試乗レビュー写真速報 R nineT(2014)
- 掲載日/2014年05月19日【トピックス】
- 取材協力/BMW Motorrad Japan 取材・写真・文/山下 剛
オーソドックスな丸目1灯式ヘッドライト。バルブカバーには BMW のロゴが、モノクロでさりげなく描かれている。
コンセプトスタディから生まれた
BMW 初のカスタム前提のカフェレーサー
2008年、ミラノショーで BMW が発表した『Lo Rider』は、低く構えたシャシーとチョップされたシートが強烈なインパクトを放つコンセプトモデルだった。これまでの BMW のイメージから大きく離れたこのモデルは、コンセプトスタディとされ、市販を見据えたものではないと思われていた(もちろん市販を望むファンの声はあった)。
そして BMW が創業 90 周年を迎えた 2013年、市販車初のビキニカウルをまとって 1973年に登場した『R 90 S』をモチーフとするオレンジ色のカフェレーサー『Concept 90』が登場した。ハーレーダビッドソンのカスタムビルダーとして世界的に有名なローランド・サンズと共同でデザインされたそれは、BMW ファンはもとより世界中のモーターサイクルファンの注目を浴びた。
そうした経緯を経て、『R nineT』は 2013年秋のミラノショーにて発表された。当初、Concept 90 を母体とする市販バージョンかと思われたが、真相はその逆で、Concept 90 は R nineT をベースにローランド・サンズがスペシャルパーツをデザイン、製作したものだったのだ。
つまり、R nineT とは “自由なカスタマイズを楽しむための BMW ボクサー” なのである。
フォトTOPICS(写真点数/14枚)
01そのヘッドライトは2本のボルトでマウントされる。デザインを優先させた結果だろうが、アウトバーンでの高速走行を想定していながらこれだけシンプルな固定方法は、BMW の技術力の自信の表れでもある。
02フロントブレーキは 320mm 径ディスクローターにブレンボ製4ポッドキャリパーがラジアルマウントされる現代的な装備。ABS は標準装備している。
03倒立フロントフォークは S 1000 R と同一のチューブを採用するが、調整機構はない。ちなみに、今でこそテレレバーやデュオレバーを多く採用する BMW だが、テレスコピックフォークを発明したのは BMW だ。
04ステアリングダンパーが装備され、クセのないハンドリングに貢献している。
05ブラックにペイントされるアルミの燃料タンクは、サイド部は無塗装としてアルミ地を残し、ヘアラインの美しさを際立たせるデザイン。インテークパイプにもアルミパネルが装着される。
0690 周年という節目で水冷化された BMW ボクサーにとって、DOHC 4バルブ空油冷フラットツインエンジンは、空冷の歴史に有終の美を飾る。
07片持ち式スイングアームは R 1200 R と共通。もちろん BMW 伝統のシャフトドライブだ。
08リアサスペンションは油圧調整式プリロードアジャスターを装備。リバウンド/ダンピングともに調節可能。
09シートは前後セパレートタイプ。薄い作りだが、コシがしっかりとしたスポンジを採用しており、乗り心地は良好だ。
103ピース構造のリアフレームセクションは簡単に脱着できる構造だ。
11片側2本出しのアクラポビッチ製チタンサイレンサーを装備。ヌケのいい乾いた低音を奏でる。
12リアフレームには積載用の荷掛けが装備されている。これも近年の BMW ではめずらしい装備だ。
1312V 電源のヘラーソケットは車体左側、ボクサーエンジンの上部に備わっている。
14キーオンにすると速度計と回転計の針が右に振れる演出が見られるメーター。中央の液晶パネルにはギアポジションや気温、距離、時計などを表示する。
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