BMW Motorrad C650GT /ツーリングやタンデムライドを見据えたマキシスクーター
- 掲載日/2019年03月12日【試乗インプレ】
- 取材協力/BMW Motorrad 取材・写真・文/小松 男
C650GT 特徴
スタイリングこそ大きな違いは持たないものの
初期モデルと比べ格段に乗りやすくなっている
C650GTは2016年モデルで行われたモデルチェンジにおいて、駆動系を中心に変更が行われている。というのも初期モデルでは発進時のスロットルワークに対するCVTのクラッチミートタイミングにおいて若干ラグを感じられる場面があった。すぐに慣れる程度のものであったことと、実用粋において差しさわりは無かったのだが、スクーターユーザーの使用を考えるとメインステージとなるのは市街地であり、そこではストップアンドゴーが多く繰り返されるわけである。なので改善という意味を含め、駆動系のリファインに踏み切ったというわけだ。クラッチスプリングやウエイトローラーなどの変更が行われた駆動部とサスペンションもリセッティングされた結果、得られたのは従来モデルを凌ぐ安楽性とフィーリングだった。
それと合わせて付け加えておきたいのは安全面での向上だ。従来のABSに加えトラクションコントロールシステムであるASCが装備されたほか、車体の前後に取り付けた音波センサーによって周囲に他車が接近するのをセンシング、バックミラーのアーム部に備わるランプによってライダーに知らせるというサイドビューアシスタントが装備される。四輪車の業界では珍しくなくなった装備ではあるが、バイクではC650GTが先陣を切った格好となった。
現行のC650GTを実際に走らせてみると、以前初期モデルと、チェンジ後モデルに乗った時とまた違った印象を受けた。それは実用スピード域でのスロットルワークに対するエンジン回転のツキがよりモーターサイクルライクになったこと、ハンドリングを中心とした操安性のシャープさが増した上に、ちょっとした意地悪な入力をしてもしなやかに受け止めるようになったことだろう。これはまさしく円熟期に入ったと言えるような感触であり、もしかするとアナウンスこそないもののモデルチェンジ後も年単位の改良が行われているのかもしれないと思わせるものだ。
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