第9回 ルート作成の注意点
- 掲載日/2013年02月22日【はじめてのヨーロッパツーリング】
- 取材協力/オズ・インターナショナル、オーストリア航空 写真・文/佐川 健太郎
※ 2012年12月15日発行『BMW BIKES』Vol.61 P.74 「ヨーロッパ=ロングラン 使ってみてわかった R1200GS ホントの実力」にて、佐川健太郎さんによるヨーロッパツーリングの模様がレポートされています。
目的で変わるルーティング
距離は1日300キロ程度に
今回はルーティングの話です。ルートを決めるにはまず、目的ありきです。観光地を巡りたいのか、ワインディングを満喫したいのか、とにかく距離を走りたいのか……。今回、私たちが行ったツアーでは、参加者から事前にリクエストを出してもらい、それを反映するかたちで現地ガイドにルート設定してもらいました。当然、皆それぞれ行きたい場所が異なるので、結局は観光派とワインディング派に分かれて、途中で合流する計画に。ある程度人数がいて経験豊富なガイドがいれば、そういった配分も可能になります。さらにグループ行動を基本としながらも、セクションを決めて1日は各自フリーに走れる日を作るのもいいでしょう。自由気ままに森の脇道に入ってちょっとしたダートを走ってみたり、小粋なカフェでお茶してみたり。知らない土地で緊張しますが、その分ぐっと旅気分が盛り上がります。
ドイツ人のガイドが使っていた Garmin 製ナビ。レンタルバイクのタンクにガムテでがっちり貼りつけていたが、注目はそのサイズ。理由は「見やすいから」だそう。
さて、ルーティングですが、せっかくヨーロッパを走るのですから、やはりアルプスなどの雄大なワインディングを満喫したいところです。欧州では高速道路を使わなくても時間がある程度読めるため、できるだけ一般道を走りながら移りゆく景色を楽しむルートがおすすめです。移動距離については、BMW ならその気になれば1日500キロでも走れますが、慣れない土地で無理は禁物。経験とスキルにもよりますが、翌日に疲れを残さないことを考えれば、1日 200 ~ 300 キロ程度にしておいたほうが無難でしょう。
ルーティングの必需品と言えば地図です。ヨーロッパを数日かけてツーリングする場合、空港の売店などに8ユーロぐらいで売っている50万分の1スケールのタイプが便利。1センチ=5キロ換算なので、地図上で1日に移動する距離感覚をつかみやすく、折り畳めるのでジャケットの懐にも入ります。目的地を決めて、そこまでのルートを事前にマーカーでなぞっておくと、イメージがつかみやすくなります。
ナビが便利だが
万能ではない
私は意外とアナログ派なので、国内でもあまりナビに頼ることはないのですが、海外ではやはりナビがあると便利です。ツアーなどでグループ行動する場合は、あまり必要ないかもしれませんが、仲間とはぐれて迷子になってしまったときなどは心強いですね。なにせ、目的地さえ入力すれば、そこまで連れてってくれるわけですから。現地ガイドによると、機種は Garmin がおすすめだそうです。日本でも「zumo550」などはバイク用として定番になっていますが、現地で使うにはヨーロッパの地図データを買ってインストールする必要があります。地図データがけっこう高いようで、安く済ますには事前にパソコンで地図を作製してそれをダウンロードする方法もあるそうです (試してませんが)。
ただし、ナビも万能ではありません。土砂崩れや事故による通行止めもあり得ますし、田舎に行くほど道が分かりにくいのは日本と同じ。道を知り尽くした現地ガイドでさえロストしていました。いざとなったら、太陽の位置からだいたいの時間と方角を予測するなどのサバイバルテクも身に付けていたほうが安心ですね。
モーターサイクルジャーナリストとして2輪専門誌やWEB等で活躍中。本サイトではニューモデル試乗やライディングテクニック講座【スマテクで乗りこなそう!】で講師を担当。公道で役立つ実践的な安全運転スキルからサーキット走行まで造詣が深く、ライテク関連の記事や映像も数多く手掛ける。『MOTOCOM』編集長。『ライディングアカデミー東京』校長。MFJ公認インストラクター。
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