VIRGIN BMW | F650GSのホットバージョン「F650GSダカール」の魅力 GSナビ

F650GSのホットバージョン「F650GSダカール」の魅力

  • 掲載日/2008年08月05日【GSナビ】

F650GS Dakar

BMWバイクGSシリーズの画像

オフロードファンの期待に応えた
F650GS Dakarの登場

今回のGSナビでご紹介するのは2000年に発表されたF650GS Dakar。前回採り上げたF650GSのホットバージョンとして開発されたモデルだ。実は、ベースとなったF650GSが発表された段階でこのDakarの存在は見え隠れしており、熱心なオフロードファンはF650GS Dakarが登場するまで「ダカール待ち」を決め込んだほど。それほどこのモデルに対する期待は高かったのだ。

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このモデルのベースとなったF650GSは、先代F650ファンデューロのコンセプトを受け継ぎつつも大部分を新設計し、全くの別物と言える構成となっていた。それゆえ、ストックの状態でもオン・オフ性能は強化されていたのだが、それを超えるオフロード性能をもつDakarが登場するというのだから、ユーザーの期待が高まるのも無理はない。かくして、フラットツインのGSでは大きすぎると考えていた潜在的ユーザーも含め、広くオフロードライディングを楽しむライダーの注目を集めたF650GS Dakarは、華々しいデビューを飾ったのである。

今考えてみると、今日のBMWエンデューロ路線の走りがこのF650GS Dakarであったように思われる。改めてスペックに目を通しても、現在のHP2エンデューロやG650X challngeにも通じる、ある種の割り切りすら見える。オフロード性能に明確な照準を合わせて開発され、BMWエンデューロ路線の祖としての役割を担った重要なモデルだと言えるだろう。

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ラリーイメージを前面に押し出した外観と、より本格的な装備が与えられたF650GS Dakar。

ラリーイメージのデザインと
本格的な装備が特長

F650GS Dakarを見てみるとベースモデルの面影が色濃く残るものの、際立った違いがあることが分かる。

まず、最初に目を惹くのが外装に施されたF650GS Dakar専用のグラフィックだ。ダカールラリーのロゴをダイレクトに取り込み、ホットモデルとしての雰囲気を盛り上げることに成功している。一方、機能パーツとして注目なのが大型スクリーンだ。その色の濃さから透過性能は期待できないが、フロントマスクを引き締めつつ、大幅にウインドプロテクションを向上させている。そして、なんと言ってもF650GS Dakar最大の特長が大幅に強化された足回り。ストロークは前後210ミリを確保しており、フロントサスペンションにいたってはスタンダードの170ミリに対して40ミリもアップしているのだ。

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F650GS Dakarは、ダカールラリーのロゴを取り入れた大胆なグラフィックを採用。写真は初期モデル。

さらにフロントのホイールは本格的オフロード車の標準とも言える21インチを採用。これら足回りの変更によってダートの走破性が飛躍的に向上していることは言うまでもない。リアサスペンションもプリロードとダンパー調節が可能で、より積極的なオフロードライディングにも対応した装備としている。

その他、F650GS Dakarのキャラクターを語る上で見逃せないのが、標準装備のハイシートだ。基本的な形状はベースモデルと変わらないものの、シート高は当時のBMWとしては異例の870ミリ。このことからも、F650GS Dakarが明確にオフロードツーリングに軸足を置いたモデルであることが窺える。しかし、シート下に配置した燃料タンクなど、総合的な低重心設計により基本的な乗りやすさは確保され、ツーリング用のオプション装備なども充実していたこともあって、意外にもツーリングモデルとしての評価も上々だった。

ファンを魅了した
期待通りのオフロード性能

前評判が高かったF650GS Dakarだが、その走りは登場を待ち望んだファンの期待を決して裏切らなかった。跨った印象は、延長された足回りと高いシート高によってF650GSほどイージーではないものの、エッジが丸められたシート形状によって、オフロード走行に適したポジションを実現している割に足付き性は悪くはなかった。

また、大型化されたウインドスクリーンの効果は見た目以上で、ロングツーリングも想像以上に快適だったと言う。また、オフロード性能が強化されたとはいっても、サスペンションやブレーキのチューニングは競技モデルのようなシビアなものではなかった。ブレーキの食いつきは優しく、握り込むにつれて制動力が立ち上がるという性格。しかし、スプリングレートやダンパーのチューニングが煮詰められたサスペンションとあいまって、オンロードでも十分な運動性を速さを発揮した。

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充実した装備を与えられたF650GS Dakarは、実際に激しいオフロード走行に供されることも多かった。

一方、注目されたオフロードでのパフォーマンスもファンから高い評価を受けた。ライダーが右手でコントロールしやすいエンジン特性と動きの良い足回り、21インチフロントホイールなどによって、通常のダートはもちろん、水分を含んだ滑りやすい状況でも抜群の走破性を発揮。ボクサーエンジンを搭載したGSよりも格段に軽く、実質的には当時のラインナップ中最高のオフロード性能を与えられていた。

総合的に評価すれば、例えばオンロードでのコーナリング性能など、ベースモデルであるF650GSに劣る部分はあるものの、オフロード走行の割合が増えるにつれてこのF650GS Dakarの優位性が際立ってくることは間違いない。オンもオフもバランスよくこなすF650GSの特長を残しつつ、もう少し積極的なダート走行を楽しみたい、BMWでダートを走りたいと考えるライダーにとっては極めて画期的なモデルだったと言えよう。

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オフロード性能を強化したモデルでも、ツーリング用のオプションが充実していたのBMWらしいところ。

F650GSの特徴

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オフロード車らしい理想的ポジション

ハイシートからの眺め。オフロード走行を想定した理想的なポジションを実現していた。ナックルガードはツーリングにも役立つ装備。

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シンプルで見やすいメーターパネル

シンプルで優れた視認性を誇るメーターパネルは基本的にF650GSと共通。ハンドルブレースのバーパッドはF650GS Dakarらしい装備。

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2分割された独特のマフラー

左右に2分割されたマフラーはF650GSと同様。ただし、グラフィックや外装デザインとあいまって、より精悍な印象となっている。

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Dakar専用の大胆なグラフィック

ベースモデルのF650GSが比較的大人しいシックなデザインであるのに対して、F650GS Dakarの大胆なグラフィックデザインは目を惹く。

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熟成極まったシングルエンジン

エンジンは基本的にF6580GSと同一。熟成が重ねられ、極低速域からスムーズ。ビッグシングルらしからぬ性能を誇るエンジンだ。

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燃料タンクはシート下に配置

車体バランスに影響する燃料タンクはシート下に配置。これらの総合的な低重心設計により、Fシリーズの安定性は極めて高い。

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