BMW Motorrad F850GS/生まれ変わったミッドサイズアドベンチャー。機能と走破性はどこまで進化したのか?
- 掲載日/2019年02月08日【試乗インプレ】
- 取材協力/BMW Motorrad 文/櫻井伸樹 写真/真弓悟志
BMW F850GS(2018-) 詳細写真
試乗したのはF850GSのプレミアムライン。シート高860mmでライダーの伸長は168cm、体重72kg。片足の母指球しか接地しないが、車体が軽く感じるので不安感は少ない。逆にシート高が高いと膝の曲がりが少なくなるため、長距離移動は楽だ。
スクリーンはスポーティなショートタイプ。オフロードライディングでは、ハンドルの上に上体を被せるようにフロント荷重をかけるため、スクリーンが長いとヘルメットに干渉する。それを考慮した設計だ。ヘッドライトはLED式デイタイムライディングライトを標準装備する。
現行のラインナップの中でも唯一の21インチホイール。クロススポークでチューブレス化したのも進化のひとつ。テレスコピック式φ43mm倒立フォークとなり、ストローク量も230mmとオフロード走行を視野に入れた仕様だ。ブレーキはフローティングダブルディスク(φ305mm)、2ピストンフローティングキャリパーを採用。
シート下からエンジン上部に移った燃料タンクは15L(リザーブ容量約3.5L)。
やや硬めのシート。基本は860mmでプレミアムスタンダード(ローシート仕様)は815mm。鍵によりワンタッチで着脱可能。
最大の変更点であるエンジン。並列2気筒ながら90°にオフセットされたクランクピンと点火間隔270/450°のクランクシャフトを採用で、Vツインのような鼓動感を得て、まったく別物の印象になった。
試乗車はプレミアムラインのためダイナミックESAが装着されていた。これにより液晶パネルのセッティング画面からライディングスタイルや状況に合わせて、ダンピングやプリロードも設定可能。リアサスペンションのストロークは215mm。
リアもクロススポークのチューブレス17インチホイール。タイヤサイズは150/70 R17。標準仕様のタイヤはミシュランANAKEE3を履くが、ブロックタイヤを履けばさらなるオフロード性能を見せるだろう。
プレミアムラインにはセンタースタンドも標準装備。この他、ダイナミックESA、キーレスライド、クルーズコントロールなどスタンダードとプレミアムラインで細かく仕様がことなるので、詳細はディーラーにて。
すっきりとしたテール回り。ターンインジケーター(ウインカー)はLEDでオートオフ機構付き。
トップケースの装着を想定した形状のリアキャリア。このままでも充分に大きな荷物が積め、タンデムグリップとしても優秀なデザインだ。
発進と停止以外はクラッチを握る必要がないギア・シフト・アシスタント・プロを搭載。
プレミアムライン以上には6.5インチTFTカラーディスプレイを装備。昼夜問わずその見やすさに驚く。また左グリップのマルチコントローラーにより、車体の状況、モード設定などが可能で、さらにスマートフォンをBluetoothで車両と接続し、通話や音楽を再生できる「コネクティビティ」を操作することも可能。
ハンドル左にはマルチコントローラー、メニュー設定、ABS、トラクションコントロール設定、ホーン、クルーズコントロール、ライト系スイッチを設置。いずれも慣れればわかりやすい位置関係だ。
右側はキルスイッチ、モード変更、グリップヒータースイッチを配置。モードは全車標準の「レイン」、「ロード」に加え、プレミアムラインには、「ダイナミック」と「エンデューロ」、このF850GSのみ(F750GSには設定なし)「エンデューロ・プロ」モードが採用される。
ハンドルがわずかに前へオフセットされているため、フロントフォークがその分手前にある設計。これにより21インチのだるいハンドリングにシャープさを出している。
国内仕様にはすべてETC2.0を標準装備。鍵でシートを開けると、後部シート下に設置されている。ツーリングのときにリアシートに荷物を積んでしまうとカードを挿入できないので注意が必要。
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