BMW Motorrad GSトロフィージャパン 2013「インターナショナルGSトロフィー予選」編
- 掲載日/2013年06月28日【特集記事&最新情報】
- 取材協力/BMW Motorrad Japan 撮影/VIRGIN BMW.com × BMW BIKES 文/VIRGIN BMW.com 編集部
INTERNATIONAL GS TROPHY とは?
2年に一度、各国を代表するGS乗りたちでそのスキルを競い合う『INTERNATIONAL GS TROPHY』。“もっともタフなGS乗りを決める国別対抗戦”はこれまで2008年(チュニジア)、2010年(南アフリカ)、2012年(チリ)と三度開催され、そのいずれにも日本は代表選手3名を送り込んできている。今回は来年2014年に開催されるINTERNATIONAL GS TROPHY(開催国等は未定)の日本予選 一次ラウンドで、ここGS TROPHY JAPANで勝ち残った10名が最終選考会に挑み、勝ち抜けた3名に本大会への切符が手渡される。
世界大会でのプログラムの過酷さは日本の比ではなく、それゆえスキルチャレンジとは別格のハードなプログラムが用意されている一次ラウンド。GSを操る高い技術もさることながら、強靭な肉体と強いハートが求められる本予選、その模様をご覧いただきたい。

2年に一度、各国を代表するライダーが一同に集結してそのスキルを競い合う世界大会、それが INTERNATIONAL GS TROPHY。

INTERNATIONAL GS TROPHY 2014 日本予選一次ラウンド
過酷な本大会で上位に食い込むための
かつてないほどヘビーなコースを設計
このINTERNATIONAL GS TROPHYは2年に一度の開催なので、本来であればその予選も、今年ではなく来年のGS TROPHYでの実施が通常。しかし、昨年の同世界大会での日本代表の成績(15チーム中15位)を受け、インストラクターを務める三橋 淳さんから「よりレベルの高い代表選手を送り込む」ために、一年前倒しで予選を実施し、最終的に勝ち上がった3名をさらに強化してから本大会に挑むことになった。となると、強化する選手は相当にタフでなければならない――ということで、まだ一次ラウンドながら、過去に例を見ないほどのハードなプログラムが組まれた!

インストラクターの三橋 淳さんが全プログラムを設計。

アップダウンの激しいさかえ倶楽部スキー場に設けられた特設コースを自身のバイクで10周。

高低差が180メートルの山頂までランニング。山頂に記された合言葉を書き記して戻ってくる。

自身のバイクのフロントタイヤをまず外し、車検を受けた後、再度取り付ける(センタースタンド使用不可)。
フォトレポート

2日めの朝、前日の夜まで続いた雨はすっかりやんで快晴に!

メイン会場にて朝食のお時間。

すでに豪勢なモーニングがずらり!

ハンバーガーとサンドウィッチ、ミネストローネのスープ、サラダ、オレンジというメニュー。

朝食を終えると、チラホラを出発する人の姿が。ドロだらけの車体が、昨日の過酷さを物語っていますね。

INTERNATIONAL GS TROPHY の予選か、2日めのコマ図ツーリングか、それとも帰路につくのか……。いずれにしても、お気をつけて。

昨日の悪天候がウソのような快晴、そして笑顔。やはり天気の良い日に乗るバイクは快適ですね!

閉会式、そして記念の集合写真!

場所は変わって、スキルチャレンジの予選が行われたさかえ倶楽部スキー場。ここが INTERNATIONAL GS TROPHY の一次ラウンドの会場です。

選考会の受け付けが開始。皆笑顔ながら、やっぱり緊張している……?

徒歩でコースを下見する参加者。しかし、プログラムの発表はこれから。はたしてどんな内容なのか。

昨日のコマ図ツーリングやスキルチャレンジに挑んだGSたちが、昨日以上に困難な予選に挑戦します。

今回のプログラムを総指揮した三橋 淳さんより、プログラムの内容が発表されます。最初は掴みどころのない不安を抱いていた参加者も……。

内容が明らかになるにつれ、見る見る表情が変わっていきます。昨年以上のハードなプログラムに、皆さん険しい顔つきに。

プログラム解説が終わり、解散。想像以上の内容に戸惑いが隠せない様子。それでも、やるしかない!

センタースタンドを使わずにフロントタイヤを脱着させることを想定し、実際に自分のバイクを寝かせてシミュレーションする人も。

バイクを置いた場所から300メートルほど離れた丘の上がスタート地点。そう、ル・マン方式です。

三橋さんが旗を掲げます。3……2……1……。

スタート!

全員が一斉に自分のバイクへと駆け出します。基礎体力だって重要な査定ポイントなのです。

自分のバイクにたどり着いたら、エンジンをかけずに手押しでスタート地点まで。これも大変!

たどり着いた人からエンジンをかけ、坂を駆け上がっていきます。ヘルメットだって、きちんとアゴひもまで留めること!

よいしょおっ! このぐらい、GSならヘでもありません。

続々と坂を駆け下りてくるGSの群れ。まだ予選は始まったばかり。

まずはこの特設コースを10周するところから。ここの周回チェックポイントで、指定の用紙に記入してもらい、10周を目指します。

全員気合い十分! 迫力の駆動でさまざまなGSが駆け抜けていきます。

要所要所で声をかける仲間が。チームワークで勝ちあがれるか。

おっと、まだ一周めにもかかわらず、とあるポイントで渋滞が発生。何があったのでしょう。

それがここ、2メートルほどの急な傾斜を駆け下り、そしてすぐさま駆け上がるというポイント。

写真で見る以上に急な傾斜で、ほとんど“落ちる”感じなのです。

うまく着地できないとこのとおり。序盤、4~5台に一台ぐらいの割り合いで転倒していました。

さらにここから駆け上がるのが難しい。勢いをつけすぎるとバイクが反り上がってしまい、ライダーが放り出されてしまいます。

転倒・足つきはもちろんOKで、スタッフや仲間にも手助けしてもらえます。やはりここが一番の難所でした。

転倒者が続出したことから、狭い入り口で渋滞が発生してしまっていたのです。うかつに飛び込めば、倒れている人に突っ込んでしまいますからね。

一発で駆け上がったライダーには、ギャラリーから大きな歓声が。

順番など守る必要はありません、誰よりも早く次のプログラムにたどり着くことこそが目的。「(海外での)本大会を戦ううえで、こうしたズル賢さも必要」なのだと三橋さんは語ります。

駆け上がるルートの脇に、バイク一台が通れる細い溝を抜けるルートも。こちらには駆け上がるのとは違った難しさが潜んでいるのです。

一台、また一台と10周を走り終えて次のプログラムへと進んでいきます。でも慌てず、着実に走ることが一番大事なのです。

10周を走り終えたら、指定の場所にバイクを停めて次のプログラムへ。

ハードなコースを走り終えたばかりの体にムチ打ち、走り出す面々。目指すは、高低差が180メートルもあるという山頂。

この山頂にとある合言葉が記されており、それを指定の用紙に書き写して戻ってこなければなりません。もはやトライアスロンの域とも言える試練です。

トップで戻ってきたのは、ゼッケン#98のオガタさん。

その後を追うように、#23カツタさん、#99モリタさんが帰還。

指定の用紙に記した合言葉のチェックを終えたら、次なるプログラム「フロントタイヤの脱着」へ向かいます。

すでに作業を進めている人も。急げ!

センタースタンド使用不可という条件付きのため、ほとんどの人がこのようにバイクを寝かせてタイヤを取り外していました。

外したタイヤを車検ポイントに持ち込んでマーキングしてもらい……。

そして再び装着して、車検コーナーでチェックしてもらうという流れ。

決勝ラウンドに進める10枠に入るために、誰もが我先にと作業に取り掛かります。

ここで一番に抜けた人が。決勝ラウンドへ進出できるか?

ここで三橋さんからストップが。なんと、山頂でチェックした合言葉を指定の用紙に書いていなかったため、失格とされてしまったのです。実に無念ですが、ルールはルール。

その直後、カツタさんがタイヤ装着を追え、車検ポイントへ!

ゴール! 決勝ラウンドへの一番乗りをゲット、おめでとうございます!

続いてオガタさんもゴール! ちなみにここでの順位によって、決勝ラウンドでのスタートポジションに差が出てくるそうです。

残り8枠、まだ間に合うぞ! 頑張れ!

次々と最終チェックへ向かっていきます。

無事車検チェックを終え、ゴール! 三橋さんのフラッグを受けると、皆安堵の笑顔とガッツボーズが。

壮絶な戦いを勝ち抜いた10台のGS。

10名には、三橋さんから決勝ラウンド参加資格証が手渡されました。

決勝ラウンドに進出する10名が決まりました! はたして代表選手3名に選ばれるのはこのなかの誰なのか、期待に胸が膨らみます!