#13 高田速人流サーキット走行会~その2~
- 掲載日/2011年09月20日【S1000RRの楽しみ方】
- 文・写真/淺倉 恵介
このコラムでもお報せしていた、高田さんのショップ 『8810R』 主催のサーキット走行会が、さる9月7日エビスサーキット東コースにて開催されました。今回は前回に予告していた、8耐のストーリーを一度お休みして、特別編として 8810R 走行会の様子をお伝えします。
今年2回目となる
8810R 走行会は大盛況
9月に入っても、まだまだ暑さが続いています。とはいえ、朝晩はめっきり涼しくなりましたし、日中でも日陰にさえ入ればすごしやすく感じます。これから秋にかけては、一番バイクが楽しい季節ですね。皆さん、安全にバイクを楽しみましょう。僕も S1000RR で、いろいろな場所に出かけるつもりです。
先日、今年2回目となる僕のショップ 8810R 主催のサーキット走行会を開催しました。会場は 第1回目 と同じ エビスサーキット の東コースです。前回は東日本大震災の影響もあり、参加人数が少々寂しかったのですが、今回は40台を超えるバイクが集まってくれました。参加していただいた皆さん、本当にありがとうございました。
8810R の走行会では、希望者の方を僕が後ろに乗せて走るタンデムでのサーキット走行を行っています。今回はタンデム走行用のバイクに S1000RR を使ったのですが、そのおかげでしょうか? いつになくタンデム希望の方が多く、走行時間中は休むヒマがありませんでした。また、何人かの方は S1000RR のサーキット試乗も体験されました。皆さん、S1000RR に興味津々のようですね。
今回、走行会に参加された方の中には「バージンBMWを見て…」という方が 10人近くもいらっしゃいました。このコラムが、皆さんがモータースポーツを楽しむきっかけになれたのなら、これほど嬉しいことはありません。来月もエビスサーキットで走行会を開催予定です。8810R の走行会は、規模は小さいのですが、そのぶん参加者の皆さんへのフォローには気を配っているつもりです。特に、サーキット初心者の方に向けたメニューも用意していますので、サーキットビギナーの方は大歓迎です。サーキットに興味があっても、なかなか踏み切れない方、是非一度 8810R 走行会に参加してみてください。
S1000RR を体感した
ユーザーさんの生の声
今回の走行会では、何人かの参加者に S1000RR を試乗してもらった。S1000RR に乗るのは初めてという皆さんの、生のインプレッションをお届けする。
国際A級ライダーの走りを体験できるなんて!?
「とても貴重で “儚い” 時間でした」 by VIRGIN BMW.com 編集部 ゼン
以前から体験したかったものの「オレ編集だからなぁ…」と遠慮していたサーキットタンデム走行。今回は周囲の “温かい” 声に担ぎ上げられ、ついにその機会に恵まれました。
自分自身バイクに乗りなれているから、過激な加速でも驚きはしません。タンデムバッグ(ライダーとパッセンジャーをつなぐ安全バッグ)のおかげで後ろに振り落とされる心配もないとわかっています。ところが前半ひたすら下っていくエビスサーキットで、シフトアップ&アクセルオープンの信じられない突っ込みに、これまで体感したことのない猛烈な減速Gを体感…これでヤラれました。
誰か知っていたら教えて欲しい。S1000RR のタンデムシートで、どうすれば自分の身体を支えられるのか? コーナー進入で身体が浮いて前方へ飛び出しそうになり、タンクに手をついてなんとか耐えている最中、ライダー(高田さん)の背中は右へ左へ、気持ち良さそうにガリガリとヒザを擦っています。こっちはそのヒザの向こう側へ放り出されそうになるのをさらに踏ん張って堪え、その間、自分の身体はシートから離れたまま。旋回中はなるべくライダーの動きを妨げないよう元の位置に戻ろうと試みますが、あたふたしている間に1ラップで全身の筋肉がバッキバキにイッちゃいました。もう何も出来ませーん。
タンデムシートから国際A級ライダー、鈴鹿8耐ライダーの走りを勉強させてもらおうと思っていましたが、はっきり言ってそんな余裕ナシ! 走行前に「何周走りますか?」と聞かれて、撮影のために「スイマセンが3周でお願いします」と言ったときの高田さんの鋭い目つきは「そんなに耐えられると思っているのかい? ナメたこと言うと痛い目に遭いますよ」という意味だったのでしょう。
とにかく必死だった3ラップ。筋肉痛が治まるまで3日を要しました。一般ライダーにとっては “異次元の走り” です。これまでのバイクライフのなかで非常に貴重な体験であったと同時に、まったく得られるものが無かった、否、得ることが出来なかった時間(とき)…。この現象を “失われた3ラップ” と呼ばせていただきましょう。
ただひとつ、間違いなく感じることができたのは、マシンとライダーに一切不安を覚えなかった、ということ。車体は常に安定しているし、コーナー立ち上がりでタイヤがグリップを失いそうになっても即座に DTC が機能する。減速時に思わず高田さんの背中へ全身を委ねてしまったときも、その背中はまるで岩のごとく微動だにしない…。走行後、高田さんに「ゼンさん体重軽いから、1人で走っているときとまったく変わりませんでしたよー」なんて飄々と言われましたが、62kg の肉の塊が時速百数十キロ以上から減速したときのGって、重さにしたらいったいどれくらいなんでしょう?
高田さんはその名が表すとおり、とっても “速” い “人” でした。
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