アルパインスターズトゥキャンゴアテックスブーツ BMWバイクパーツ＆グッズ紹介

ALPINESTARS TOUCAN GORE-TEX BOOT

GSで行くならやっぱりオフロードブーツがいい
スポーツ用ではなくライトなブーツが…

豊富なライディングギアをラインナップするアルパインスターズ。とくにグローブやブーツなど、操作性、そして安全性や機能性といった重要な要素を、高いレベルでバランスさせることが要求されるギアの数が充実している。そのなかで今回は“GSに似合うブーツ”として『TOUCAN GORE-TEX BOOT』をテストしてみた。

TRUE TEST !

手に持って軽く機能性にも過不足無し

ターマック（舗装路）とダート（未舗装路）を行くアドベンチャーツーリング用に、と開発されたTOUCAN GORE-TEX BOOTは、ゴアテックス素材を採用した全天候型のオフロードブーツだ。

今回の試用シチュエーションはズバリ“林道ツーリング”。もちろんGSで行くのだから、それなりの距離を一気に駆け抜ける。往復1,000km超の距離を走るのでブロックではなくノーマルタイヤ。そして目的地に到着したらそのままダートへ突入、といった具合。そんなシーンにこのブーツはうってつけのアイテムなのだ。

アウターにレザーを採用してフィット感は高く、足首のホールド機能とプロテクション機能としてはTPU（簡単に言うとゴムとプラスチックのいいとこ取り素材）を帯状に成型したパーツを配し、両機能に加え軽量化も実現している。手に持ってみるとその軽さは実感できるほど。

アルパインスターズの競技用ブーツ全般に見られる、足首の横のねじれを抑制する機能はこのブーツにも適用されており、それでいて上下の動きは妨げないよう、足の甲側とアキレス腱側にアコーディオン式フレックスパネルを配置している。おかげでペダル操作に与えるストレスは無いと言ってもいい（慣れもあるので個人の感想です）。

ペダル操作にはソール形状と厚さも影響する。このブーツの場合、ツルリとした凹凸の無いソールではなく、アウトドアブーツのように土踏まずとかかとがはっきりとした形状だ。そして地面との接地面はグリップを考慮したブロックパターンになっているので、足場の悪い狭い林道でのUターンや車両の押し引きを頻繁に行なっていた際も、それほど足を滑らせることなく踏ん張ることができた。

ツーリング使用なので、ある程度の安全・快適性能が備わっていればそれ以上は望まない。もうひとつ必要なのは“イージーさ”だ。その点で言うと、アルミフレームのバックルは動きがとてもスムーズで、着脱の容易さに大きく貢献していたことは特筆すべきポイント。そのバックルも足の甲と足首の2ヵ所だけで、ブーツ上部は型崩れしない硬質ポリマーを使用し、ベルクロで留める仕様となっている。このあたりも高評価だ。

途中、突然の雨に見舞われたり、水溜りの跳ね返りをモロに受けたり、また、川の浅瀬でジャブジャブ泥を洗い落としても、ブーツ内部への浸水は無かった。さらに、長時間の着用（朝から夕方まで）で内部が激しく蒸れることもなく快適だった。

テストを終えて

当然だが使い始めは硬く、足首は動かしづらかったものの、数日間履き続けたらだいぶ馴染んで身体もブーツに合わせた動きになった。モトクロスやエンデューロ用ブーツであれば、ライディング時のパフォーマンスを重視するためそうはいかない。このブーツは旅先で車両を離れ、歩くことも考慮しているのだろう。その違いは軽さと柔らかさ、そして着脱の容易さも関係している。

欲を言えばスネまで覆う長さではなく、くるぶしを覆うくらいだったらもっと使い勝手は良かったと思う。しかし林道で万が一のことを考えたら、これはこれでいいのかもしれない。

価格的には購入に勇気が必要なアイテムだが（為替相場の変動にも左右される）、アドベンチャーツーリング用のブーツとして十分な機能を備えているTOUCAN GORE-TEX BOOTは、GSで旅をするライダーにとって、購入候補のひとつに挙げても間違いはないだろう。