試乗レビュー写真速報 R1200RT(2014)
- 掲載日/2014年03月31日【トピックス】
- 取材協力/BMW Motorrad Japan 取材・写真・文/山下 剛
最新エアロダイナミズムによるシャープでエッジが効いたエクステリアは、K 1600 GT/GTL と同じ方向性のデザイン。ヘッドライトには BMW らしさでもあるリングライトが装備される。
BMW ロードバイクの本流を走る
正統進化系スポーツツーリング
かつて BMW が世界をあっと言わせたバイクがあった。1976年に登場した「R 100 RS」だ。市販バイク初装備となったフルカウルは、当時のバイクファンの間でスタイリングや装備をめぐって賛否両論が巻き起こったといわれる。しかし大きなカウルがもたらす高速巡航時の安定した走行性能と快適性は、その後のバイクシーンにおいてフルカウルを常識とするほどの圧倒的な存在感と革新性を持っていたのだ。そしてそれから長い間、BMW といえば R 100 RS を指すほどの代表的モデルとして多くのライダーに支持され、BMW のフラッグシップとして愛されてきた。
今回紹介する最新の R 1200 RT というモデルのルーツは、その R 100 RS にある。大型スクリーンやエアインテークの追加などで、おもに風雨からライダーを守ることで快適かつ安全な長距離巡航を目的とした改良を施されたツーリングモデルだ。1978年に「R 100 RT」が誕生して以来、R 1100 RT、R 1150 RT と進化を重ね、36年目を迎えたロングセラーモデルであり、今や R 1200 GS と双璧をなす BMW ボクサーなのだ。
フォトTOPICS(写真点数/59枚)
01高速域での空力性能を考慮したサイドパネルも、先代と比較して大きく変わった部分。フロントマスク同様、風洞実験を繰り返されることによって生まれる最効率と洗練されたデザイン性を感じさせる。
02日本仕様にはローシートが装着される。小柄な人でも足つき性はよくなっているが、シートの端が太ももに当たる感触も否めない。身長 175cm 以上ならば標準シートへ換装すると快適性と操作性が上がるだろう。
03シート高は 760/780mm の2段階に調節可能。これはシート下前部に設けられた機構で、このプレートの表裏を変えることでシート高が変わる。同様の機構はシート下後部にもあり、前後別々にシート高を変えられる。
04最新ボクサーの証、ラジエターはヘッドライト下部に設置される。左右別体のセパレートタイプ。フェアリングの奥にあるため、外からはほとんど見えないが、虫や飛び石を考慮すればコアガードも有効だろう。
05先代よりもクランクケースがはっきり見えるようになり、ボクサーエンジンの存在感は高まった。1,170cc 空水冷の水平対向 DOHC 2気筒は 125Nm/6,500rpm、125PS/7,750rpm を絞り出す。
06エキゾーストパイプからサイレンサーエンドまで、きらびやかなクロームメッキが施される排気系。乾いた低音を効かせたボクサーサウンドは健在。空水冷化されたことで、やや低音が強くなったか。
07シフトアシストプロによりクラッチ操作いらずの変速が可能。3,000rpm 以上で効果的で、シフト操作を感知すると自動的に点火がカットされる仕組み。アップだけでなくダウンもできるようになったのが特徴。
08効きも操作性も十分すぎるほどのブレーキ。もはや ABS は常識といえる安全装備。キャリパーはブレンボ製がラジアルマウントされる。先代は BMW ロゴが刻印されていたキャリパーだが、現行ではブレンボロゴが刻印される。
09テレレバーのAアーム直下に設置されるステアリングダンパーは、R 1200 RT をはじめとするすべての空水冷ボクサーに装備されるようになり、ハンドリングがさらに安定して落ち着きある特性になった。
10デイパックを軽々と収納する大容量のパニアケースは、ハンドルスイッチで施錠可能となって利便性が大幅に向上。ケースの着脱の容易さや扱いやすさは歴代 RT から変わらないよさ。これがあるから RT を選ぶ人も多い。
11ケースマウント部はテール上部に2カ所、タンデムステップに1カ所。パニアケースを外した状態でもすっきりしていて野暮ったさはない。市街地走行が主なときは外して走ると軽快さがアップする。
12オプションの純正ナビゲーターを装着した状態。デザインは K 1600 系と同様で、ウォーニングインジケーター(上部)と大型カラー TFT 液晶モニター(下部)を挟むように速度計と回転計が並ぶ。
13左ハンドルスイッチはナビゲーションやオーディオ操作用のマルチコントローラー、電動スクリーン、さまざまな情報をモニターするためのメニューボタンなどが並ぶ。右はモード切替、セル/キルスイッチ、ケースロックとシンプル。
14電動スクリーンを最大に立てた状態が左の写真。スクリーン上端が視界に入るものの、スクリーンに歪みがないため、ほぼ気にならない。高速巡航時や雨天走行時に絶大な効果を発揮する。右の写真は最も低い状態だ。
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