VIRGIN BMW | R1200C(1997-) BMWバイク中古車ガイド

R1200C(1997-)

  • 掲載日/2010年05月12日【BMWバイク中古車ガイド】

R1200Cの歴史など

R1200Cの画像

デザインコンシャスな“クルーザー”スタイル
これまでの BMW とは大きく異なる

BMW モーターサイクルの中において飛び抜けて「異質な感じ」を受け、なおかつ「特別な印象」があるクルーザーシリーズの初期型モデル R1200C(後に R1200C クラシックと呼ばれる)です。

1997年10月にABS装備車が182万円で、ABS無しが166万円で発売されました。ご覧の通りスタイルはクルーザータイプ(アメリカンタイプ)で、それまでの BMW とはまったく違ったモデルでした。世界的にクルーザータイプの販売が好調なことを受けて、BMW も黙っていられなくなったのが発売の動機のようです。

当時の新車広告では1950~60年代のスタイルの、クラシカルな BMW とスタイルをダブらせたものでしたが、購入者の多くはアメリカンスタイルの BMW という捉え方がほとんどでした。この R1200C は2004年モデルが最終仕様でしたが、店頭には2006年の初め頃まで列んでいました。

特別好評というモデルではありませんでしたので、販売数は僅かです。10年近く販売していたものの、中古車として店頭に列ぶのは少なめのようです。他の R1200 クルーザー系には、アバンギャルド、インディペンデント、R1200CL、モントークというモデルもありました。

R1200Cの特徴

R1200Cの画像

クラシカル BMW とアメリカンのテイストを取り入れた
メッキパーツを多用する独特なスタイリング

R1200C 最大の特徴はクルーザータイプのスタイルにあります。多少アメリカン風のにおいを取り入れていることは誰の目にも明らかです。また、シリンダーヘッド、エンジンフロントカバー、ハンドルエンド、ペダル、スポークホイール等がメッキ仕上げとなっています。ただしこのメッキが曲者で、腐食したり、剥がれたり、さんざんな思いをした記憶がいくらでもあります。2000年を過ぎた頃ぐらいからのメッキは比較的良くなり始めましたが、それでも手を抜くと短時間のうちに腐食が始まる厄介者でした。

エンジンは 1,200cc というものの R1200RT 等とはまったく異なるタイプです。R1100 の排気量をアップしたもので、最高出力は 5,000回転/60馬力です。非力とも思われがちですが、低回転からトクルたっぷりで、クルーザーとしてのエンジンを考慮すると必要にして十分でした。

各部の装備品を見ると、ハンドルグリップと前後シートは革製を使い、耐久性よりも雰囲気重視の作りでした。小さなリアシートは、起こすとライダー用のバックレストにもなります。前後ホイールは GS 同様クロススポーク構造で、チューブレスタイヤ仕様となっています。リムは鉄製のため重量があり、クルーザーらしいどっしりとした走行感覚です。フロントサスペンションは BMW オリジナルのテレレバータイプですが、後はあえてパラレバー構造とはせず、スイングアームを長くしてそれらしいスタイルと、シャフトドライブの癖を減少させています。リアサスペンションは相当固い設定にされていて、路面の凹凸をありのままライダーに伝えてくれました。なお、ABS は年式により ABS2 とサーボ付きインテグラルタイプの二種類があります。

R1200Cの画像

必要最小限で視認性は良好

あまりにシンプルなメーターパネルと、古いBMWモデルをイメージした速度計。
R1200Cの画像

高級感を演出するメッキリム

ほとんどの車輌はメッキのリムですが、後期型はGSと同じようなアルマイト処理があります。
R1200Cの画像

合理的なギミックも

小型リアシートはライダー用のバックレストにもなります。大型シートに変えたときは固定になります。

当時のカタログを見てみよう!

大人のライフスタイルをステージに
落ち着いた雰囲気を演出する

R1200Cの画像
R1200Cの画像

中古車選びの注意点

R1200Cの画像

クルーザーはルックスがメイン
交換パーツも安くない

車輌の限界を探しながら乗るタイプではないので、機能の不具合が発生することは少ないモデルです。ただし、外装品の劣化は他の BMW より気を付けることが必要です。例えば、革製のシートやグリップは表面がヒビ割れて醜くなることが多く、メッキ部品は腐食により剥がれ落ちることもあります。それらの部品はメッキ品ということで比較的高価なので、交換しようとするとかなりの出費となります。

サイレンサーは左右非分割式の Assy 部品になります。大事にはなりませんが、転倒した場合にはサイレンサーが片側に寄ってしまい、多少格好悪いことになります。しかもキャタライザーが内蔵されているので、この部品も高価です。

購入の際の注意点
  • ● スポークホイールはキャストホイールと違って修整ができないので歪みに注意する。
  • ● ブレーキディスク、特に後側は減りやすい傾向があるので摩耗の状態に注意する。
  • ● ストップランプのメッキボディが固定ボルトの部分で割れ易く、交換は Assy 部品のみです。
  • ● グリップエンドのメッキが剥がれていると手をケガするので、交換か全部剥がして塗装する。
  • ● 前後フェンダーやパネル類は鉄製部品です。万一曲げてしまっても板金塗装で修理可能です。
  • ● ABS装備車がほとんどのため、ABSがエラーを起こさないようにバッテリーはいつも生きの良いものを使用する。
  • ● R1200C は全車インジェクション仕様のため、ガソリンホースと燃料フィルターは定期的に交換する。
  • ● ABS とインジェクションの調整・修理は BMW ディーラーにある専用テスターが必要です。
プロフィール
山本 栄治

1960年生まれ、91年式R100GSパリダカール所有。1983年に福田モーター商会に入社して以来、BMWに携わり続けている。毎年100台以上のBMWの下取り査定や中古車販売に携わっていて経験豊富。

取材協力
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電話/03-3468-6841

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