R60/5(1969~73年)
- 掲載日/2008年10月07日【BMWマシンの歴史】
ボクサーの新スタンダード
R60/5
1968年に同時発表されたR75/5にフラッグシップとしての座を譲り、R60/5はボクサーエンジン搭載モデルの新スタンダードとして登場しました。R69Sの最高出力が42馬力であったのに対して、R60/5のそれは40馬力と僅かに抑え気味であったことからも、先代フラッグシップに対する配慮もうかがえます。
しかしR60/5は、メカニズム的には上位モデルと比較しても遜色ない進化を遂げていました。拡大したクランクケースの中に電装部品を格納し、シリンダーは鋳鉄からアルミへと変更。カムシャフトもクランク上から下に移設され、2分割式のプレーンメタルで支持したクランクシャフトも一体式となり、エンジン周りのメンテナンス性も大幅に向上していました。
また、油温を下げるためにオイルラインも改良されていたほか、BMWとしては初のサイドカー装着を想定しない車体設計や、12ボルト化された電装、セルモーターの標準装備など、基本設計や装備品に関しては前代未聞といえるほど進歩的な考え方を取り入れていたのです。R60/5は新時代のスタンダードとして相応しい実力を備えていたモデルだと言えるでしょう。
- 生産年
- 1969~73年
- 生産台数
- 22,721台
- エンジン形式
- 空冷OHV2気筒
- 排気量
- 599cc
- ボア×ストローク
- 73.5mm×70.6mm
- 最高出力(馬力/rpm)
- 40/6,400
- 最高速度
- 167km/h
- 変速
- 4段変速
- 全長
- 2,100mm
- 全幅
- 850mm
- 全高
- 1040mm
- 車輌重量
- 210kg
- フロントタイヤ
- 19インチ
- リアタイヤ
- 18インチ
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