BMW Motorrad R1250GS /新型の可変バルブ機構を搭載したボクサーエンジンを装備した最新モデル
- 掲載日/2019年02月20日【試乗インプレ】
- 取材協力/BMW Motorrad 取材・写真・文/小松 男
新型GSという存在を知るために
約40年にものぼる歴史を振り返る
2018年末に日本でのデリバリーが始まった新型R1250GS。このモデルはBMWモトラッドのラインアップの中においてマーケット戦略的に重要性の高いモデルでもあるので、GSがこれまで歩んできた歴史について簡単におさらいすることから始めるとしよう。
R80G/S(1980)
初代GSにあたるR80G/Sが登場したのは1980年の事、今から40年近く前になる。オフロード走破性能を考えられて作られたこの初代GSは、800ccOHVボクサーツインエンジンを搭載しロングストロークのサスペンションやフロント21、リア18インチのタイヤが採用されるなど、当時のビッグバイクとしては異端な存在であった。しかしR80G/Sをベースとしたファクトリーマシンを駆ったガストン・ライエやユベール・オリオールらが、パリダカールラリーにおいて優勝するなどの輝かしい戦歴を残し、ラリーレイドシーンを中心に瞬く間にその名を世に広めていった。
1000ccエンジンを採用するR100GSやパリダカール仕様モデルなどの後継モデルを輩出したが、80年代中頃とになると環境問題におけるボクサーエンジンモデルの存続の危機などがあり、BMWモトラッドは新型エンジンを搭載したKシリーズに開発を注力する時期に入った。
R1100GS(1994)
再びGSが注目されたのは1994年に登場した新世代4バルブボクサーエンジンを搭載したR1100GSだ。当時のBMWモトラッドが持つイメージ的な話で言えば、RSがメインストリームであった。しかしR1100系はRS、RT、GSどれもが同じようにヒットした。その中でもGSはロングツーリング志向が高められ、それが結果的に広く受け入れられていった。
R1150GS(1999)
1999年には排気量が引き上げられ、フェイスリフトが施されたR1150GS、2002年にはビッグタンクや大型スクリーンなどが採用された派生モデルR1150GSアドベンチャーが追加された。一方でR1100GS以降は巨大化し重量が増していったがゆえにオフロード走破性能はスポイルされていたのは否めなかった。
R1200GS(2004)
そんな中2004年にR1200GSが登場した。先代と比べて約30kgもの軽量に成功したこのモデルは、地球規模での大ヒットを遂げ、もはやBMWモトラッドの顔となっていった。それからというものBMWモトラッドは各方面にセグメントを広げ、様々なエンジンを搭載したモデルを次々と生み出していったが、DOHC、水冷化、そして今回のシフトカム(可変バルブ機構)と新しいボクサーエンジンを搭載して真っ先にリリースするのがGSとなったのだ。
少々前置きが長くなってしまったが、多くのライダーが“BMWモトラッドと言えばGS”と認識していった時期があったことは事実だいうことを伝えたかったのだ。
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