見るべきところはたくさんある 不具合が生じる前に要メンテ
- 掲載日/2011年01月28日【R259系ボクサー基礎メンテ】
- このコンテンツは BMW BIKES Vol.43 掲載の記事を再編集したものです。
文・写真/ BMW BIKES 構成 / VIRGIN BMW.com
R259系ボクサーの基礎メンテ【ブレーキ】編
ブレーキディスク本体。新品は5.0ミリ。使用限度は4.5ミリ。磨耗とともに、ガタが異常に大きくなっていないかチェックする。いずれにせよ長期的な消耗部品である。使用状況によるが、フロントよりリアの方が早く使用限界に達することが多い。
元々フローティングディスクなのであらかじめガタを作ってあるのだが、フローティングピンの磨耗で異常に大きくなっているものがある。ピンだけ交換できる。
ブレーキキャリパーはダストシールとオイルシール、ピストンがセットになったオーバーホールキットが設定されている。パッド交換時に無理矢理汚れたピストンを押し戻すとシールがねじれることがある。定期交換部品のひとつ。
ブレーキパッドは古くなると硬化してブレーキディスクを削ってしまう傾向がある。また裏板とパッドの間に錆が発生し、剥離することがある。使用限度まで余裕があっても、あまりに古いものは交換したほうがいい。
ブレーキラインはゴムホースのカシメ部分からフルードが漏れることがある。また車体にこすれて表面が磨耗していないかチェックする。ABS 付きは前後で5本もあるので、交換となればけっこう大きい出費だ。定期交換部品のひとつ。
ブレーキマスターシリンダーを見てみると、R1100 時代前期はシリンダー内にコーティングがされておらず、フルードに混入した水分のため腐蝕して漏れることが多々あった。これによる漏れはマスターシリンダー交換しかない。
カバーを外してゴムブーツをめくってやれば、漏れの有無を確認できる。
これは腐食が進んでピストンが動かなくなった例。
ABS ユニットは、もし仮に本体が故障すると、ユニット本体一式交換しか方法が無いのが痛いところだ。R1150 系のサーボアシスト付きを含め、故障しても普通のブレーキシステムとして作動する。
ブレーキフルード交換時、普通はそれぞれのキャリパーから抜く。ABS はユニットに2個のブリーダプラグが追加される。
インテグラル ABS のユニットにはブリーダプラグが6個あり、フルード交換は非常に手間のかかる作業である。
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