BMW Motorrad F850GS/生まれ変わったミッドサイズアドベンチャー。機能と走破性はどこまで進化したのか?
- 掲載日/2019年02月08日【試乗インプレ】
- 取材協力/BMW Motorrad 文/櫻井伸樹 写真/真弓悟志
F850GS 特徴
やっと国内に導入されたF-GS これまでと何が違うのか
2017年秋に発表されたにもかかわらず、日本へ導入されたのは2018年11月と比較的最近のこと。さて、いよいよ国内でリリースされたこの新型F-GSはどうフルモデルチェンジしたのか。
試乗したのはF850GSのプレミアムライン。
まず新型で一番の目玉はエンジンだ。形式としてはこれまでと同じ水冷並列2気筒だが、従来は360度クランク(点火)を採用。しかし新型は270度クランク(点火)を搭載。従来型は振動をバランサーが打ち消す方式で、スムーズで軽快な吹け上がりと乾いた排気音を演出していた。しかし新型はアクセルを開けると「ドコドコ」とした鼓動感を発し、並列ながらVツインのようなキャラクターだ。
排気量は853ccで従来の798ccよりも55ccアップ。パワーはF800GSが85ps/7500rpmなのに対し、F850GSは95ps/8250rpmと10psもアップしている。トルクも83N・m/5750rpmから92N・m/6250rpmとこちらもパワフルだ。ちなみにエンジンは従来製がオーストリアのロータックス社製だったのに対し、今回からは中国のロンシン社製に変えるなど製造過程も大きく切り替えた。
デザイン的には一見、旧モデルであるF800GSに似ているが、エンジン、フレーム、燃料タンク位置、駆動系統、排気系統などすべてが生まれ変わっている。
車体の変化も大きい。従来型で特徴的だったシート下の燃料タンクは、通常のバイク同様エンジン上部に配置することで、サイドカバーの給油口を廃止。またドライブ、チェーン、ドリブンの駆動系をエンジン左側に変更。これによりサイレンサーは右側に配置するなど、駆動系と排気がすべて逆になった。フレームは従来のスチールパイプ式トラス状フレームからモノコック状のスチールブリッジフレームに変更。剛性バランスの最適化とともに、コストダウンにも寄与している。
そのうえでBMW Motorrad各機種で展開しているLEDヘッドライト、TFT液晶ディスプレイ、ダイナミックESA、各種ライディングモード、ETC、ABS、トラクションコントロールなど兄貴分たち同様に細部まで手が入れられぬかりない。
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