F650GSダカール(2000-)
- 掲載日/2009年05月21日【BMWバイク中古車ガイド】
F650GSダカールの歴史など
F650GSのアップグレードマシン
生産台数も中古車も少なめ
F650GSの発売から4ヶ月後の2000年8月にF650GSダカールが発売となりました。当初のカラーはホワイトにプラックのイラストが入るシンプルな色使いで、GSに装備されていたABSはまだダカールには装備されていません。初期型ホワイトカラーのダカールは102.9万円でした。その後2001年にカラーリングがブルーベースに変更されたモデルも価格の変更はなく、2003年3月発売の仕様からABS装備モデルが110万円弱にて発売となりました。最終的にはGSモデルと同じく2004年にマイナーチェンジが施されて、販売価格は115万円弱に変更されています。
GSと比較してオフロード性能を特化させたため、販売台数的には少ないモデルと言えます。新車の販売台数が少なければ当然中古車として店頭にならぶ車輌も少なくなります。中古車の販売価格となるとダカールの特殊性から、GSモデルよりも多少安価になることもあります。それでも初期モデル40~50万、中期モデル50~60万、後期モデルで60~80万円台の価格が多いようです。
F650GSダカールの特徴
高い耐久性で通勤からツーリング
バイク便までこなす!?
1994年から続いたこの水冷単気筒DOHCエンジンは、驚くほど耐久性が高く、高品位なエンジンを搭載しています。悪く言うと100%BMWのエンジンではありませんが、故障が少なく、使い続けられる耐久性の高さはBMWイチかもしれません。長距離から通勤まで色々な使い方をされた14万km走行のエンジンが、わずかな調整だけでさらにバイク便で使えるほどです。
エンジンはGSとの違いはなく、インジェクションの50ps仕様です。ダカールのサスペンションは、テレレバーやパラレバーというBMW独自のサスペンションではなく、一般的なテレスコピックフォークとスイングアームが採用されています。ただし、オフロード性能が重視されているために前後共ストロークが長く設定されています。さらに標準ではハイシートが装備されているので、シート高は870mmとなります。
タイヤはフロント21インチ、リア17インチのチューブタイプで、リムにはアルマイト加工が施され、スポークは初期からステンレス製が採用されています。ガソリンタンクはGSと同じ樹脂製でシート下にあり、燃料の残量による挙動変化と体感的重さがかわることはほんのわずかです。それでもオフロード車らしくサイドスタンドの傾きは新車時でも大きく、シートに乗ってから車体を起こす動作は慣れとコツが必要です。バッテリーは開放型バッテリーを使用していますので、定期的に点検をする必要があります。
純正のオプション類は、バッグ類、グリップヒーター、エンジンガード等GSと共通の物が豊富に販売されています。ただし、センタースタンドだけは純正品が設定されていません。画像の車輌は中期モデルです。
プロテクション効果は抜群
特徴的な左右振り分けタイプ
オフ車にしては内容ギッシリ
当時のカタログを見てみよう!
その生い立ちは過酷なレースシーンから
一般ユーザーのためのエンデューロマシン
中古車選びの注意点
意外と細かい仕様の違い
選ぶ際は見定めが必要
いつもは要修理箇所をご説明しておりましたが、今回だけは仕様の違いをご説明します。要修理箇所はF650GS、およびF650CSのページをご参照下さい。
さて、ダカールには初期・中期・後期の3タイプがあります。初期モデルは外装品がホワイトベースの、ずいぶんあっさりとしている色使いです。ABSを装備した車輌は無く、オプションはほとんど装備されていませんでした。画像の車輌に付くサイドバッグステーもオプション品です。中期になるとブルーベースの「市松模様」が付くカラーとなりました。そして途中からABS装備モデルが加わり、レギュラーガソリンの使用も承認されています。レギュラーガソリンの使用承認はモデル途中からなので、タンクキャップに「レギュラーガソリン」というシールがあればO.K.です。
2004年モデルから装備と外装が変わりました。このモデルからは、角度のついたラージスクリーン、リフレクター式ヘッドライト、メーターパネル意匠、トップケース対応リアキャリア、ジャンプスタート端子、電源ソケット、グリップヒーター、クラッチプレート、調整機能付きクラッチレバーが装備されています。このクラッチレバーはクラッチプレートを変更しないと使えないことになっています。外装ではブルー/ホワイトアルミのツートーンカラーに変わり、フロンフェンダーの形状が変更されてフェンダープロテクターが無くなりました。よくあるケースでは、ダカールにGSシートを付け、GSにダカールシートを付けるとそれぞれ快適な仕様に変身します。お勧めです、お試しあれ。
- ● オフロードでの酷使が考えられるのでホイールの歪みと前後サスの作動に注意。
- ● 忘れがちなのがABS装備の有無です。有りと思って「付いていなかった」のではガッカリです。
- ● エンジンの始動性が良くない場合はイグニッションコントロールユニットがとっても怪しい。
- ● メーター内の液晶表示がきれいに出ているかを確認します。ダメだとAssy交換となります。
- ● ドライブチェーンとスプロケットの状態や摩耗に気を付けてください。
- ● サイドスタンドは長く角度の付いたものです。使用方法が悪いと車体の傾きが極端に大きくなっています。
1960年生まれ、91年式R100GSパリダカール所有。1983年に福田モーター商会に入社して以来、BMWに携わり続けている。毎年100台以上のBMWの下取り査定や中古車販売に携わっていて経験豊富。
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