K75C(1985~90年)
- 掲載日/2009年10月04日【BMWマシンの歴史】
BMW史上唯一の3気筒エンジン「K75シリーズ」
軽快なハンドリングが魅力のK 75 C登場
市場に投下された順番と車輌の完成形からして、K75シリーズは、ただK100エンジンの4気筒から1気筒減らしただけという安直な見られ方をされがちだ。簡単な表現方法としては決して間違いではないが、だからと言って、そんなエンジン開発が簡単に出来るわけがない。実際には、K100とK75のエンジン開発は同時期に行われ、K100シリーズをリリースした時点で、すでにK75シリーズはほぼ完成していたのだ。
エンジンはまさしくK100の3/4スケール。ボアとストロークの変更は無く「1気筒減らす(もしくは足す)」という大胆不敵な発想と、そこに時間とコストを費やすメーカーの思い切り、それをやってのける技術力の高さなど、世界に名立たるモーターサイクル・メーカーとしてじつに見事なもの。また、同時開発によって最初から共通部品を意識するなど、コスト面でも非常に理に適ったものづくりを行っている。K75エンジンはK100エンジンと比較して、1気筒減らすことでマスの中心が15kg減となり、K75シリーズ最大の特徴である、軽快でコントローラブルなハンドリングを実現させていることから「先にK100ありき」ではなく、むしろ「K75を想定した4気筒エンジン」とさえ思えてくる。
K75シリーズのトップバッターとして登場したK 75 Cは、まさにK75シリーズの美点を最大限に引き出した究極の3気筒モデル(そもそも3気筒エンジンは後にも先にもこのK75シリーズだけだろう)。ハンドルマウントされたビキニカウルは外観からも軽快さをアピールしており、タイヤサイズは前後ともに18インチを装着。このサイズのペアリングはK100・K75シリーズ中、唯一であり、リアホイールを大きく、細いタイヤを設定することで、軽快さを強めるジオメトリーとなっている。加えてハンドルバーの高さ、幅ともに前傾を強いられることはなく、わりとアップライトな姿勢となり、総合的にシティユースでは非常に軽快なハンドリングと足回りを実感出来る。
- 生産年
- 1985~90年
- 生産台数
- 9,566台
- エンジン形式
- 水冷DOHC水平直列3気筒
- 排気量
- 740 cc
- ボア×ストローク
- 67 × 70mm
- 最高出力(馬力/rpm)
- 75/8,500
- 最高速度
- 200 km/h
- 変速
- 5段変速
- 全長
- 2,220 mm
- 全幅
- 900 mm
- 全高
- 1300 mm
- 車輌重量
- 227 kg
- フロントタイヤ
- 18インチ
- リアタイヤ
- 18インチ
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