試乗レビュー写真速報 R1200GSアドベンチャー(2014)
- 掲載日/2014年04月14日【トピックス】
- 取材協力/BMW Motorrad Japan 取材・写真・文/山下 剛
本国仕様ではオプション扱いだが、日本仕様のヘッドライトは LED タイプが採用される。ロー×2、ハイ×2、ポジション×2で構成され、結露防止ユニットを内蔵する。明るさは申し分なく日中の被視認性も高い。
大陸を縦横無尽に走破する
アドベンチャーバイクの最高峰
このバイクのルーツは 1988年に登場した『R 100 GS-PD』だ。PD とはパリダカールの略称で、35 リットルの大容量燃料タンクとフレームマウントのフェアリング、可動式スクリーンを装備したツーリングモデルだ。
第2世代となったのは、R 1100 を飛び越えた R 1150 GS からで、『R 1150 GS Adventure』として登場した。車名に『アドベンチャー』が冠されるようになったのもここからだ。しかしながら満タン時の車重は約 280kg とまさしく重量級で、乗り手を選ぶバイクであったことも事実だ。第3世代となる『R 1200 GS Adventure』では、ベースモデルの軽量化によって車重がおよそ 20kg も軽くなったことに加えて、刷新された空冷ボクサーの吹け上がりが速くなったことも手伝い、ボディは大柄ながら走り出せば軽快なフィーリングを味わえるバイクとなった。
そして BMW ボクサーが空冷から水冷へと進化した今、第4世代となる『R 1200 GS Adventure』が登場。そのコンセプトは R 100 GS-PD からまったく変わらず、大型燃料タンクによる圧倒的な航続距離、大型フェアリングとスクリーンによる快適な巡航を味わえる GS だ。
フォトTOPICS(写真点数/14枚)
01ノーマル GS と比べてスクリーン上部は左右に広がり、大型化されている。サイドフラップとあわせて高速巡航時の防風効果がさらに向上。コックピット右側に設置されるダイヤルノブで高さを調節できる。
02転倒時の衝撃から燃料タンクとエンジンを守るプロテクターと、シリンダー下部を保護するアルミ製ガードは標準装備。これは先代から変わらない美点でもある。標準装備のサブライトはこのプロテクターにマウントする。
03左右に大きく張り出した燃料タンクはアルミ製で、容量は 30 リットル。ヒザに当たる部分はかなり絞り込まれており、ニーグリップをした際には大柄な印象は受けない。GS ロゴがある部分はタンク本体、白と黒の部分は樹脂カバーだ。
04シートは前後セパレートタイプで、890/910mm の2段階調節式。これは 890mm にセットした状態。座面は広く、クッション性も良好。荷重を分散し、長距離走行でも苦にならない。オプションにはローシート(840/890mm)もある。
05シート高の調節機構は前部と後部の2カ所にあるため、前下がりあるいは後ろ下がりにも設定できる。前部は丸いラバーマウントがついたプレートの表裏のいずれかで調節、後部は樹脂製マウントの高さを変えることで調節する。
06標準装着されるリアキャリアはオプションのトップケース(アルミ製)をそのままマウントできる。ただしキャリアにフックがないので、バッグ類の積載がメインとなるならフックなどを追加すると使い勝手が上がる。
07アルミ製パニアケースはオプションだが、マウントステーは標準装備される。他社製ステーやケースも出揃ってくるだろうが、とくにマフラー側の効率的な設計は純正ならではの利便性がある。
08フロントサスペンションを挟み込むようにラジエターが設置される。サスペンションは前後ともにザックス。セミアクティブ式で電子制御され、各センサーが走行中の車両状態を検知、最適なダンピング/プリロード特性へ適時変更する。
09空水冷ボクサーエンジンは、ノーマル GS よりも約 900g 増となったクランクシャフトが組み込まれ、車格に合ったエンジンフィーリングとなっている。パワーとトルクの出力値に変更はない。
10パニアケース装着時には隠れてしまうマフラーは GS と同一。ボクサーエンジンらしい乾いた低音が特徴で、水冷化されてからサウンドはさらに迫力あるものになっている。
11タンク上部には施錠可能な小物入れが備わる。小銭やカード類を収納しておくのに便利だ。写真手前の黒い部分は排気口で、エンジンの熱を放出するためのダクトだ。
12ブレーキはノーマル GS と同スペック。ブレンボのモノブロックキャリパーがラジアルマウントされる。もちろん ABS も標準装備で、スイッチオフも可能。
13ザックスのサスペンションユニット、こちらはリア。ダイナミック ESA のダンピングは個別設定も可能だが、ライディングモードプロを変更すると連動して設定変更される。
14インフォメーションパネルが大きくなり、速度計と回転計は小さめになった。一般道での速度範囲の表示が狭く、またメーター全体でも下部に位置するため、やや見づらい。
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