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バイクライフの醍醐味。MSPプロデュース『キャンプンライド 2010』潜入レポート
Photo / MSP , Zensuke TANAKA  Text / Zensuke TANAKA  取材協力 / MSP , outside BASE  掲載日 / 2010年9月17日

モーターサイクルを愉しむことはアウトドアライフを愉しむこと

「キャンプンライド」? 「 Camp and Ride 」…「キャンプとライド」…。最初にこの名称を聞いたときは何のことだかよくわかりませんでしたが、BMWライダートレーニング公認インストラクターの資格を持ち、プライベートでは山を駆けたりプールで泳いだりと、アスリートの一面も持つMSP代表の齋藤栄治さんを思い浮かべてピンときました。モーターサイクルを全身で繰り、風を感じて走ることはアウトドアスポーツのひとつであり、またアウトドアライフの一部なのだということを、きっと何らかのカタチで表現し、多くのライダーと共有したいのだろう、と。自分もその感覚に共感するいちバイク乗りとして、昨年5月の初開催から2回目を迎えた『 Camp’n Ride 2010 』に参加しました。その内容をご紹介しましょう。

 

 

ベースキャンプとなった 『outside BASE』 の夕暮れ。存分に走って適度に疲れた身体に森の空気が清々しい。

オンロードコースを選んだ人たちは嬬恋村から志賀高原へ、快走ルートを走りながら無線でライディングノウハウを教わります。

 

初日はオフロードコースをチョイス。トレーニングの舞台となった 『浅間火山レース跡地』 は浅間山がくっきり見える好天気。

 

Riding Contents

選べるコースはオンロードまたはオフロードライディングスキル向上は誰もが願うところ

2日間におよぶキャンプンライドは、基本的にオンロードもしくはオフロードのライダートレーニングをメインに構成されています。両日とも一方のトレーニングだけを受けてもいいし、1日目と2日目でコースを変えてもいい。また2日目にはトレーニングだけではなくアウトドアアクティビティも用意されているので、家に帰るときだけバイクに乗る、という選択もアリです。さらに、キャンプだけを目的としてトレーニングは受けず、ベースキャンプまでの往復はツーリングを愉しみ、ナイトパーティにだけ参加する、ということも可能なのです。

 

今回、自分はオフロードコースを選択し、会場の 『浅間火山レース跡地』 に向かいました。広大な敷地を一部利用して設定されたコースは、GS のような大型バイクを走らせるにはうってつけの場所です。トレーニングとは言ってもカリキュラムやタイムスケジュールなどはありません。外周ルートとスラロームエリアに分けられ、参加者は各々好きな場所を走ります。そして各所に立つ5名のインストラクター陣にいつでも疑問を投げかけ、ライディングノウハウを教わり、納得出来るまで走り込むことが出来る環境となっているのです。また希望者のみですが、木々の間を縫うように走る林間ルートの体験もありました。

 

一方オンロードコースは、嬬恋村を集合・出発地点として草津~志賀高原へと向かう快走ルート上で、出発前の座学と走行中の無線機を使ったツーリングトレーニングとなっています。ただ漫然と走るのではなく、注意すべきポイントに意識を置きながら走ることで、安全性と快適性がグンと増すということを体感します。

 

 

オンロードコースでは、先に座学で聞いたノウハウを走りながら実践します。先導の齋藤インストラクターによって走っている間も無線機から指示が入り、意識しながら走るというわけです。

座学ではそんなにムズカシイ話はしません。山田インストラクターからは、速く走るためではなく、走行中の不安(リスク)を低減し、安全に、快適に走ることを目的とした講義がなされます。

オフロードでのブレーキング、フロントブレーキの使い方だって、こういう環境であれば短時間で上達が望めるもの。松井インストラクターからノウハウを教わり、実践し、確認します。

 

絶好のツーリング日和! ただ走っているだけでも気持ちの良い環境で自己スキルの向上が望めるなんて、とても贅沢というものです。最後尾には松下インストラクターがついて、参加者の走りに注意を配ります。

荷重のかけ方、体重移動、重心の位置…それらによってオフロード走行で「怖い」と思うマイナス要素の解消の方法を、吉友インストラクターが丁寧に教えてくれます。基本は常に「笑顔」です。

 

オフロードコースの外周ルートは、対向車や障害物に気を奪われることなく、自分のライディングに集中出来る最適な場所です。

こちらでは三橋インストラクターが、ハンドルが振られても不安を減らす方法を伝授しています。どうしてそうなるのか? そうならないためにはどうしたらいいのか? 疑問を持つ本人に答えを導き出させます。

 

パイロンエリアでは極低速でのマシン操作をヘトヘトになるまで練習出来ます。常にインストラクターが見ていて、1人1人に的確なアドバイスを与えてくれます。

愛車で広大なオフロードエリアを駆け回る松本インストラクター。誰も見ていないところで転倒や負傷があってもすぐに発見、対処出来るよう神経を配ります。

Healing Contents

メインコンテンツはナイトパーティ!?自然の中で癒されるひととき

1泊2日のキャンプンライドでは、参加者もプロデュースする側のスタッフも、夜は全員キャンプです。モーターサイクルで自然を強く感じながら遠くへ走りに行く、その延長上にキャンピングという行為があるのは、ごく自然な流れだと思います。ホテルに泊まるのではなく、野外でのキャンプをより快適にすること、すなわち贅沢な時間を過ごすためのベースキャンプが、北軽井沢の隠れ家的キャンプ場 『 outside BASE 』なのです。

 

ここはアウトドアライフの達人「快適生活研究家」の田中ケンさんがプロデュースする快適アウトドアライフ空間で、自然環境に対して闇雲に手を加えるのではなく「ほどほどの干渉」によって、人がその中に身を置いた際に自然の持つ心地良さを感じることが出来るよう、整えられた空間なのです。その塩梅、自然との共存を見極める知識とセンスを有しているのがプロフェッショナルというもの。ここにはまるで異国のような雰囲気すら漂っています。

 

日中、思いっきりライディングに汗を流した後は、ここで同じバイク乗りと共に時間を過ごします。温泉に浸かり、軽井沢ビールで喉を潤し、田中ケンさんが作るアウトドアクッキングに胃袋は満たされ…。「キャンプなんてやったことない」「じつはやりたいけど…」というキャンプビギナーでも、一度はこの空間を体験するべきでしょう。最初から「最良のモノ・コト」を知ることは、実はとっても贅沢なことです。時間とコストを圧縮して濃密な時間を体験することで、人生が劇的に豊かになることだってあるのですから…。

 

 

高い木々に囲まれたキャンプ場に、オンロードコース、オフロードコース、キャンプコースの参加者全員が集まり、キャンプの準備に取り掛かります。

参加者の胃袋を満たす、田中ケンさんのアウトサイドクッキングの始まりです。

翌朝も気持ちの良いお天気で目が覚めました。清涼な空気は人の身体に活力を生み出します! これも快適空間の魅力のひとつ。

 

しっかり者の「子供店長」もアウトサイド・ディナーのお手伝い。スタッフ関係者かと思いきや、このキャンプ場の常連さんのお子さんだそうです。

朝から元気にお手伝いの働き者。2日目の朝食も田中ケンさんによるアウトサイドクッキングです。

 

シンプルで密度の高い味わいのお料理に皆満足。ビールが進みます。

アウトドアライフ快適空間への入り口。この環境に魅せられ、毎月のようにキャンプの予約を入れる都会からのリピーターも多数いらっしゃるとか。過ごすだけではなくアウトドアレクリエーションプログラムも用意されています。

 

ナイトパーティでは主催者であるMSPから、インストラクターやイベント関係者などトークショー形式で紹介がされます。しかし明るい夜空って、いいモンですね。

『outside BASE』 をプロデュースする田中ケンさん。端整な顔立ちとドイツ人譲りの立派な体格でファッションモデルとして活躍後、アウトドアライフに魅せられ様々な知識と経験を積み「快適生活研究家」として雑誌やテレビ、ラジオなど各メディアへ出演中。書籍の出版など精力的に活動を行っています(H-Dオーナー)。

Optional Contents

ライディングのみならず…というバランスが心地いい

2日目は追加コンテンツとして「フォトスクール」と「ロッククライミング」が用意されています。「フォトスクール」は文字通り写真撮影のスクールで、自前のデジタルカメラを使って、カメラ任せではなく雰囲気と奥行きのある写真を撮るためのノウハウを教わります。

 

インストラクターは国内外で活躍するモータースポーツフォトグラファー、自称「写真屋」の大谷耕一さん。『BMW BIKES』誌でもお馴染み、2輪雑誌業界では巨匠であり、4輪も含めモータースポーツレースの世界でもその名を知られたお方です。そんな大谷さんが直々に写真の撮り方を教えてくれるなんて…。旅先で見つけた風景や自分のバイクの写真を撮りたいと思ったとき、ここで教わったことを活かせば予想以上の絵を切り撮ることが出来て、きっと撮影そのものが面白いと感じることでしょう。

 

そしてもうひとつの追加コンテンツは、ここアウトサイドベースのアウトドアアクティビティになっている「ロッククライミング」です。以前、田中ケンさんがキャンプ場の隣にある山の上に巨大な岩を見つけ、自ら切り拓いた山の中へと足を踏み入れます。

 

キャンプ場の自然はどこを切り撮っても絵になる素材で溢れています。

 

ほぼ垂直の壁にあるわずかな凹凸に自分の指先と足先を食いつかせ、全身を使って登ることの難しさはチャレンジ精神を煽り、登り切った時の達成感はじつに爽快。そして次はもっと上手く登りたいと思う向上心は、そのままモータースポーツに置き換えることが出来ます。自然に対して身を向けるという意味では、モーターサイクルもアウトドアライフのひとつとして感じることが出来るんですね。

 

大谷さんもMSPのインストラクターとして、モータースポーツの愉しさをフォトグラファーの観点から伝えようと務めています。

急な斜面ですが、ご覧のとおり小さな女の子や女性でも登れます。

 

デジタル画像をノートPCで見せながら、何をどうすればこういう写真になるのか、イメージする写真を撮るにはどうすれば良いのか、解り易く説明してくれます。

専門知識と技術を持ったスタッフのおかげで未経験者でもトライ出来ます。壁にへばりついているのは自分も挑戦したいと言い出したケンさん。

 

今回は参加者全員の走行カットを撮影してくれた大谷カメラマン。巨匠にレンズを向けられ、撮られていると意識してしまったら誰だって緊張しますよね。

右のルートに挑戦しているのは「登れるコドモ店長」です。左は「超」難易度の高いルートで、ケンさん含めだれもこれ以上登ることは出来ませんでした…。

 

ロッククライミングのポイントは山の中を徒歩で20分ほど、標高にして200m弱のところにあります。先頭を行くのは田中ケンさんです。

難関ルートをもっとも高い位置まで進めたのはこちらの女性でした。ロープを握る方も思わず笑顔がこぼれます。

 

 

 

 

MSP プロデュース『Camp'n Ride 2010』潜入レポート

北軽井沢周辺で過ごす2日間参加者の心に残ったものとは…?

今年で2回目の開催となったキャンプンライドですが、そもそもこのイベントが一体どんな内容なのか、はっきりとは分からないまま参加された方も多かったようです。それもそのはず、モーターサイクルを軸としたアウトドアライフをトータルで愉しんでもらおうと企画された内容は前例に乏しく、これまでのようなモーターサイクルイベントという感覚では理解しにくい部分もあります。

 

しかしアウトサイドベースに集まった参加者たちを見ていると、とてもリラックスし、充足感に満ちた表情が伺えます。参加費用に見合った、もしくはそれ以上の贅沢な内容であることを実感していたのではないでしょうか。実際に参加された方々に、キャンプンライドの感想を聞いてみましょう。

 

参加者の声

新田正直さん(静岡県) F800GS

 

新田正直さん(静岡県)
F800GS

【CONTENTS】

DAY-1■オフロードコース⇒ナイトパーティ&キャンプ

DAY-2■フォトスクール

●盛り沢山な内容に心も体もリフレッシュ!

よく分からなくなるほど豊富なコンテンツの中から、私が選択したのはオフロードコースです。会場となったのは 1957年に開催された浅間火山レースコースの一部を使用した「浅間火山レース跡地」。バイクレースの黎明期を迎えたその地で、経験豊富なインストラクター陣に教わるオフロードトレーニングなんて、そうそうありませんよね。

 

抜けるような青空と壮大な浅間山の雄姿が愉しい時間を予感させるものの、車重200キロ以上もある F800GS をオフで操れるのか? と、不安と共にかなりの疑問を感じていました。今回のインストラクターは、三橋淳さん、松井勉さん、松本充治さん、吉友寿夫さんの4名と、サポート役のイノウさんという5名体制(インストラクター陣のプロフィールはコチラ)。MSPのインストラクターはその道のプロばかり。全員が世界のラリーやエンデューロレースに参戦しているツワモノです。はっきり言って、そんな冒険家のような人たちが教えてくれるトレーニングはハードルが高くないかな?と思っていましたが、蓋を開けてみればそんなことはありませんでした。

 

自己紹介と簡単なブリーフィングを済ませ、まずは距離2キロ弱の外周ルートを先導付きで走ります。ゆっくりペースですが、やはり転びそうな感じがして少し怖い…。こんな状況で今日1日ガンガン走り回るのかな? と思っていましたが、全然そんなことありませんでした。今回のスクールのスタイルは、基本フリーな状況でいつでもインストラクターの指導を受けられるというものです。例えば、ブレーキに関することは松井さん、スラロームは吉友さん、外周コースでは松本さんとイノウさん、外周コースから戻ると三橋さんが、最終コーナーの進入などアドバイスをしてくれます。

 

松井さんと吉友さんから目線、スタンディング、リア荷重などを指導いただき、外周ルートへ再スタートすると、どうでしょう? さっきまでのへっぴり腰ライディングとは打って変わってバランス良く乗れます。F800GS が軽く感じられて、アクセルも開けられるではありませんか! 信じられませんが、一生のうちでこれ程までに不整地を愉しく乗れたことはありません。おそらく F800GS のトータルバランスが優れていることに加え、私のライディング時の姿勢やリアへの荷重の掛け方などのバランスがマッチしてきたのだと感じました。

 

アドベンチャーに乗っている参加者も、午後には肩の力が抜けて軽々とライディングしているように見え、それぞれのスキルは確実に上がっていると、見た目でも感じられるほどでした。

 

●アウトドアを満喫!

雄大な浅間火山レース跡地をヘトヘトになるまで走った余韻を残しつつキャンプ場に入ります。酸素が心なしか濃く感じられる森林浴の後は温泉浴です。キャンプ場に併設されている温泉露天風呂の中ではオンロードコース参加者さんとも一緒になりました。「オンロードで見かけなかったので、もしかしたらオフロードに参加ですか? そちらはどうでした?」「いや~今日はとっても乗れていて、あんなことやこんなことを教わり…ところでオンロードは?」「無線をつけて走るのですがインストラクターの山田純さんがず~と喋ってくれるんです。次のコーナーへのアプローチとか注意点とか景色の説明まで! いやー楽しかったな~!」そんな会話が自然と交わされました。

 

自然との調和が整っているアウトサイドベースで飲むビールは格別の美味さがあります。ホテルや旅館ではこの解放感は絶対に味わえません。またキャンプの達人田中ケンさんの料理が美味い! 何とも言えないソースがかかったチキンも絶妙!軽井沢ビールと共に夜は更けていきました。

 

松井インストラクター「ブレーキングでは肩の力を抜いてください。体に変な力が入るとバランスはとりにくくなります」松井さんのリラックスした姿勢に対し、話を聞いているだけなのに肩の力が入っている私の後姿。

吉友インストラクター「スラロームでは最後まで気を抜かないで、次のパイロンへ目線をしっかりと向けて…」せっかくなのであれやこれやと質問しちゃいます。

参加者もインストラクター陣もすっかりリラックスムード。そんななか一番元気なのは山田純さん? さすが重鎮。

2日目は、以前から一度参加してみたかったフォトスクールをチョイス。

[Before] カメラ任せに撮っている、いつもの私のショットです。

 

以前R1200GSで山田純インストラクターのスクールに参加した効果と今回の効果がプラスされ、何の不安もなく乗れています。スクールは奥が深い!

ナント! 自分の走りを大谷カメラマンに撮ってもらいました! プロカメラマンにライディングを撮影してもらえるなんて…贅沢だけど、至福の喜び。

私のバイクのメンテナンス基地「フラット」の“名物番頭”市川さんの後姿を発見! フラットのみんなも居たので一緒にこの空間を愉しむことに。

座学の後は撮影タイム。今日のテーマは自然の中の草木を撮る。

[After] 3要素のバランスを大谷講師に教わった後のショット。その差歴然! もう少し下のアングルから狙って、花の後ろに建物を入れた方が良い、と指導頂いたのですが、全身筋肉痛でこれ以上かがむのはチョット…。

●走るだけじゃない楽しさ

翌朝、森の中の夜明けは気持ちいい!っでも体が痛い…。慣れないオフロード走行で全身の筋肉が悲鳴をあげています。そんな私の2日目のコンテンツは「フォトスクール」です。講師は大谷耕一さん。2輪4輪のカタログ撮影から様々な雑誌出版社が依頼する、この世界ではとても名の通ったプロカメラマンです。 まずは座学から。絞り、シャッタースピード、感度(明るさ)の3要素で露出が決まるということを、カメラに関する知識はゼロの私にも懇切丁寧に、細かく教えてくれます。

 

座学の後は「さ、せっかくこのような良い所に来ているんですから、今日は草花でも撮影してみましょう。では、この花を撮ってみてください。」自分なりに撮影したものを大谷さんに見せると「どれどれ? 新田さんのデジカメは、ここが絞りでこれが距離、明るさはこのボタンで操作して、シャッタースピードは自動で決まるから絞りは4.5で距離30cm、明るさは自分の好みで撮ってみて。」アドバイスを受けた後の写真はその差歴然! もうビックリです。

 

●MSPのキャンプンライドとは…

バイクもカメラも、バランスとゆとりの大切さを教えていただきました。率直な感想は「盛り沢山な内容に心も体もリフレッシュ」これに尽きます。新たな参加者にとっては今のスタイルが最適だと感じました。一部の参加者の方も同意見でしたが、自身のスキルをMSP独自の階級制で表してもらうのも良いのではないかと思いました。試験をするのではなく、参加者のライディングを講師がそれぞれ評価し、修了証や修了カードなどを受け取れば、次のステップに向けた自身の目標が設定できるので、リピートの必要性を感じられるかもしれません。基本はライディングスクールですが、バイクに乗ることだけを主体とせず、ロッククライミングやフォトスクールを取り入れるところなど、アウトドアライフを「限られた時間内でゆとりを感じて有意義に使う」ための、とても贅沢なイベントでした。

参加者の声

出口春来さん、誠司さん(東京都) R1200GS (2010)

 

出口春来さん、誠司さん(東京都)
R1200GS (2010)

【CONTENTS】

DAY-1■オンロードコース⇒ナイトパーティ&キャンプ

DAY-2■オンロードコース

●参加のきっかけ

この GS は2010年7月末に納車したばかりです。こんなに楽しいバイクを買ったからには、早速何かのイベントに参加したかったので、モトラッド京葉の小川さんからこのイベントをご紹介頂いたとき、即申し込みを決めました! それにインストラクターの顔ぶれがものすごく豪華で、キャンプ場も素敵だったので!

 

GS を買うまでロングツーリングには行ったことがなかったのですが、今は楽しくて仕方ない感じです。

 

●ためになったこと

トレーニングでは、せっかく山田先生・齋藤先生が無線でためになるアドバイスを話してくれているのに、後ろに乗っている人(ダンナ)が私のライディングにケチを付けてくるので、かなりイッパイイッパイでした。でも1日目終了後、ちっとも向上しない私のために、松下先生がマンツーマンでレッスンをしてくださり、途中、恐れ多くもオマケ指定席(タンデムシート)に座って頂いた上、ブレーキの使い方を楽しく・解りやすく・優しく教えてくださったのが一番ためになりました。

 

もっとも、次の日に同じことをしようと思ったら、後ろの人が違うせいか全く出来なくなっちゃいましたが…。でも、バイクに乗るだけでなく、操る楽しさが初めてわかった気がします!

 

●愉しかったこと

夜のパーティも最高でした! もともとアウトドア好きですが、『outside BASE』最高ですね! ケンさんの料理もお酒も最高! 今までほとんど無かった他のライダーとの交流が出来たのも嬉しい! ちなみに次の日の朝、キャンプ場の慣れない土や砂利の上でバイクを操り切れず、絶叫する私を親切なライダーの皆様が多数補助してくださり、これにも大感謝!! ビーマー最高!!

 

●今後に期待したいこと

 

自分のような「超」低スキルの女性ライダーが増えてくれると安心感が…でも、他の人にとっては迷惑千万ですね…。来年も絶対参加させて頂きたいです。キャンプ場はまた『outside BASE』がいいなぁ。

 

●タンデムシートからのコメント(出口誠司さん)

もともと家内のスキルアップが目的で参加しましたが、純粋にツーリングキャンプとしても、上質で愉しめました。国内トップインストラクターの方からご教示頂くライディングテクニックはわかり易く、即効性があり、その日から役立つことばかりでした。毎年の吉例として頂きまして、是非継続参加していきたいです! すでにとても完成された良いイベントと思います。あとは参加者の方々やインストラクターの皆さんとの積極的な懇親が出来れば、より楽しいかと思います。

 

目に見えて家内の運転が安定してきました! 是非来年も参加したいですね。そのときはもちろん2台で!

参加者の声

高橋昭伸さん、久美子さん(千葉県) K1200GT (2003)

 

高橋昭伸さん、久美子さん(千葉県)
K1200GT (2003)

【CONTENTS】

DAY-1■オンロードコース⇒ナイトパーティ&キャンプ

DAY-2■オンロードコース

●ためになったこと

ライディングスクールは、一言で言うと目からうろこが落ちる思いでした。山田純さんや齋藤さんからのライディングテクニックのアドバイスは「模範~解説~実践」をライブで体験し、その効果を体感しました。自分で言うのもなんですが…かなりスキルアップしました。安定して安全に曲がれるようになりました! バイク暦30年になりますが、間違った乗り方をし続けていた事を痛感しました…。そしてもっともっと走りたくなりました。

 

●愉しかったこと

何しろライディングスクールが勉強になりました。他にもフォトスクールやロッククライミングもすご~く!やりたかったけれど、イベントの時間帯が重なっていたので「泣く泣く」諦めました。次回は是非参加したいと思います。

 

会場にはモータースポーツ関係の方が沢山参加されていて、ナイトパーティの和気藹々な雰囲気や、宴もたけなわのグタグタ状態(笑)も含め、すごく良い雰囲気で、MSPプロデュースの素晴らしさを垣間見ました。また色々なイベントを絡めたツーリングを企画してください。おいしい料理と酒は必須です!

 

●タンデムシートからのコメント(高橋久美子さん)

とにかく充実の2日間でした。スキルアップツーリング! タンデムシートからも、スムーズで安定した走行になったことを感じましたし、私にも無線を貸してもらえたので、私自身もかなり勉強になりました。実はつい最近、大型二輪免許を取得し、バイク(もちろんBMWです)も決め、これからしばらくは特訓の週末ですが、イメージだけはしっかりで出来ていますので、イメージどおりに出来るよう頑張りたいです。

 

キャンプ場の環境も良く、ケンさんのおもてなし料理も最高! ナイトパーティは楽しかったです。来年も絶対に参加します!

 

あとがき

 

期待も不安も大きなイベント
だからこそ続ける価値がある

ライディングスクール? キャンプ? ツーリング? オフロード走行会? 一般的にバイクのイベントと言えばいずれかに属すものだけど、キャンプンライドは全てを含んでいる。さらにフォトスクールやロッククライミングなんてバイクとは直接関係の無いメニューまである。レストランでも選べるメニューが多ければオーダーに迷いが生じるというもの。だからこそ自分が一体何を欲しているのか、明確でなければ動けない。MSP は参加者にもアクティブな精神を求めている。当事者は受身ではなく自ら動きたいという積極的な気持ちで、本当の意味で参加することが必要なのだ。このイベントに参加してそれを感じた。

 

お金を払えばそれ相応のもてなしがある。それもひとつの贅沢だけど、バイク乗りは自分でマシンを操り、そのリスクを知り、愉しみを享受できるアンテナを持っている。だからどれだけ至れり尽くせりのサービスにお金を払ったとしても満足出来ない生き物だ。「他には無いものを与えましょう。存分にモータースポーツとアウトドアライフを愉しめる環境をご用意しましょう。それを求めるか否かはアナタ次第です…」キャンプンライドはそういうイベントなんだろう、と思う。モータースポーツ界とアウトドアライフのプロフェッショナル陣を揃え、得たい知りたい向上したいという欲望にほぼ完璧に応えてくれる環境は非常に価値のあるものだ。

 

とは言うものの、参加者が居なければイベントは成り立たない。2回目の開催となる今回は前回と内容も異なり、ユーザーに対するアピールも控えめだったので余計わかりづらい部分があった(次回も何かしら変化があるだろう)。いち参加者の立場で言えば、認知度が上がってワンサカとライダーが集まるイベントになる前に参加してよかった(笑)。実は2日目に選択した「ロッククライミング」は人生初挑戦で、以前から興味はあったもののなかなか手が出せなかった。まさか MSP がこんな機会もプロデュースしてくれるとは、個人的にはとてもラッキーだった。

 

決して安くはない参加費も、内容を知れば不満なんて残らないはず。モーターサイクルをアウトドアライフの一環と捉えるのであれば、ある程度参加者を突き放す側面も出てくるだろう。自然を相手に人間の価値観は通用しないのだから、当然と言えば当然の話。しかしお客さんも大事…そのさじ加減が、今後の課題かもしれない。

 

さて、来年はどうなることやら? 期待と不安がまぜこぜの状態だが、次回も是非参加したい、そう思えるイベントだった。(ゼン)