フューエルポンプ周辺パーツの点検
- 掲載日/2011年05月26日【R1100/1150GS基礎メンテ】
- このコンテンツは BMW BIKES Vol.51 掲載の記事を再編集したものです。
文・写真/ BMW BIKES 構成 / VIRGIN BMW.com
R1100/1150GS 基礎メンテ【フューエルポンプ周辺パーツの点検】編
タンク内部ホースの点検
外に露出しているフューエルホースを交換していても、内部のホースが手付かずであることが多い。経年によってホースが疲弊し、締結力不足で圧力が抜けることがある。アイドリングは正常だが、高速走行や加速時に極端なパワー不足の場合、疑うべきところ。
フューエルフィルターの方向
取り付け方向(矢印)が指定されているので、交換の際に間違えないよう注意する。
タンク内の水分
フィルター(の入り口側)のガソリンを容器にあけてみると、少量の水が出てきた。これはタンク内に結露・侵入した水のごく一部で、大抵はタンクの最下部にけっこうな量が溜まっている。長期放置すると腐食の原因になるので、この機会にすべて排除(清潔なウエス等で吸い取る)する。いわゆるガソリンの水抜き剤は、単なるアルコール。水分と混ざるだけなので根本的な解決策にはならない。
フューエルフィルター交換の目安
製造年月日が印刷されているので交換の目安にはなる。交換サイクルは40,000km毎だが、気軽に交換できる部品ではないので、今回のようにホースを交換する機会があれば一緒に交換しておく。
年式によるフィルターの違い
写真の上が1100初期に使われていた旧型フィルター。下が新型。旧型は出口側に製造時のカシメがあり、古くなるとリークすることがあった。新型はカシメの位置が逆になり、溶着されている。現在の供給部品は新型に統一されている。
フューエルホース類の点検と交換
ホースは内径8mm×外径13mmの切り売り。4年以内にはすべてのホースを交換しておきたい。
専用のホース
この部分だけは専用部品である。これも交換。
ホースとバンドの選び方
GSに限らず、インジェクション式のフューエルホースには3bar前後の圧力がかかるので、高耐圧・耐油性でなくてはならない。バンドもしっかりと締め付けできるものを選択する。純正が一番。
ホース固定バンド
このタイプのホースバンドは、切断して外すので再使用できない。専用のカシメ工具でしっかりと締め付ける。
Oリングは新品に交換する
ユニットとタンク間のOリングは再使用しない。取り付け時は異物が噛みこまないように細心の注意を払う。以降の組み立ては逆の手順で。タンク取り付けボルトの締め付けトルクは21Nm。
クイックカプラーの点検
前述のクイックカプラー。これは初期導入のプラスチック製。相手側の金属製のロック爪がかかる溝にヒビが入ることがある。
カプラーのバージョンアップ
現在は金属製に変更されているので、随時交換している。なお、先端部分のOリングは脱着毎に交換し、再使用しない。
ホースバンドの位置
カプラー採用以前の年式では、ホースを車体側のパイプに差し込む。注意すべきはバンドの位置。パイプには抜け留めのポジションが二つあるので、その内側でバンドを締めること。ホースを差し込むと隠れて抜け留めは見えない。指先の感覚で取り付けるべき位置を判断する。
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