試乗レビュー写真速報 K1600GTL(2011)
- 掲載日/2011年11月03日【トピックス】
- 取材協力/BMW Motorrad Japan 写真/山下 剛 文/中村 友彦
車体のピッチングやバンク角に応じて光軸を上下左右に変化させるアダプティブ式ヘッドライトはオートバイ業界初の装備。電動式スクリーンは無段階の高さ調整が可能だ。
現行車では世界で唯一、並列6気筒を搭載する
BMWの新世代フラッグシップ
2011年6月10日から日本での発売が始まったK1600GTLは、BMWが現時点で持っている技術のすべてを結集して生まれたフラッグシップモデルです。最大の注目要素は、4輪部門のノウハウを転用して生まれたストレート6=並列6気筒エンジンですが、熟成が進んだ電子制御式サスペンションやマルチコントローラーによる統合型操作システム、アダプティブヘッドライトなど、このモデルにはエンジン以外にもBMWならではの革新的な技術が随所に採用されています。その結果として、価格は300万円の大台に乗りましたが、実際にこのマシンに触れて、価格設定に異論を唱える人はいないでしょう。
従来の日本で販売される BMW 各車には、アクティブラインやハイラインといったグレード設定が存在しましたが、K1600GTL はオプションフル装備の1機種のみで、カラーはロイヤルブルーメタリックとミネラルシルバーメタリックの2種が準備されています。また、GTL よりもややスポーティな兄弟車として同時開発され、欧州ではすでに販売されている K1600GT は、今のところ日本への導入予定はないようです。
フォトTOPICS(写真点数/11枚)
01シートは前後一体式だが、シートヒーターは前後別々に温度を調整することができる。トップ/パニアケースの集中ロックは、右側スイッチボックスのボタンかリモコンキーで行う。
024輪の技術を注入したストレート6は、1,500rpm で最大トルクの70%を発揮。スロットル操作はケーブルを持たないライド・バイ・ワイヤ式で、エンジン特性はレイン・ロード/ダイナミックの3つのモードから選択できる。
03車体搭載時のシリンダー前傾角は K1300 シリーズと同じ55度で、エンジン全幅はたった 555mm しかない(近年の大排気量並列4気筒よりわずかに広い程度)。潤滑はドライサンプ式、オイルタンクはエンジン後部に設置。
04コクピットの洗練度はさすがBMW。さまざまなシステムが装備されているのに、猥雑な雰囲気は一切ない。ビルトイン式のナビゲーションシステムには、盗難防止対策も盛り込まれている。
05アナログ式速度・回転計の間に設置される TFT カラーディスプレイは、トリップ・オドメーター、燃料残量、ギアポジションといった基本情報を表示するだけではなく、DTC や ESA II 、エンジン特性、グリップ/シートヒーターなどの調整時にも使用。
06スイッチボックスとグリップの間に見えるドーナツ状のパーツがマルチコントローラー。これを回転させたり捻ったりして、TFT カラーディスプレイに表示される情報を操作する。
07フロントカウル左右にはウインドディフレクターが設置されており、これを開くと走行風をライダーに当てることができる。開閉は手動式で、写真は開いた状態。
08フロントサスペンションは K1300 シリーズと基本設計を共有するデュオレバー。ちなみにエンジンの上をメインパイプが通るアルミツインスパーフレームも、レイアウトは K1300 シリーズと共通だ。
09リアサスペンションはオーソドックなボトムリンク式。余談だが、近年の BMW でリンク式を採用しているのは Kシリーズと S1000RR のみで、R/Fシリーズは直押し式である。
10片持ち式スイングアームやシャフトドライブのネガを軽減するパラレバーも、K1300 シリーズと基本を共有している。ブレーキキャリパーは、フロントがトキコ、リアがブレンボ製。
11試乗車が装着するマフラーは純正オプションのアクラポビッチ。排気口が片側3個ずつあるのはノーマルと同様だが、アクラポビッチが上下の穴から排気するのに対して、ノーマルは真ん中の1個のみ。
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