GSのタイヤ選びは悩ましい。標準タイヤの快適性とハンドリング、ライフは嬉しいが、ダート路では少し不安。ダート用タイヤは持ち前の舗装路性能が減衰し、ロードノイズや乗り心地が遠距離移動ではつらい。ライフも短い。
その答えはTKC70だった。今、このタイプが賑やかになる傾向にあり、GS乗りには待望のタイヤともいえるだろう。
TKC70のフェイスはご覧のとおり。トレッドに刻まれた深めの谷間が視覚的にワイルド。地続きのセンタートレッドはライフを稼ぎ、サイドにはソフトラバーを配置しコーナリング性能、暖まりも早め、ウエット性能も高めている。
実際、乗り心地は標準タイヤよりやや固いと感じる場面があるが、同等といえるレベル。ロードノイズは低い。市街地、高速道でのハンドリングも鋭さはないが、標準タイヤと同等。ワインディングで深いバンク角まで寝かせても旋回力がへこたれないし、安心感も高い。ダートでは軽くテールアウトになりASCが作動しながらでもしっかりとその姿勢を維持して加速する。ああ、待っていたのはこれだよ!と思わず夢中になる走りを楽しめた。これはお薦めである。
新作TKC70は、ラジアル×バイアス的なケース構成でしなやかさと強度を確保。独自のコンパウンド製法、連続するセンタートレッドとソフトなサイドエリアのブロックにより、オン/オフ性能とライフの良さを両立させた。ロード性能はトレールアタック2に比肩し、ウエット性能では上回る。ハンドリング評価でも同等であるとメーカーは語る。
アドベンチャーバイクのOEMにも選ばれる多面的高性能を持つタイヤ。本誌でもGSでテストをしたが、ロードアジリティの高さ、乗り心地では高いバランスを感じさせた。
GSやスクランブラーでハードにダートを走るならTKC80だ。履くだけで高まるオフムード。角型のキャラメルブロックがもたらすグリップは砂地、マッドなどで走破性を発揮する。