスト無し ABS (サーボアシスト付 ABS は生産されていない)とグリップヒーターが装備されています。

基本的な販売価格は 2,079,000円でしたが、K1200S と同形状のスポーツホイールや ESA を装備したものが多く輸入されおり、それらを装備した車両は 2,205,000円という価格でした。

K1200R Sport が登場した時には、フェアリングを希望される方はSを、ネイキッドタイプを希望された方はRをすでに入手されていて、K1200R Sport が選ばれる機会はとても僅かでした。エンジンが見えていて存在感があり、高速走行でもフェアリングがあって快適で、しかも加速性能重視の K1200R がベースでも先発モデルが良すぎたため、後発モデルは厳しい条件かで戦わざるをえませんでした。

K1200Rスポーツの特徴

K1200Rスポーツの画像

フルカウルとネイキッドの中間スタイル
車体構成は K1200R と全く同じ

K1200R Sport の最大の特徴は、先に販売されていた K1200R に専用のハーフカウルを装着したモデルだという点です。ハーフカウルの形状は K1200S のものとは異なり、K1200R Sport 用として新にデザインされたものです。カウルに付くスクリーンやヘッドライトまでもが K1200R Sport の専用品です。ハーフカウル以外は K1200R とまったく同じです。

フロントサスペンションは軽量高剛性のデュオレバー、リアサスペンションはシャフトドライブの挙動を軽減するパラレバー、前傾搭載して低重心化させた水冷 DOHC 高出力エンジン、コンパクトな車体構成につながるアルミ製ブリッジタイプフレーム等々、仕上げ処理が異なる個々の部品があっても車体構成は全く同じです。なお、K1200R Sport には工場オプションとして電子制御サスペンション ESA が用意されており、ごく少数ながら ESA を装備したモデルも輸入されています。もうひとつは K1200S と同じスパイラル形状のスポーツホイールです。前輪はデザインの違いだけでリム幅は同じですが、後輪は0.5インチ幅広で 190 サイズのタイヤを装着しています。ABS については、K1200R Sport が2007年からのモデルということで、全車インテグラル ABS2(サーボアシスト無し前後連動ABS)が装備されています。サーボアシスト無し ABS は、それまでのサーボアシスト付よりもわずかながら制動時の感覚が自然です。サーボ加圧されることによって小さな力でも大きな制動を得られるという最大のメリットがあるのですが、ベテランライダーになればなるほど微妙なブレーキコントロールをおこないにくいという意見も多くありました。

K1200Rスポーツの画像

専用設計のハーフカウル

K1200R Sport 最大の特徴が、専用のスクリーンとヘッドライトを持つこのハーフカウルです。
K1200Rスポーツの画像

細かいところで違いを表現

K1200R と同じく車体カラーによってフレームとエンジンの色や仕上げが異なります。
K1200Rスポーツの画像

スポーティなシート

スポーツモデルらしくBMWにしては堅めのシートです。オプションで30mm高いハイシートもあります。

当時のカタログを見てみよう!

筋肉質のRにハーフカウルを装備
高性能スポーツモデルとし登場

K1200Rスポーツの画像
K1200Rスポーツの画像

中古車選びの注意点

K1200Rスポーツの画像

パワフルなエンジンゆえの高価な消耗品
購入時にはクラッチプレートが要注意

横置きエンジンタイプの K1200 シリーズや K1300 シリーズに使用されている“湿式多板”のクラッチプレートは、プレート1枚ずつやハウジング単体での設定がなく、クラッチプレート Assy として販売されています(3番の部品)。安価であればためらうことなく交換すればよいのですが、1セット 108,675円という値札がそうはさせてくれません。消耗品の1つでもあるので「保証」の対象からも除外されてしまうことがほとんどです。少なくとも納車前点検において「滑っていない」ことだけは確認してもらうようにしてください。ただし、公道を200km/hで走るわけにもいかないので、クラッチの状態によっては発見できないこともあります。

購入の際の注意点
  • ● K1200R シリーズ特有の問題として、楕円形ミラーのボディーと鏡の接着が弱く、振動音が生じることがある。
  • ● ブレーキ使用時は常時リアブレーキが使われているので、パッドとディスクの摩耗に注意する。
  • ● インジェクション仕様なので安定した状態を保つためバッテリーは活きの良いものを使用する。
  • ● 高度な電装システムを搭載しているので社外の電気的アクセサリーが付けられている時は注意する。
  • ● 振動防止のハンドルバーが装着されているので立ちゴケ程度の軽微な転倒でも曲がることがあります。
  • ● ハンドルに付くリザーブタンクのキャップは、K1200R Sport だけ黒色ではなく何故か灰色です。
  • ● 定期的に12ヶ月点検をBMWディーラーで実施し、専用テスターで不具合箇所を可視化することが重要です。
  • ● その他の注意事項は、横置きエンジンの K1200 シリーズのページをご覧下さい。
プロフィール
山本 栄治

1960年生まれ、91年式R100GSパリダカール所有。1983年に福田モーター商会に入社して以来、BMWに携わり続けている。毎年100台以上のBMWの下取り査定や中古車販売に携わっていて経験豊富。

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