ユーザーのための品質と性能を極限まで追求した、手曲げチタンエキゾースト『ワイバン』で知られるアールズ・ギア(r’s gear)。マフラー製造からはじまった同社だが、現在ではライディングの楽しさをより広げるアルミビレットパーツ『アクティブ・コンフォート』シリーズの製作を手がけており、じわじわと人気が高まっている。
アクティブ・コンフォートのコンセプトは “オートバイを意のままに操り、走りを快適にするためのパーツ” だ。
なかでも BMW 用アクティブ・コンフォートには、ローダウントルクロッド、サイドスタンドハイトブラケット、サイドスタンドアシストバー、ハンドルブラケット、ローダウンステップなどのアルミ削り出しパーツがある。この他にもワイバンブランドながら、コンフォートシートとチタンエキゾーストがラインナップされている。
これらのパーツはすべて、アールズ・ギア代表である樋渡 治さんが企画し、製品化したものだ。いや、それだけでは言葉足らずだ。樋渡さん自らが欲し、満足のいくモノを作り出したのである。
樋渡さんは BMW を所有する一介のライダーでもある。北海道から九州まで日本全国を駆け巡るツーリングライダーだ。なぜかと問うのはナンセンスだ。バイクが好きだからだ。走ることが好きだからだ。だからこそ年間2万 km 以上も走る。
そのツーリングで、樋渡さんが「このパーツがこうだったらもっと快適になるし、走ることがもっと楽しくなるのではないか」と感じたものをカタチにし、そしてテストのためにまた走る。構想は煮詰まり、製品になる。するとまた新たなアイデアが生まれ、カタチにする作業がはじまる。
「そういう樋渡さんの姿勢が、いいものを作るカギだと思うんですよ」
そう話すのは、R 1200 GS Adventure と K 1600 GTL を所有する橋本 進さんだ。どちらの BMW にもアールズ・ギアのアクティブ・コンフォートを装着している。元ワークスライダーの樋渡さんだからこそ持ち得るライディングセンスが求めたパーツの性能は格別だという。
「純正のシートはドイツ人には快適なのかもしれませんが、どうも日本人である僕の尻に合わなくて(笑)、すぐに疲れてしまうんです。そこで、いいシートはないかと知人に相談したら、アールズ・ギアを教えてもらったんです」
さっそく電話してみると樋渡さん本人につながり、シートの不満や改善してもらいたいポイントを説明した。アールズ・ギアのコンフォートシートはベースフォーマットこそあるものの、ウレタンの硬さや量などはオーナーの体型や走り方などを参照して誂える。
「僕もいろんなバイクに乗ってきましたが、バイクというのはエンジンやミッションだけじゃなく、シートにも慣らしが必要なんですよ。でもコンフォートシートは違ったんです。初めて乗った瞬間からしっくりと僕の体に馴染む。まるで別次元のフィット感で、一日に 1,000km 以上走ってもまったく疲れないんです」
橋本さんによると、コンフォートシートは座面が水平なため、とくにブレーキングで着座位置が前へズレることがなく、そのため理想的なライディングポジションをキープできるのだという。また、シート前部のエッジを落として、太ももとの干渉を抑えることで足つき性も向上する。
「実は僕、大変な痔主なんです。そのことを樋渡さんに伝えたら、真ん中は柔らかく、その周辺は硬く作ってくれて、これが実に具合がいいんです」
他人には話しにくい悩みだが、橋本さんと同じ悩みをこっそりと抱えているライダーは多いのでは? バイクで走るのは大好きだが、痔の痛みのせいでバイクに乗れない……そんな悩みを抱えていたら、アールズ・ギアに相談してみてはいかがだろうか。
「これまでに何台かの BMW を乗り継いできましたが、全部にアールズ・ギアのシートを着けてました。もうこれなしではバイクに乗れないくらいですよ、ほんとうに」
シートだけでなく、橋本さんはハンドルライザーやステップも装着している。
「乗り方にもよるんでしょうけど、ハンドルとステップ、そしてシートの位置関係がとてもリラックスできて、なおかつマシンホールドもコントールもしやすくなりますね。安心できるし、疲れないです。とくに K 1600 GTL のノーマルステップは大きくて、停止して足を出したときに当たるんです。でもこれに替えたらスッと足を出せるし、タンデムのときがとくに安心ですね。シフトチェンジもやりやすくなりました」
毎週のようにバイクを走らせ、ときに 1,000km を超える距離を走ってもなお疲れない。BMW の本来の性能とコンセプトをさらに引き上げている、と橋本さんは言う。
「マフラーもいいですよ。アイドリングは静かだから早朝の暖気も気兼ねなくできるし、長時間乗っていても音疲れしないです。でもスロットルを開ければしっかりとした低音が心地いいし、エンジンもスムーズに回りますね。とくに低~中回転域のトルクが太くなったから、1~3速がスムーズだし、ワインディングの登りでもシビアなギアチェンジが要らず、気持ちよく走れますよ」
パーツの取り付けについては、行きつけのディーラーであるモトラッド東京ベイにすべて任せている。担当メカニックは言う。
「アールズ・ギアのパーツは加工精度が高いから装着作業が簡単です。マフラーもビレットパーツも高品質で美しいから、オーナーさんの所有欲も満たしてくれます。ここまでのモノはなかなかないですね。なお、モトラッド東京ベイ(福田モーター商会)でもアールズ・ギア製品を販売しており、お取り付けやアドバイスもできますよ」
「今後、バイクを買い替えたときもアールズ・ギアのパーツは欠かせないですね。とくにシート。これがないと僕の BMW じゃない(笑)」
BMW のよさをさらに引き出し、伸ばす。それがアクティブ・コンフォートの真価であり、実力なのだ。元ワークスライダーが欲して作った、本物のカスタムチューニングをぜひ味わってほしい。
ここでは橋本さんの R 1200 GS Adventure と K 1600 GTL に装着されているアールズ・ギア製品を紹介しよう。もちろんこれがすべてではなく、アールズ・ギアにはここで紹介しているパーツの他に、ローダウントルクロッド、アンテナステー、サイドスタンドアシストバーなどが揃っている。
橋本さんの R 1200 GS Adventure は、アールズ・ギア製パーツが装着されている他はアルミケースを装備するのみで、それ以外はノーマルだ。
R 1200 GS Adventure 用ワイバンコンフォートシート。注文についてはセミオーダーとなり、ウレタンの硬さや表皮はユーザーの好みに仕立てることができる。価格については要問い合わせ。
素材はジュラルミンで、アルマイト加工や七宝焼きエンブレムも美しい R 1200 GS 用ラクポジ・ハンドルブラケット。タイプ1(31mm 後、17mm 上)とタイプ2(13mm 後、31mm 上)がある。3万3000円(税抜き)。
R 1200 GS Adventure 用スタンドハイトブラケット。サイドスタンド使用時の車体の傾きを抑えることができ、引き起こしが楽になる他、接地面積が増えるため、安定性も向上する。ノーマル比 10mm アップ。1万3500円(税抜き)。
R 1200 GS 用ワイバンフルエキゾーストチタンマフラーは、エンジン特性がスムーズかつパワフルになり、長距離走行も快適。サイレンサーはドラッグブルーとチタンから選べる。車検対応。24万8000円(税抜き)。
アールズ・ギア製チタンフルエキゾースト、コンフォートシート、ショートステップ、サイドスタンドハイトブラケットが装着されている、橋本さんのもう一台の愛車 K 1600 GTL。
橋本さんの体型や乗り方に合わせて誂えられており、一日 1,000km 以上のタンデムツーリングでも疲れ知らずだという K 1600 GTL 用ワイバンコンフォートシート。タンデム側も快適だという。
K 1600 GTL 用ラクポジ・ショートステップはノーマルより長さが 23mm 短く、足つき性が向上。幅(前後長)は 12mm 短く、シフトやブレーキペダルを操作しやすくなる。3万円(税抜き)。
R 1200 GS 用の 10mm アップに対して K 1600 GT/GTL 用スタンドハイトブラケットは9mm アップ。これも樋渡さんの実走行に基づいた適正値だ。ブラックアルマイト加工されたジュラルミン。1万3500円(税抜き)。
K 1600 GT/GTL 用ワイバンフルエキゾーストチタンマフラーは、サイレンサーを写真のチタンポリッシュ(36万円 税抜き)と、ブルーグラデーション(38万円 税抜き)から選べる。もちろん車検対応だ。