VIRGIN BMW | HP4 RACE(2017-) 現行モデルカタログ

HP4 RACE(2017-)

  • 掲載日/2019年01月16日【現行モデルカタログ】
  • ※表記はメーカー発表の年です  

HP4 RACE(2017-)のモデルカタログ写真

HP4 RACE(2017-)

量産市販車初のカーボン製メインフレームを採用
脅威のパフォーマンスを実現したサーキット専用マシン

HP4 RACE(2017-)のモデルカタログ写真

HP4 RACEは2017年にBMW Motorradが世界限定750台で発売したサーキット専用モデル。最大の特徴はメインフレームに量産市販車として初めてカーボンファイバーを採用していることだ。公道走行不可、あくまでサーキットでの走行を楽しむモデルということもあって、車体にはライトやミラーなどの補器類もなく、ハーネスも専用設計。そしてメインフレームだけでなく、前後のホイールにもカーボンホイールを採用した結果、乾燥重量はわずか146kgという驚異的な軽さだ。燃料を満タンにした状態でも車重は171kgと、SBK(世界スーパーバイク選手権)用のレーシングマシンよりも軽い車体を実現している。

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HP4 RACEのカーボンファイバー製のメインフレームはモノコック構造で単体重量は7.8kg。もちろん同年式のS1000RRに採用されているアルミフレームよりも軽い。カーボンを用いたパーツを製造する際には複数の部材を組み合わせる方法もあるが、HP4 RACEではひとつのカーボン素材から成型することで、部材同士の接着やボルト締結に起因する弱点を補っている。ただ、ステアリングヘッドやスイングアームピボット、エンジンハンガーなど、ほかのパーツとボルト締結を行う部分には「インサート」と呼ばれるアルミ部材が組み込まれている。

HP4 RACE(2017-)のモデルカタログ写真

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構造部材としてのカーボンの採用はメインフレームだけではない。シートポストとして機能するリアフレームにもカーボンを採用しており、さらにシートは816mm/831mm/846mmと3段階に調整可能な機構を持つ。また、同じくカーボン製の前後ホイールは従来のアルミ鍛造ホイールと比較して重量を30%軽減。この軽量なホイールの採用によって、ホイールに発生するジャイロ作用(※回転する物体がその回転軸を保持しようとする性質。ジャイロ効果とも呼ぶ)も40%削減されており、軽快なハンドリングが求められるレーシングマシンとしての性能を高めている。

エンジンはBMW Motorradのチューニング部門HP Racingが手掛けたスペシャルで、S1000RRをベースとしながらも最高出力158kW(215hp)/13,900rpm、最大トルク120Nm/10,000rpmを発生する。スタンダードのS1000RRと比較すると出力で12kW(16hp)、トルクで7Nmの上乗せである。

電子制御も洗練されており、エンジン出力を制御するDTC(ダイナミック・トラクション・コントロール)、エンジンブレーキを±7段階で調整可能なEBR(アジャスタブル・エンジンブレーキ・エフェクト)、ウイリーコントロール、ローンチコントロール、ピットレーンリミッターを装備。これらの機能はハンドルスイッチで操作し、2D製のディスプレイで動作状態が確認できる。

また、レーストラックでの使用を考慮してギアボックスは専用レシオの6速クロスミッションを採用。具体的には1速・2速はS1000RR比でロングに、4速・5速・6速はショートに、3速のみS1000RRと同じレシオとしている。もちろんクラッチレスでシフトアップ&ダウンが可能な「HPシフト・アシスタント・プロ」も採用し、リバースシフトにも対応している。

HP4 RACE(2017-)のモデルカタログ写真

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前後のサスペンションはオーリンズ製を採用。倒立式フロントフォークはFGR300で、ブレーキにはブレンボ製GP 4Rモノブロックキャリパーを装着している。フォークをクランプする三又部はアジャスタブル機構を採用していて、フォークオフセットは26mm/28mm/30mm/32mmの4ポジションからチョイス可能な構造だ(出荷時は30mmにセット)。

一方のリアサスペンションにはTTX36GPを採用、サスペンションをマウントするスイングアームはアルミ製となる。HP4 RACEではスイングアームへのカーボン素材の採用は見送られたが、BMWのSBKマシン同様の逆トラスタイプを採用しているのも大きな特徴のひとつである。 これら前後の足周り装備にはS1000RRにも採用されている電子制御システムがリンクされており、レースABSや電子制御サスのDDC(ダイナミック・ダンピング・コントロール)はHP4 RACE専用にセットアップされている。

このように純粋にサーキット走行を楽しむためだけに生み出されたHP4 RACEは、BMW Motorradが考えうる最高のテクノロジーをすべて詰め込んだ「究極のラグジュアリーマシン」と言えるだろう。

スペック

記載の車両情報や価格表記はメーカー発表当時のものです。
最新の車両情報に関してはメーカー公式サイトをご確認ください。
発売時価格 (税込)
1000万円
生産期間
2017年~
エンジン形式
4ストロークDOHC 並列4気筒
バルブ
1気筒あたり4バルブ
総排気量
999cc
ボア×ストローク
80.0×49.7mm
最高出力
158kW (215hp) / 13,900rpm
最大トルク
120Nm / 10,000rpm
圧縮比
13.7~13.9:1
冷却方式
水冷
バルブ駆動
DOHCカムチェーン駆動
点火/噴射制御
電子制御式燃料噴射
クラッチ
湿式多板、アンチホッピング機能付き
ミッション
レース用6速クロスミッション
オルタネータ
406W
バッテリー
12V / 5Ah、リチウムイオンバッテリー(メンテナンスフリー)
全長×全幅×全高
2,070×777×1,193 mm
ホイールベース
1,440mm
シート高
815mm(Low:816mm/High:846mm)
燃料タンク容量
17.5リットル (リザーブ容量4 リットル)
車両重量
171.4kg(走行可能状態)
燃料消費率
燃料
無鉛プレミアム
フレーム
カーボンファイバーモノコックRTMフレーム
フロントサスペンション
オーリンズFGR300 WSBKフォーク(コンプレッションおよびリバウンド調整機能付き)/オーリンズSD052ステアリングダンパー(調整機能付き/バネレート:10.5 N/mm)
サスペンショントラベル (フロント)
130mm
リアサスペンション
アルミニウム製SBK仕様スイングアーム オーリンズTTX36GP(コンプレッション、リバウンド、およびプリロード調整機能付き)
リアホイールトラベル
120mm
駆動方式
チェーンドライブ式
フロントブレーキ
ブレンボGP4-PRモノブロックキャリパー/ブレンボレーシングダブルディスク(φ320mm)、フローティング式
リアブレーキ
ブレンボ4ピストンキャリパー/シングルディスク(φ220mm)
ホイール
カーボンファイバーホイール
ホイールサイズ (フロント)
3.50×17
ホイールサイズ (リア)
6.00×17
タイヤ
チューブレス
タイヤサイズ (フロント)
120/70ZR17 ピレリ・ディアブロ・スーパースリックSC2
タイヤサイズ (リア)
200/60ZR17 ピレリ・ディアブロ・スーパースリックSC2

その他の特徴

HP4 RACE(2017-)のモデルカタログ写真
HP4 RACE(2017-)のモデルカタログ写真
HP4 RACE(2017-)のモデルカタログ写真
メーターはMotoGPやSBKのマシンにも採用されているドイツのブランド「2D」製。左右のハンドルスイッチもレース用で各種モードの切り替えを行う。
HP4 RACE(2017-)のモデルカタログ写真
フォークオフセットは可変式で、26mm/28mm/30mm/32mmからチョイス可能。さらにステアリングヘッドアングルも64.5°~66.5°(※注:BMWは伝統的に対地角で表記する)の範囲で調整可能だ。トップブリッジにはシリアルナンバーを刻んだカーボン製のプレートが貼り付けられている。
HP4 RACE(2017-)のモデルカタログ写真
フロントブレーキのマスターシリンダーはレース用のブレンボ製RCS19×18で、左右のレバーもブレンボ製。
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短いリアフレームもカーボン製。そこに収まるのは軽量コンパクトなリチウムイオンバッテリー。各部にチタンボルトを採用するなど、軽量化への妥協は一切ない。
HP4 RACE(2017-)のモデルカタログ写真
サイレンサーはアクラポヴィッチ製。長さ604mmのスイングアームはアルミ製の逆トラス形状でBMWのSBKマシン同様の作りだ。またスイングアームピボットは上下に±4mmの範囲で可変する(調整は1mm刻み)。
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