掲載日/2014年9月8日 文/T-Chopper
ビルダー富樫秀也率いるHide Motorcycle。有機的な曲線を基調とするポップなカスタムバイクは、数々のカスタムショーでアワードを受賞。過去製作されたMod Chopperを皮切りに、10年目を迎えたその匠の技術力は、世界へと広がっている。そう、日本屈指のカスタムビルダーのひとりである。
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R nineTプロジェクトでビルダーのひとりに選ばれた富樫。R nineTを前に、素材としての可能性を見出し、この経験を前向きに捉えたいと話した。そこにある氏の思惑とは一体。
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まず目を引くのはFRP製のフルカウルに包まれたレーシーなスタイルだ。ワイヤーを張りながら美しい曲線が描き出されたそれは、オールドレーサー風でいながら、近未来的なフォルムにも感じられる。また、BMWの顔ともなるフラットツインのヘッドカバーも、砂型によるソリッドなアルミ製とされ、マシン全体のデザインの中で強いアクセントを与える。このセンスとバランスの良さは、富樫ならではの感性と言えるだろう。
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それに組み合わされるアルミ製フューエルタンク、そして小振りなテールカウルも実にシンプルで、フルカウルのデザインを引き立ている。フューエルタンク下にはABSユニットやバッテリーも収められているが、限られた空間内での造形には苦労もあったという。しかし、実用性も忘れてはおらず、フューエルタンクやシートカウルはヒンジで簡単に上げ下げもできる。カスタムバイクでありながら整備性も考慮された、プロフェッショナルな手腕が振るわれているのである。
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初めてとなるBMWを前に、見事な一台を披露してくれた富樫だが、しかし、ただかっこいいバイクを造りたかったわけではない。
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カスタムの世界観と美。日本においてはまだまだバイクという乗り物が市民権を得ていない状況の中で、カスタムはそれ以上にアンダーグランドな存在であることは否めない。故に、この世界的なカスタムプロジェクトを機に、世の中の様々なカテゴリーのひとつとして地位が確立されることを切に願うという。
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富樫の志は高い。その想いはきっとこのマシンとともに世界へと飛躍するだろう。スピードに乗って、もっと速く、もっと遠くへと。
フレームはシート形状に合わせ、後部をカット。肝となるフューエルタンクからまず着手し、レーシーなフォルムにまとめ上げられた。ベースからして軽快なR nineTだが、軽快感と走りの良さという素性の良さを最大限引き出している。
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