K100RS 2バルブ(1983-)
- 掲載日/2010年02月24日【年式別モデルカタログ】
- ※表記はメーカー発表の年です
K100RS(1983-)
BMW Motorradが未来を切り拓くために開発した
新シリーズK100RSの登場
1983年に市場投下されたK100RS 2valveは、BMW Motorradがボクサー・エンジンの限界を越える高性能モーターサイクルを開発するため、水冷4サイクルDOHC8バルブ水平直列縦置きクランク4気筒エンジンを搭載した最初のモデル。独特なエンジンレイアウトをはじめ、エンジン制御にエレクトロニクス技術と燃料噴射装置の導入、前後ディスク・ブレーキの装備、エンジン・ユニットをフレームの強度メンバーの一部として使用し、空力学を追及したフェアリングなど、高度な先進テクノロジーが多分に盛り込まれた未来のモーターサイクルとなっている。ハイスピードで高速道路をクルージングするため、ライダーの安全性と快適性、信頼性の高いボディ、常用域から高速域まで安定したハンドリングなど、それらの課題を高い水準でクリアし、さらに3,000回転以上全域で最大トルクの90%を発揮。単にハイパワーを求めるのではなく、低速域での扱い易さも実現している。K100RSと同時にフェアリングを持たないK100も登場。発売以降価格の変更が多く、1988年式では、量産市販モデルとして世界で初めてABSを装備するが、発売当初よりも価格が低く設定されている。「Kヒャク」エンジンは後に2バルブから4バルブへ、排気量も拡大されながら継承され、Rシリーズと並行してモデルラインナップを拡充していく。
価格・スペック
最新の車両情報に関してはメーカー公式サイトをご確認ください。
- 発売時価格(税抜き)
- 217万円180万円(ABS装備車両)
- 生産期間
- 1983~1989年
- エンジン形式
- 4ストローク水平直列4気筒
- バルブ
- 1気筒2バルブ
- 総排気量
- 987cc
- ボア×ストローク
- 67×70mm
- 最高出力
- 90ps / 8,000rpm
- 最大トルク
- 86Nm / 6,000rpm
- 圧縮比
- 10.2 : 1
- 冷却方式
- 水冷
- バルブ駆動
- DOHCカムチェーン駆動
- 気化器
- 電子制御式燃料噴射(LE-ジェトロニック)燃料カットオフ機能付
- クラッチ
- 機械式・乾式単板
- ミッション
- 5速
- ギアレシオ
- 4.50 / 2.96 / 2.30 / 1.88 / 1.61
- ファイナルレシオ
- 2.81 : 1
- 点火方式
- LE-ジェトロニック
- オルタネータ
- 460W
- バッテリー
- 12V-20Ah
- 全長×全幅×全高
- 2,220×800×1,271mm
- ホイールベース
- 1,516mm(空車時)
- シート高
- 800 / 760mm(空車時)
- 燃料タンク容量
- 22L
- 車両重量
- 249kg(満タン、走行可能状態)
- 最高速度
- 220km/h以上
- 燃料
- 無鉛プレミアムガソリン
- フレーム
- 高剛性軽量スチール製チューブ・フレームエンジンブロックをフレームの一部として使用
- フロントサスペンション
- テレスコピック・フォーク
- フロントホイールトラベル
- 185mm
- リアサスペンション
- BMWモノレバー(モノショック)シングルスイングアーム
- リアホイールトラベル
- 110mm
- 駆動方式
- シャフトドライブ
- フロントブレーキ
- ダブルディスク (285mm)2ピストンキャリパ
- リアブレーキ
- シングルディスク(285mm)2ピストンキャリパ
- ブレーキパッド
- 焼付メタルパッド
- ホイール
- H字断面Y字スポークアルミ製軽量アロイホイール
- フロントホイール
- 2.50-18
- リアホイール
- 2.75-17
- タイヤ
- チューブレス
- フロントタイヤ
- 100/90 V18
- リアタイヤ
- 130/90 V17
Kヒャク2バルブ
1983年に登場したBMW Motorradの新たなシリーズ『K』 に搭載される、水冷4サイクルDOHC2バルブ水平直列縦置き4気筒エンジン。この排気量987ccの新開発エンジン・ユニットは、水平対向2気筒エンジン同様、他のどのモーターサイクルとも類似しないユニークな構造となっており、まずクランクシャフトは前後方向に置かれ、水平に寝かされた直列する4つのシリンダーもまた前後に並ぶ。したがってライダーが跨った際左足側にシリンダヘッド、右足側にクランクケースが配置される。出力はヘリカル・プライマリー・ギアを介してクランクシャフトからダイレクトにアウトプットシャフトへ伝わり、乾式単板クラッチからギアボックスを伝ってドライブシャフトを回転させ、後輪へと伝達。論理的にパワーロスの無いダイレクトな出力伝達を実現するこの『BMWコンパクト・ドライブ・システム』は特許登録されており、BMW Motorradの優れたエンジン・ユニットとして、その後のKシリーズにも継承されることとなる。最高出力90hp/8,000rpm、最大トルク80Nm/6,000を発揮し、非常に広範囲に渡る性能曲線は低回転時から高いトルクを発揮しつつ、エンジンそのものの軽量化と車体におけるマスの集中化、低重心を実現。さらにメンテナンス面においても合理的な設計となっており、車体から取り外すことなくエンジン全てのメンテナンス作業が可能。ボクサー・エンジンの限界を越えるために開発されたこの新型エンジン・ユニットによって、Rシリーズと並行してKシリーズという新たな高性能モーターサイクルの創出に成功した。
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