第8回 ガソリンスタンドの利用方法
- 掲載日/2013年02月15日【はじめてのヨーロッパツーリング】
- 取材協力/オズ・インターナショナル、オーストリア航空 写真・文/佐川 健太郎
※ 2012年12月15日発行『BMW BIKES』Vol.61 P.74 「ヨーロッパ=ロングラン 使ってみてわかった R1200GS ホントの実力」にて、佐川健太郎さんによるヨーロッパツーリングの模様がレポートされています。
早めの給油がポイント
油種は「スーパー」以上を
今回はヨーロッパの「ガソリン給油」についての話です。最近、日本でもガソリンスタンドが減少傾向ですが、ヨーロッパではさらに数は少なく、余裕を持って早めに給油するのがポイントです。知らない山の中でガス欠などは避けたいですからね。幸い BMW のオンボードコンピュータには「走行可能距離」を表示する機能があるので、だいたい残り 100 キロを切ったら給油しておいたほうが安心です。
ヨーロッパのガソリンスタンドはセルフサービスが一般的ですが、田舎に行くと世間話が好きなオジさんが入れてくれる昔ながらのスタンドもあります。セルフの場合、料金は後払い方式がほとんどで、自分で油種を選んで給油後にお店の中まで歩いて行って給油機の番号を告げて支払います。ちなみにアメリカでは先払い方式が主流ですね。
ヨーロッパのスタンドはセルフ方式が一般的だが、店員さんが入れてくれる場合もある。自分で入れる場合は、油種を間違えないよう注意したい。Diesel だけは絶対ダメ!
注意したいのは油種です。だいたい、Super (スーパー)、Super Plus (スーパープラス)、Diesel (ディーゼル) などに分かれていて、Super が日本で言うレギュラーに、Super Plus がハイオクに相当します。BMW などの輸入車の場合、日本ではハイオク指定が標準になっていますが、欧州のガソリンはオクタン価が高く設定されているため、Super で十分です。
ただし、スタンドによっては 91、95、98 などのオクタン価で表示されている場合もあります。前述の Super はオクタン価 95 相当なので、迷ったら「Super」か「95」以上と覚えておくといいでしょう。
一度こんなことがありました。イタリアでスタンドに入ろうとすると、通りかかった GS 乗りのライダーが給油機を指差しながら、「あのガソリンを GS に入れたらエンジンが壊れるぞ」と言うのです。焦って表示を見たのですが、イタリア語でよく分からず……。でも心配なので別のスタンドで入れました。もし、どうしても分からなかったら、現地のライダーに聞くのが一番かもしれませんね。
ガソリンは高いが
スタンドは便利に使える
気になるガソリンの価格ですが、昨年秋の時点でリッターあたり Super (スーパー) は 1.7 ユーロ、Super Plus (スーパープラス) は 1.9 ユーロぐらいしていました。現在の為替レートで換算すると、それぞれ 210円、240円程度になります。原油価格の値上がりで世界的にガソリン価格も上がっていますが、日本に比べても相当割高な印象です。昔からヨーロッパはガソリンが高いと言われますが、特にイタリアは高いようです。距離を走る分、ついつい燃費が気になってしまいますが、その点 BMW には「瞬間燃費計」が装備されているので、ありがたいですね。
ガソリンスタンドは給油だけでなく、飲料やお菓子、日用雑貨が売っていたり、カフェが併設されていて軽食が食べられるところもあります。もちろんトイレも。ヨーロッパの街道沿いにはコンビニがほとんどんないため、スタンドがその役割を果たしているようです。スタンドは地元ライダーと触れ合えるチャンスでもあり、うまく利用したいものですね。
モーターサイクルジャーナリストとして2輪専門誌やWEB等で活躍中。本サイトではニューモデル試乗やライディングテクニック講座【スマテクで乗りこなそう!】で講師を担当。公道で役立つ実践的な安全運転スキルからサーキット走行まで造詣が深く、ライテク関連の記事や映像も数多く手掛ける。『MOTOCOM』編集長。『ライディングアカデミー東京』校長。MFJ公認インストラクター。
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