今年で第6回目を数えるBMW Motorrad Japan主催の『Bikermeeting 2009』は、毎年8月、第1土日に開催され、2004年、北海道での第1回開催以降、長野県の白馬村に会場を移し、多くのライダーが訪れる恒例のビッグイベントへと成長している。
そもそも『Bikermeeting』とは、ドイツのガルミッシュ・パルテンキルフェン(Garmisch-Partenkirchen:通称GAPA)で開催され続けている『BMW Motorrad Days』というメーカー・イベントに倣ったもの。欧州は国境が陸続きということもあり、世界各国のBMWユーザーがその日(期間)のために、それこそ長い道のりを走り、やって来る。国境や人種、文化や言葉も異なるライダーが、BMWに乗っているという共通項のみで、ひとつに繋がることが出来る壮大なイベントなのだ。毎年多くのアトラクション、デモンストレーション、サードパーティの出店などがあり、まさにお祭り騒ぎ。もちろん他メーカーのライダーも参加可能。
その愉しみを日本のライダーにも味わってもらいたい、という想いで『Bikermeeting』を立ち上げ、『GSチャレンジ』同様他メーカーもウェルカムというスタンスは、国境を跨いで走破するBMWのイメージにぴったりだ。ライダーが自分にとって最も良いものを選ぶ、それが結果としてBMWに行き着くものなのだ、ということを知っているのだろう。 |
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| どこを見ても ここへ来ると何かしらワクワクすることがある。メーカー主催なので当然BMWにまつわるイベントが目白押しなのだが、全体的に言えるのは「BMWの愉しさをもっと知ってもらいたい」ということだろう。したがってBMWユーザーはもちろんのこと、他メーカーのユーザーも新鮮な目線で見て、感じることが出来る。それ以上でも以下でもない、決して押し付けることの無いスタンスが、訪れるライダーをやんわりと包み込んでいるのだ。
広い会場にはディーラーや協賛社の展示ブースと屋台が並ぶエリア、場内ショートコースではパレードランの観覧と、発売前のニューモデル試乗が出来るエリアもある。また専用駐車場には新旧BMWや他メーカーのバイクがギッシリと並んでいて、さまざまなスタイルのバイクを見ていると、時間が経つのを忘れてしまうほど。
ほかにも『Explore Japan フォトコンテスト』の作品展示、『G 450 Xデモンストレーション』、白馬村の『歓迎太鼓』、夜には花火が打ち上げられるなどなど、“魅せる”内容盛りだくさんで、かなり広く門戸を開けられた印象だ。 |
| 気軽に参加できる せっかく来たからには参加してナンボ。このBikermeetingでしか体験できない目玉イベントとしては、やはり『ヒルクライムコンテスト』だろう。当日受付を行い、先着20名、自前のGSで挑戦することが条件だ。登頂までのタイムを競う単純なもので、上位3名には賞品が授与される。今年は雨の影響でゲレンデの状態が厳しく、重量級モデルで登りきったのはたった1台という過酷さ。かなりのライディングスキルを要求されるものだった。対して食欲さえあれば参加オーケーという『信州そば早食いコンテスト』もある。いずれも観客を沸かせ、チャレンジする方も観ている方も、みんなが参加出来るものだ。
毎年大盛況の試乗会では、その場申込で予約さえ取れれば、特別な条件も無く気軽に参加可能。GSに関してはゲレンデ脇の林道が試乗ルートになっているので、実際にダートの感触を確かめることが出来る。
Bikermeetingに来れば、いろんなイベントに気軽に参加・体験出来るのだ。 |
| 自分のペースで ライダーの趣味指向はさまざまで、これがイイ!とは一概には言えないし、通用しないもの。ライダー向けのイベントを開催するに当たって、成功のカギはそれを理解しているかいないか、まずはそこだろう。誰もが訪れたときに自分の感覚で愉しめる環境があること、それがとても大事なのだ。その点において、BMWというメーカーはライダーの気持ちイイところをわかっている。参加車輌をBMWに限定しないスタンス、観ても参加しても一緒に愉しめるアトラクション、自由に見たり触ったり出来る展示車輌、空腹を満たす食事、バイクの傍らでテントを設営出来るキャンプサイト、安全にダートを走ることが出来る環境…などなど、ワンメーカー主催イベントでありながら、その内容はメーカー関係なく、あらゆるライダーに共感を得られるものになっているのだ。
ワンメーカー主催でありながら、ニュートラルなスタンスで毎年いろんなライダーが白馬へやって来る。そして各々が自分のペースでノンビリと過ごして帰る。そんな贅沢な週末を提供しているのが、このBikermeetingなのだ。 |